CRM施策を進めるための具体的な4つのステップ


Writer:
山崎雄司
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既存顧客との関係を深めることで、売上を向上させるCRM。最近は、そのCRMを活用したマーケティング施策が重視されています。このCRM施策を進めるには、顧客データの統合、施策の検討、効果検証、分析といった具体的なステップを踏む必要があります。
本記事では、CRM施策とは何か、取り入れるメリット、導入のステップについて解説し、CRM施策に役立つツールや事例についてご紹介します。
 
 

目次

CRM施策とは
CRM施策のメリット
CRM施策導入の4つのステップ
CRM施策に役立つツール
 1.カスタマーリングス
 2.Customer 360
 3.HubSpot CRM
 4.Zoho CRM
CRM施策の成功事例
 1.ヨシケイグループ
 2.カンロ株式会社
4つのステップで効果的なCRM施策の実現へ
効果的なCRM施策を支援する「カスタマーリングス」

CRM施策とは

CRM施策とは、CRM(顧客関係管理/Customer Relationship Management、以下CRM)に基づいた施策のことを指します。CRMツールを用いて顧客ニーズを理解し、そのうえで顧客一人ひとりにとって最適な施策を打ち出していきます。そうして顧客との良好な関係を築き、リピーターやファンを育成することで、利益の最大化を図ります。

MAやSFAとの違い

CRMとあわせて活用されるマーケティングツールに、MAとSFAがあります。いずれもマーケティングの効率化や業務支援といった点で重なる機能が多いですが、それぞれターゲットや目的が異なります。
 
・MA:Marketing Automationの略で、マーケティングの自動化や顧客育成、キャンペーンの効果測定をサポートするためのツール
・SFA:Sales Force Automationの略で、営業活動の効率化を目的としたツール
 
つまり、マーケティングのプロセスにおいて、見込み顧客を発掘して新規顧客へと育成する段階をMAが、営業プロセスの追跡や商談の進捗管理といった営業支援をSFAが、成約後の顧客との関係性を深める過程をCRMが担います。


CRM施策のメリット

CRM施策は、具体的にどのようなメリットをもたらすのでしょうか。ここでは4つに絞って解説します。
 

1. 既存顧客のLTV向上を中心とした戦略の実現

新規顧客の獲得は、既存顧客の維持よりもコストがかかるといわれています。また、オンラインショップの乱立によって、消費者に自社ショップを認知してもらうまでのハードルが上がっています。さらに、人口減少や経済状況の影響もあり、新規顧客の獲得は年々難しくなっています。こうした背景から、既存顧客との関係性強化に注力するCRM施策が重視されています。顧客満足度を上げ、自社のサービスを長く使ってもらえるようなファンやリピーターを育成し、LTV向上を図ることで、新規顧客の獲得に頼らないビジネスモデルの実現が期待できます。
 

2. 顧客情報の統合による効率化

CRMツールを導入すれば、全社で顧客情報を一元管理できます。たとえば、顧客の購買履歴やWeb上での行動履歴、これまでの取引履歴などを、部署を問わず確認することが可能です。簡単な操作で必要な情報をリアルタイムで確認できるため、業務の効率化を実現すると同時に、顧客に対しても迅速かつ適切なアプローチがしやすくなります。
 

3. 膨大な顧客データを使った高精度な分析

CRMツールは、顧客情報を蓄積できるため、過去の情報をさかのぼって分析できます。蓄積された情報を基に顧客対応を改善し、その内容をリアルタイムで共有することで、属人化を防ぐことが可能になります。そして、蓄積される情報量が多ければ多いほど、CRMの分析精度も向上するため、施策の効果や顧客の反応を細かく記録しておくと、より満足度の高い顧客体験の提供につながります。

4. ブランディングによる差別化

オンラインショップは競合が多いため、自社ショップが埋もれることのないよう、差別化を図る必要があります。価格競争に巻き込まれ、自社のブランド価値を下げないためには、顧客や取引先に安心感を与えながら信頼関係を築いていく必要があります。
CRM分析を用いると、客観的な視点で市場における立ち位置が確認できるため、独自の強みやポジションを明確にすることが可能です。その強みをどのようにブランドメッセージにつなげ、どのターゲットに、どのように伝えるのか。その効果的な方法の検討・実行にあたって、CRM施策は非常に有効といえます。


