デジタルマーケティングに強い支援企業21選~デジタル時代を生き抜く~


Writer:
山崎雄司
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近年、急速に需要が伸びているデジタルマーケティングだが、さまざまな課題に直面し、取り組みが遅れている企業も少なくない。そうした企業を対象に、効果的なデジタルマーケティングの支援を行っている企業は多く存在する。今回は、国内の代表的なデジタルマーケティング企業と、各々の強みや選び方のポイントを確認していこう。

目次


1. デジタルマーケティング企業とは
2. デジタルマーケティングの市場規模
3. 代表的なデジタルマーケティング企業21選
4. デジタルマーケティング企業の選び方
5. 自社のニーズと支援企業ごとの強みを把握しよう

デジタルマーケティング企業とは


マーケティングとは、顧客に商品を選んでもらうまでに取り組むプロセス全体のことであり、そこにデジタル技術を組み合わせたものをデジタルマーケティングという。たとえばオンライン上でのプロモーションや、オンライン上での行動履歴等のデータ収集、販売促進のためのデジタル媒体チャネル(SNS、メール、スマホアプリ)などが該当する。
そして、このようなデジタルマーケティングを事業化し、商品やサービスの販売拡大をサポートしている企業がデジタルマーケティング企業である。新型コロナウイルス感染症の流行により、顧客接点をアナログからデジタルに切り替える企業が急増している現在、デジタルマーケティング企業の需要はますます増加している。


デジタルマーケティングの市場規模


IDC Japanが発表した「国内デジタルマーケティング関連サービス市場支出額予測、2020年~2025年」によると、2020年時点でデジタルマーケティングの市場規模は前年比2.6%の4,035億円となっており、2020年~2025年の年平均成長率(CAGR)は7.2%で推移。2025年の市場規模は6,102億円になると見込まれている。なかでもビジネスサービス市場は、企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)に伴いビジネスコンサルティングサービスの需要が活発化していることから、CAGRは10.2%で推移し、2025年には市場規模3,806億円に達すると予測されている。
新型コロナウイルス感染拡大の影響で、企業のDX化が加速すると同時に消費行動もデジタルシフトしつつある。今後もこの流れは継続すると考えられ、デジタルマーケティングの国内市場規模は引き続き拡大していくと考えられる。


代表的なデジタルマーケティング企業21選


1. 株式会社電通デジタル


国内最大規模の総合デジタルファーム。“人”を基点としたマーケティング活動全体を設計・実行するための電通独自のフレームワーク「People Driven Marketing®」を活用し、一人ひとりのターゲットに対して最適な情報を最適なタイミングで届けることで、マーケティングの成果を最大化する。
デジタル広告全般の運用やプランニング、データコンテンツのためのシステムの開発・設計・運用・PDCA推進といったサービスを提供し、幅広い支援を行っている。電通グループの今まで蓄積してきた膨大なデータやノウハウを活用できる点が強み。また、新技術を活用したデジタルマーケティングに注力しているのも特長だ。


2. 株式会社オプト


広告代理店の中でも、インターネット広告事業に強みを持っている企業。リスティング広告ディスプレイ広告、SNS広告、アフィリエイト広告、動画広告、ランディングページ(LP)の制作・運用などに取り組んでいる。広告代理サービスだけではなく、テクノロジーサービス、マーケティングサービスなども提供し、あらゆるチャネル戦略やコミュニケーション戦略を駆使して業界をリードしている。
近年はデジタルシフト社と連携し、ChatGPTなどの生成AIを活用したデジタルマーケティングを支援するAIイノベーション推進室を設立。


3. 株式会社サイバーエージェント


インターネット広告事業を展開しており、広告販売、最先端技術を活用したクリエイティブ制作、DX推進など、デジタルマーケティング全般における広告戦略の立案・運用を行っている。WEB広告をはじめ、SEOや動画マーケティングなど、あらゆるデジタルマーケティングに強く、クオリティの高いサービスを提供。幅広いユーザー層や広告、技術研究による知見を集積しているのが特長である。
また、「CA Dashboard」という広告主向けBIツールを提供。これを用いることで、自社のネット広告の全配信データをWebで閲覧でき、さまざまな切り口で広告効果を確認することが可能となる。

4. 株式会社デジタルガレージ


広告マーケティングを主軸に「WEBストラテジーソリューション」「WEBマーケティング」「CRMソリューション」「新規事業開発」を展開するデジタルマーケティング企業。Twitter(現X)の日本展開事業など、豊富な実績を持つ。
近年では、デジタルガレージグループの保有データを活用したマーケティングや、Webとリアルの両面で培ったノウハウを生かしたマーケティングなど、デジタルガレージならではのマーケティング手法を提供しており、幅広い要望に応じる技術力が特長。

