ランディングページとは?意味や特徴、ホームページとの違い、作り方


Writer:
山崎雄司
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ランディングページ(Landing Page)とは、検索結果やWeb広告のリンクなどをクリックした際にユーザーが最初にアクセスするページのこと。

ランディングページとは


ランディングページとは、検索結果やWeb広告のリンク先など、ユーザーが最初にアクセスするページを指す。ランディング(Landing)は「着地」を意味。ユーザーがページに訪れてからアクションを誘導し、CVR(コンバージョン率)を最大化する目的で用いられる。LP、ランペと略されることも。
CVに直結する行動喚起を重視した「1ページ完結型」、各種サイト下層に設けることで即決よりも集客に重点を置く「サイト一体型」、申し込みや問合せフォームを含む「フォーム一体型」などランディングページにはさまざまな種類があるが、この記事では、「1ページ完結型」を中心に解説していく。


ランディングページの広義と狭義


ランディングページには広義と狭義がある。広義としては、ユーザーが最初に着地するページのことであり、検索エンジンの自然検索やWeb広告、SNSやブログなどのリンクをクリックした際、最初に表示されるページを指す。
狭義では、ユーザーのアクションを誘導し CV達成の目的に特化して作られたページを指す。デジタルマーケティングの分野では主にこちらの意味で使われることが多い。


ランディングページの特徴


他ページへのリンクが少ない

ランディングページは、CVに直結するページ以外への流出がないよう、リンクの設置を限定することが多い。

縦長1ページのレイアウト

ランディングページは、上から順にスクロールして読むような仕様で作られることが多く、縦長1ページのレイアウトが基本となる。営業のセールストークを1枚のページに盛り込むような構成でストーリーを展開し、最後まで読むことで商品やサービスについての理解を深められるように作成される。

目立つデザインが多い

ランディングページは特定のアクションを誘導するという性質から、ユーザーの関心を集めやすいデザインが多い。また、縦長のページをスクロールしやすいように画像を積極的に活用したり、図やイラストなどを盛り込んだわかりやすい設計にしたりと、訴求力を高める工夫がなされている。

ランディングページのメリット


離脱者が少ない

通常のWebページでは、バナーボタンやテキストリンクなどの内部リンクによってユーザーが関連ページに遷移しやすい設計になっており、離脱者も多くなりやすい。一方ランディングページは、CVにつながるページ以外のリンクを設置しないため離脱が起きにくく、通常のページよりもCVRが高くなる。

伝えたい情報を集約できる

通常のWebページでは、サイトの回遊性を高めるために複数のページに情報が分割されており、ユーザー自身で情報を探しにいかなければならないため負担が多く、目的の情報を見つけられなかったユーザーは離脱しやすい。一方ランディングページは、目的の情報が1ページに集約されており、ユーザーが上から縦にスクロールしていくだけで、提供したい情報をこちらの伝えたい順番で伝えることができる。そのため、ユーザーは自然に商品やサービスへの理解度が高くなり、CVにつながりやすくなる。

ランディングページのデメリット


サイト回遊につながらない

CVに直結する以外のリンクが少ないため、他の関連ページなどに誘導する手段がなく、サイトの回遊にはつながらない。そのため、CVに結びつかないユーザーの直帰率は極めて高く、他の商品やサービスに対する興味喚起をすることが難しい。

手間がかかる

ランディングページでは、ユーザーがアクションしたくなるような商品やサービスについてのシナリオを1ページに盛り込まなければならない。そのため、通常のページよりも原稿を練りこんで作成する必要があるうえ、Webデザインの知識も必須となる。Web制作会社に発注することも多く、その場合は費用もかかる。また、提供する商品やサービスが複数あった場合には、それぞれランディングページが必要になる。

SEO対策が難しい

ランディングページは、CVに直結するわかりやすいデザインであることを重視するため、SEO対策には不向きである。たとえば、ランディングページは図や画像を多用する傾向があり、読み込み速度が遅くなりやすい。ほかにも、大きな文字やインパクトのあるフォントにするためにテキストを画像化して掲載した場合は、検索エンジンに「情報量が少ない(文字が少ない)」と判断されてしまう危険性も。ただ、ランディングページはWeb広告などの受け皿として作成されることが多いため、SEO対策の必要性はさほど高くないといえる。


ホームページとの違い


ページ数

基本的に1ページで構成されるものがランディングページで、複数ページで構成されるものがホームページである。企業によっては企業情報や採用情報、問い合わせページ、商品やサービスの紹介などをすべて別のページで作成し、サイト回遊率を高めるといった工夫をしているところもある。

