マーケティングリサーチとは?意味やメリット、手法、市場調査との違い


Writer:
山崎雄司
  • facebook
  • Twitter
  • LINE

マーケティングリサーチとは、マーケティングにおける課題を解決するために、ユーザーや顧客、消費者、生活者のデータを収集・分析することを指す。

マーケティングリサーチとは


リサーチとは科学的な調査・分析のことであり、マーケティングリサーチとは、マーケティング活動を行う中で発生するさまざまな課題に対して行うリサーチのことである。
近年はライフスタイルの変化によって、一般消費者のニーズや嗜好は常に変化している。ビジネスを有利に展開するには、市場の動向を調査して、消費者のニーズを的確につかむことが重要となり、マーケティングリサーチは、その対策として有効かつ代表的な手法といえる。

マーケティングリサーチのメリット・目的


意思決定の裏付け

マーケティングリサーチを実施することで、自社に対する問題点や強み、不確実なことが明らかになる。リサーチの結果から多面的な視点が持て、次の布石となる戦略や方針など、意思決定を行う際の裏付けとなる。

リスクの軽減

マーケティングリサーチを通じて、対象市場のニーズをはじめ、自社にとって魅力的な市場かどうか、リスクがどれだけあるかなどが分かり、マーケティングや経営戦略に活かすことができる。

顧客満足度の向上

対象市場の動向や顧客のニーズ、購買行動が正確に分かることで、自社商品やサービスの改善に役立てられる。消費者のニーズにより近い価値を提供できた場合、顧客満足度が向上し、カスタマーロイヤルティも高まる。その結果リピート率も高まり、顧客の口コミも好意的な内容の増加に変化することが期待できる。


市場開拓の機会

既存の市場や顧客に向けたマーケティングでは、いずれ売上は頭打ちになるだろう。新たな市場への参入や顧客セグメントの開拓はつねに求められている。また、新たなコンセプトの設計や商品販売、販売戦略の選定をする際の材料として活用できる。

効果的な広告・プロモーション戦略

マーケティングリサーチから、顧客が重視している価値観や考え方、購買パターンなどが明らかになる。それらを理解したうえで、顧客起点の最適な広告やプロモーションの戦略を具体的に立てることができる。その結果、自社のROI向上にもつながる。


マーケティングリサーチの手法


定量調査

定量調査とは、数値に基づいた統計的な分析である。数量や割合など数値データを集計・分析を行うことで、実態を客観的に把握する。最近は対面ではなく、オンラインでの実施も増加している。
例:会場調査、郵送調査、ホームユーステスト、インターネットリサーチなど。

定性調査

定量調査が結果を量的に見るのに対し、定性調査は質的に分析を行う。課題を解決するためのアイデアの発見や仮説の構築を図ったり、顧客のニーズや行動の背景にある理由を探ったりする際に適している。定量調査と組み合わせることで、より包括的な分析や意思決定に活用できる。
例:グループディスカッション、ワークショップ、グループインタビューなど。

マーケティングリサーチの手順


目的の設定

マーケティングリサーチを行う前には調査の目的を明確にし、解決すべき問題や課題を定義する。そのうえで、どのような情報が必要か検討し、調査の方針や方法を決定する。

ターゲットの明確化

目的が決定したら、課題に応じた調査項目を洗い出し、ターゲットを絞る。その際、どのような調査結果を得たいか、どのような対象者に調査したいかなど、具体的にイメージすることが大切である。

調査の実施

決定事項を調査して、データを収集する。前述の手法(定量調査・定性調査)のうち、自社の目的に合った適切なものを選択し、サンプル数や調査期間などを計画しておく。なお、調査を行う際に社内のリソースが足りない場合には、外部委託を検討するのもよいだろう。

データの集計と分析

データの集計方法には、単純集計やクロス集計、多変量解析などがある。単純集計は、質問ごとの回答を集計していく方法。クロス集計は、2つ以上の複数の質問項目をかけ合わせて回答が持つ意味を絞り込む方法であり、回答のパターンからトレンドをつかみやすい。多変量解析は、複数のデータを同時に解析し、相互関係を分析する方法である。
インターネットリサーチであれば、システムによっては調査結果の速報値をすぐ確認でき、分析に利用することが可能である。

結果の解釈と意思決定

データ分析の結果を評価し、解釈する。得られた洞察が問題の解決にどのように役立つかを考察し、意思決定を支援できるような有用な情報を抽出する。また、課題や施策の内容、費用などの面から考察し、施策をすぐに実行に移すべきか、もう一度検証のための調査を行うべきかを決定し、実行する。

マーケットリサーチ(市場調査)との違い


マーケットリサーチ(市場調査)は、数字や数値で現在の市場を把握し、マーケティング施策を立てることを指す。
一方、マーケティングリサーチは市場調査の一部で、顧客の感情や思考を言語化し、未来の市場動向に対して予測したり、分析を行ったりする方法である。

メルマガ登録
  • facebook
  • Twitter
  • LINE