5. トランスコスモス株式会社


国内最大級のWebサイト構築・運用体制で、さまざまなフェーズにおけるデジタルマーケティングの活用を包括的に支援する。マーケティングツールも提供している。各分野に精通した部門、メンバーを配置することで、さまざまなソリューションを一貫して提供している。
また、コールセンターサービスも展開しており、デジタルマーケティングの運用体制を幅広くサポートすることが可能。

6. 株式会社ウィルゲート


SEO特化型のSaaS「TACT SEO」によるコンテンツマーケティング事業を主軸に、DXコンサルティングやM&A仲介事業も展開。SEO強化のためのWebコンサルやコンテンツ作成、SEOに強みのある受託型の記事作成サービスなどを行っている。
また、経営者向けに、SNSを使った営業活動支援「ソーシャルセリング」を提供している。

7. 株式会社アイレップ


博報堂DYグループの一員であり、デジタル起点の統合マーケティングを支援する企業。デジタルマーケティング領域においては、動画広告、SNS広告、SEO対策、アフィリエイト、リスティング広告など包括的に対応可能。クライアントの課題に対しての戦略立案からプランニング、PDCAサイクルに特化した専門チームなどの強みを持っており、検討段階から一貫したサポートを実施している。
また、TEAM JAZZという取り組みを行っており、デジタル時代に即した総合型の広告のプランニングやクリエイティブを提供している。

8. 株式会社アドウェイズ


エージェンシー事業(広告代理業)とアドプラットフォーム事業(マーケティングプラットフォーム提供)を中心に、さまざまなデジタルマーケティング事業を展開している。「人」による高い運用力と創造力、AI活用の高度なテクノロジーを組み合わせ、効果的なPRと分析を実現している。アジアを中心にグローバルな展開をしていることも特長。

9. 株式会社D2C


ドコモと電通の共同出資会社で、ドコモメディアの活用を中心に、オウンドメディアやインターネット広告事業を行っている。NTTドコモの消費者ビッグデータを活用し、精度の高いターゲティングや広告企画が可能。現在は「統合マーケティングパートナー」として、さまざまなソリューションを提供している。

10. 株式会社アイ・エム・ジェイ


アクセンチュアのグループ企業であり、コンサルティングとクリエイティブの力を融合させ、ビジネスの上流から継続的なBPOまで総合的かつワンストップでサービスを提供しているのが特長。
生活者、企業、社会に対する最高のエクスペリエンス創出を掲げ、Web制作と広告マーケティング事業を中心に、UI/UXに優れたWebサイト構築や、デジタルマーケティングの戦略策定・集客・分析などを行い、ROIの最適化を実現している。


11. 株式会社スパイスボックス


SNS起点のデジタルマーケティングを得意とする、博報堂グループの企業。ソーシャルビッグデータによる顧客分析や戦略設計から、インフルエンサー活用、コンテンツ制作、SNSアカウント運用、広告運用、各種分析、PDCAまで一貫してサポート。ソーシャルメディア上にある生活者の口コミや行動分析を通して、生活者の好意、共感を生む広告コミュニケーションを実現し、ブランディング支援等を行っている。


12. 株式会社Speee


インターネット広告配信を軸に、独自開発のプラットフォームの提供と合わせ、それを活用したデジタルマーケティングの戦略設計から実行、修正まで包括的な支援を実施している。
事業内容は「マーケティングインテリジェンス事業」「デジタルトランスフォーメーション事業」「ビジネス R&D」の3つ。「デジタルトランスフォーメーション事業」では、比較的IT化の恩恵を受けていない産業領域であった不動産やリフォーム、介護を対象にサービスを提供している。


13. 株式会社マクロミル


マーケティングリサーチのリーディングカンパニーとして創業し、現在はデータコンサルティングや広告運用など、総合的なマーケティング支援を行っている。21カ国に拠点を有しており、自社パネルと提携パネルを合わせて90以上の国と地域で1.1億人にリサーチが可能なパネルネットワークを構築している。
デジタルマーケティング領域では、同社の主力事業であるアンケート専用モニターからの膨大なログデータをもとに、ターゲティングや消費者行動の分析を行うことが可能。


14. ナイル株式会社


「DX&マーケティング」「メディア&ソリューション」「自動車産業DX」の3つの事業を展開。デジタルマーケティング領域ではSEO対策に力を注いでおり、独自のSEO技術、コンテンツ制作、データ解析、生成AI活用の知見と実行力が特長。
「自動車産業DX事業」では、車のサブスクリプションサービスも手掛けている。