目的

ランディングページはユーザーにある特定のアクションを起こしてもらうために作成される。そのため商品注文や資料請求といったCVに結びつけるための構成がされており、CVRを上げることが目的だ。一方ホームページは情報提供を目的としているため、商品やサービスの紹介だけでなく企業の住所や電話番号などといった基本情報から、採用情報や事業案内、SNSなどへのリンクなどさまざまな角度でユーザーの興味関心を惹く仕様となっている。

SEO対策

ランディングページは、前述の通りSEO対策に不向きであるため、行わない場合が多い。一方ホームページは、オーガニック検索からの流入経路を増やせるように、上位表示のためのSEO対策を行うことが多い。


ランディングページの作り方


目的を決める

まずは、ユーザーにしてほしい最初のアクション(CV)を決める。直接的な売上げの向上が目的であれば、CVは商品注文や問合せフォームへの入力となる。見込み客の発掘が目的であれば、CVはイベントの予約や試供品の申し込みフォームへの入力となる。このように、何を目的としてユーザーに何をしてほしいかを具体的に定めることが大切である。

ターゲットを決める

誰をターゲットにするのかを明確にする。ターゲットの年齢、性別、職業、居住地などをできる限り洗い出し、具体的なペルソナを設定することで、何をどう伝えるべきかが明確になり、適した訴求方法や好まれるデザインなどを盛り込んだ効果の高いランディングページを作成することができる。

構成を決める

「何をどのような順番で伝えるか」という構成を決める。Webページの構成はワイヤーフレームとも呼ばれ、上から「ファーストビュー」→「ボディ」→「クロージング」の流れで構成される。設定したペルソナに対してプレゼンテーションをするように、相手が理解しやすい順序で必要事項を盛り込む。

コンテンツを作成する

コンテンツ作成の際は、データを引用して具体性や客観性を出したり、「お客様満足度」「〇〇公認」といった権威付けをしたりすると訴求力も高まりやすい。商品やサービスの具体的な使用例や活用後の変化など、消費行動の段階に沿ってユーザーの購買意欲を高めるような課題解決描写を盛り込み、興味を引き付けることが大切だ。特にキャッチコピーは、数字を使ったり意外な事実を盛り込んだりして、続きを読みたくなるようなものにしよう。

デザイン

ファーストビューはユーザーを引き付ける重要なポイントだ。画像やグラフなどを盛り込んで、一目でわかる読みやすいレイアウトにし、CTAボタンはわかりやすくクリックしやすい大きさで適切な場所に配置する。また、スマートフォンへの最適化がされていないと肝心なCTAボタンが表示されない場合があるので注意が必要だ。競合他社のデザインを研究してみるのも良いだろう。


公開と効果測定

作成したランディングページを公開したら必ず効果測定をし、適切な改善を施していくことが効果を上げるカギとなる。修正を続けてもCVRの改善が見られない場合は、出稿した広告内容や場所がターゲットに合っていないことも考えられる。Googleアナリティクスやヒートマップツールなどのアクセス解析ツールを利用して効果を測定し、多様な切り口で総合的な分析をしながらPDCAを回すことが大切だ。


ランディングページ最適化(LPO)


ランディングページを商品注文や問合せなどのCVに結びつきやすいよう改善し、CVRを高めるための施策を「ランディングページ最適化(Landing Page Optimization/LPO)」という。LPOの施策のポイントは以下の通り。


流入元とファーストビューの文言を揃える

流入元となる媒体(Web広告など)のキャッチコピーやタイトルとランディングページの文言を揃え、ランディングページ訪問のきっかけとファーストビューの間に乖離がないようにする。

リンクは最小限に

CVに直結しないリンクは極力省き、リンクの設置は最小限にする。また、CTAボタンのデザインや設置個所などの見直しを適宜行う。

コンテンツにストーリー性を持たせる

消費行動の段階に応じて、購買意欲を刺激するようなストーリー性を持たせると効果的である。マーケティングファネルなどを活用し、データや図などを織り交ぜながら、スムーズに読み進められるようなコンテンツを作成する。


EFOも行う

ユーザーを確実にCVに導くためには、入力の負担を抑えてスムーズに申し込みが完了できるような「入力フォームの最適化(EFO)」も重要だ。たとえば、CTAボタンから入力フォームにたどり着いたものの、項目の多さが目立ったり自由記述が複数あったりするなど、ユーザーが面倒と感じる仕様になっているとそのままフォームを閉じられてしまうことも。入力フォームは必要最低限の項目に絞り込み、ユーザーに負担がかからないものにしよう。

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