CRM施策導入の4つのステップ

CRM施策を導入する際は、以下の4つの段階を踏むとスムーズに進みます。

1. 現状の把握

まずは、自社の現状を把握することが第1段階です。その現状から、課題を見つけましょう。たとえば、顧客が離脱したタイミングや理由、リピート率などが課題として多く挙げられます。その後、CRM戦略によって実現したいKPIを設定し、目標を明確化しましょう。

2. 施策の検討

現状把握によって見えてきた課題について、その原因を理解し、解決のための具体的な施策を検討します。上記の例の場合、離脱が予想されるタイミングでのアプローチや、リピート率向上のためのメール施策などが考えられるでしょう。
こうした施策を実施するために必要なCRMツールの導入も、あわせて検討します。
CRMツールを選ぶ際は、希望する施策を実現できる機能があるかといった視点のほか、操作性や拡張性、基幹システムとの相性なども検討し、自社に合ったものを選びましょう。

3. 実行

CRM施策を実行したあとは、設定したKPIの数値を確認し、効果を検証します。施策を実行するたびに、具体的な改善点を洗い出し、特に結果が良くなかった項目の見直しを行うことで、さらなる改善を図ります。そして、PDCAを回し続けることで、より良い結果に結びついていきます。
 

4. 分析

実行のフェーズによって出された情報について、さまざまな切り口で分析します。CRMツールにはさまざまな分析機能が備わっています。代表的な分析手法について、以下に簡単に説明します。

・RFM分析:「直近購買日」「購入頻度」「購入金額」で顧客を分類し分析する手法
・CPM分析:RFM分析の3つの指標に「在籍期間」を加え分析する手法
・デシル分析:顧客を購入金額順に10等分して分析する手法
・CTB分析:顧客の購入動向を「カテゴリー」「テイスト」「ブランド」から予測する手法
・セグメンテーション分析:顧客を属性や類似性などで分類し傾向を捉える手法
・LTV分析:算出したLTVを分析し長期的な見通しを予測する手法
・行動トレンド分析:特定のシーズンに購買活動をする顧客の特徴を分類し分析する手法
・決定木分析:顧客のデータを分割し樹形図を用いて分析する手法
・クラスター分析:大きな集団を類似性で分類する分析手法
・売上分析:商品やサービスごとの売上傾向を分析し課題を発見する手法

 

CRM施策に役立つツール

CRMツールはさまざまなものがあり、MAやSFAの機能をあわせ持つものも多く存在します。ここでは、効果的なCRM施策に役立つ4つのツールをご紹介します。

1.カスタマーリングス

料金プラン

月額費用:要問い合わせ
初期費用:要問い合わせ

特長・強み

株式会社プラスアルファ・コンサルティングが提供する「カスタマーリングス」は、CRMおよびMAツールから進化したECやBtoCのための統合プラットフォーム です。あらゆる顧客データや行動データを統合し、ノーコードで自由に抽出できます。顧客分析機能で顧客を「見える化」し、深い顧客も可能。誰でもすぐに、データ抽出やレポート作成、アクションなどができるため、単純作業からマーケターを解放し、よりクリエイティブな業務にシフトできます。

2.Customer 360

料金プラン

月額費用
Starter:3,000円(税抜)/1ユーザー(※月間・年間契約)
Professional:9,600円(税抜)/1ユーザー(※年間契約)
Enterprise:19,800円(税抜)/1ユーザー(※年間契約)
Unlimited:39,600円(税抜)/1ユーザー(※年間契約)
Einstein 1 Sales:60,000円(税抜)/1ユーザー(※年間契約)
初期費用:要問い合わせ

特長・強み

株式会社セールスフォース・ジャパンが提供する「Customer 360」は、AI搭載CRMツールで、企業規模を問わず世界中で15万社を超える企業が導入しています。見込み顧客の獲得から顧客のロイヤリティ向上に至るまで、カスタマージャーニーのあらゆるフェーズに対応したアプリが用意されているのが特長。全従業員が必要なデータにアクセス可能となるため、社内のあらゆる部門との連携を促進し、顧客が期待するシームレスな体験の提供に役立ちます 。