15. 株式会社メンバーズ


デジタルビジネスに特化した専門性の高いデジタルクリエイターで編成される専任チームを提供し、デジタルマーケティング戦略立案をはじめ、企業Webサイトの構築・運用、ソーシャルメディア活用など、幅広い支援を実施。企業の製靴工場と同時に脱炭素を支援している点が特長。Webマーケティングの包括的な支援を受けることが可能。

16. デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム株式会社


博報堂DYグループとして、インターネット広告の企画・制作・配信・効果測定など、デジタルネットワークに特化した広告ビジネスを主軸にしている。集積したデータの高度な解析や、各メディアに精通した専門性の高い人材、独自のソリューションが強み。ビッグデータやAI技術活用、SNSなどの最新のプラットフォームにも積極的に取り組んでいる。
国内外の多様な媒体社やプラットフォーム、ECサイトと連携し、グローバルレベルで事業を展開している。

17. 株式会社イノーバ


BtoB企業のマーケティングを支援する企業。コンテンツマーケティングを強みとし、集客力のあるSEOコンテンツ制作や、商談を創り出すWebサイト制作が可能。
また、専門家がコンサルティングから施策実行までフルサポートする「BtoBマーケティング伴奏型支援サービス」も提供している。

18. 株式会社セプテーニ


デジタルマーケティング事業では、デジタル広告による顧客のDX支援や、データの収集・統合、AIの活用などのソリューション提供を行い、企業のDXの総合的な支援を手がけている。電通グループの強みを生かした、スピード感のあるマーケティングが可能。ブランド広告にも力を入れている。


19. 株式会社ライフェックス


ブランドアイデンティティを構築し、それを中心にブランディング、マーケティング、CRMを一気通貫でトータルサポート。新規顧客の獲得から安定的な売上獲得まで最適なマーケティング施策を提供する。ブランディングが強みであり、広告の運用とインハウス化、コンタクトセンター構築、PR・SNS運用、LINE活用、チャットフォームの提供など、多彩な支援を行っている。

20. 株式会社TryAngle


事業としてのECを俯瞰的に支援することを売りにしている企業で、EC事業戦略・企画、ECサイト構築・制作、ECサイト運営支援、パッケージ製品の導入支援などを行っている。会社ごとの特性を踏まえたコンサルティングや、リリース後の運用を見据えたECサイト構築、数値などの事実に基づく確かな改善ができることが特長。

21. 株式会社メディックス


インターネット広告やリスティング広告を得意とする広告代理店で、デジタルマーケティング全体を一貫してプランニングできることが特徴。動画制作の支援も可能。広告運用やADクリエイティブ、Webサイト制作など、それぞれの分野にエキスパートのスタッフが在籍している。


デジタルマーケティング企業の選び方


1. サービス内容が自社のニーズと一致しているか


自社のWebサイトにおける課題と目的、また課題をいつまでにクリアしたいかを確認し、その企業が自社のニーズに合ったサービスを提供しているか明確にすることが重要だ。たとえば、SNSマーケティングに特化した企業やSEO対策に強い企業、リスティング広告に力を入れている企業など、得意分野や提供サービスに特色があるため、自社の課題や目的に合ったマーケティング手法を提供できる企業を選ぶことで、ニーズに合った効果的なマーケティングを実現できるだろう。

2. 実際の事例や評価


成功実績や評判も重要な要素だ。公開されている実際の事例や、自社と同規模・同業界での事例を確認し、クライアントからの評価などを調べることで、その企業の実力や信頼性を把握することができる。
また、企業のホームページやSNSをチェックすることで、その企業のスタイルや考え方、アプローチ方法などがわかるため、事前に把握しておくとよいだろう。

3. 企業との相性


デジタルマーケティングは長期的な付き合いになることが多いため、企業との相性や信頼関係が築けるかどうかも重要だ。支援企業の得意分野や過去に担当した案件を参考に、また企業の責任者や営業担当者と直接話をする機会を作ることで、その企業との相性を確認しよう。


自社のニーズと支援企業ごとの強みを把握しよう


新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、DX化が急速に進み、消費行動もデジタルシフトしつつある中で、デジタルマーケティングへの取組みは必須といえる時代になった。デジタルマーケティング市場全体が成長傾向にある一方、ノウハウや人材不足などのさまざまな理由により踏み出せない企業は数多く存在する。
オンラインでの効果的なマーケティングのためには、デジタルマーケティング企業による支援を活用し、戦略を立てながら企業活動をすることが必須である。サービス内容や強みは多岐にわたり、会社ごとに異なるので、自社に最適なデジタルマーケティング企業を選定し、効率的に活用していこう。

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