3.HubSpot CRM

料金プラン

月額費用:無料(5人まで)※有料プラン1,800円~
初期費用:無料~

特長・強み

HubSpot Japan株式会社が提供する「HubSpot CRM」は、マーケティング、販売、サービスといった、各部門に必要な機能を搭載しているAI搭載CRMツールです。ユーザー数やデータ容量に関わらず永久に無料であり、有料の他プラン(「Marketing Hub」など)を契約することでSFA、MA、カスタマーサポートの各機能を拡張できます。外部サービスとのAPI連携機能も充実。世界135カ国以上、20万5,000社を超えるユーザーが利用しています。

4.Zoho CRM

料金プラン

月額費用(※年契約時)
スタンダード:1,680円/1ユーザー
プロフェッショナル:2,760円/1ユーザー
エンタープライズ:4,800円/1ユーザー
アルティメット:6,240円/1ユーザー
初期費用:無料

特長・強み

ゾーホージャパン株式会社が提供している「Zoho CRM」は、豊富な機能とわかりやすいUIを備えたCRM/SFAツールです。導入実績は世界で25万社以上。リーズナブルな価格設定でありながら、高品質・高性能という点が特筆すべき点です。基本的なCRM機能に加え、人工知能(AI)アシスタントや自動化機能も搭載しています。
 
このほか、おすすめのCRMツールについては以下の記事にも記載がございます。ぜひ参考にしてみてください。


CRM施策の成功事例

ここでは「カスタマーリングス」を導入した企業におけるCRM施策事例を2つ紹介します。
 

1.ヨシケイグループ

ヨシケイグループは、ミールキット宅配サービスを手掛ける企業であり、全国に65社のフランチャイズ、300以上の営業所を展開しています。CRM施策導入前は、担当者の経験と勘による属人的な顧客対応や、顧客データが可視化できていないことが課題でした。
カスタマーリングスを導入した後は、顧客を売上データに基づいてランク分けし、ランクに合わせたプレゼントを贈る施策を実行。また、LINE WORKSを活用して、セグメントごとにOne to Oneコミュニケーションを実施しました。このような、ランクの維持や引き上げを目的としたCRM施策を実行したことで、おすすめした商品の販売率が増加。なかには、数%から10%に向上した事例も出ました。


2.カンロ株式会社

カンロ株式会社は、のど飴などの菓子や食品類を製造販売する創業100年以上の企業であり、全国の主要都市に支店を構えています。CRM施策導入前は、顧客一人ひとりについての具体的なイメージが持てておらず、販促やファンコミュニティなどの施策に活かせていないことが課題でした。
カスタマーリングス導入後は、公式オンラインショップ会員へのメール配信施策を実行し、CVRがこれまでの施策の2倍以上に。また、商品購入者向けのアンケートをテキストマイニング機能で分析し、顧客の意見を可視化。ファンイベントの企画に活かしたり、商品のリニューアルに役立てたりと、顧客起点のCRM施策を実現しています。


4つのステップで効果的なCRM施策の実現へ

CRM施策は、売上の向上や業務効率化、競合との差別化といったメリットをもたらします。特に、新規顧客の獲得が難航する今日、CRMを活用して既存顧客との関係を維持し、顧客のロイヤリティやLTV向上を図る施策が、マーケティングにおいて重視されています。
効果的なCRM施策を打ち出すための導入方法は、本記事でご紹介した「現状の把握」「施策の検討」「実行」「分析」の4つのステップを順に行うとスムーズです。
また、こうしたCRM施策の実施には、CRMツールの活用が不可欠です。拡張性や操作性、サポート体制などをチェックし、自社に合ったツールを導入することが大切です。本記事を参考に、ぜひCRMツールの導入を検討してみてはいかがでしょうか。
 
 

効果的なCRM施策を支援する「カスタマーリングス」

CRMツールにはさまざまな製品がありますが、顧客理解を深めて効果的なCRM施策を実施するなら、「ITreview Best Software in Japan 2022(※)」に BtoC向けマーケティングオートメーションとして唯一選出された「カスタマーリングス」をおすすめします。
 
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本記事ではリピート通販における分析手法や顧客理解を深めるポイントについてご紹介しましたが、まだまだ豊富な事例がございます。「他社の活用事例が知りたい」「自社に合った活用方法を提案してほしい」という場合は、お気軽にお問い合わせください。
 
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