CRMとは?機能やメリット、選定方法や活用のポイントを分かりやすく解説


Writer:
山崎雄司
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企業のマーケティング活動において、オンライン・オフライン問わず頻繁に用いられる「CRM」。今回はこのCRMというキーワードの基本から、類似キーワードとの違い、CRMツール導入に関する注意点、CRMの活用事例などを取り上げ、CRMの基本を改めて整理していく。

 

目次


1.CRM(Customer Relationship Management)とは
2.SFA、MAとの違いとCRMに関連する用語
3.マーケティングでCRMが重要になった理由
4.CRMを実現するために必要なこと
5.CRM導入のメリット・デメリット
6.CRMツールの主な機能
7.CRMツールの選定方法
8.CRMを活用するためのポイント
9.CRMの事例
10.CRMの活用で良質な顧客体験を

CRM(Customer Relationship Management)とは


CRMとは、Customer Relationship Managementの略で、「顧客管理」「顧客関係管理」などと訳される。顧客情報を収集・分析し、効果的な顧客対応を行うことで、自社の商品やサービスの競争力を高めるとともに、長期的に高い利益を生み出す企業体質を作るための経営手法を指す。
また、この経営戦略の実現にはITツールが必要不可欠であることから、顧客管理ツール(システム)自体も「CRM」と呼ばれるようになっている。

SFA、MAとの違いとCRMに関連する用語


CRMの類似ツールとしてMAやSFAが挙げられるが、これらは機能の力点や役割がそれぞれ異なる。ここでは、CRMとあわせて覚えておきたいツールや用語について解説していく。

1.MA(Marketing Automation)


MAは、マーケティングプロセスの一部を自動化・可視化することで業務効率化をはかるとともに、見込み顧客の育成を受け持つツールである。主な機能としては、見込み顧客を含めた顧客情報や購買履歴、アクセスログなどの膨大なデータを一元管理し、自社の製品やサービスに対する関心に沿った最適なアプローチ(メール配信など)を行う。


2.SFA(Sales Force Automation)


SFAは「営業支援システム」と訳され、営業業務を可視化・効率化する手法およびツールである。主な機能としては、見積書の作成、タスク・スケジュール管理、商談の進捗状況や履歴を一元管理する機能などがある。また、営業担当者同士で情報共有ができるため、チームとしての組織的な活動を可能にする。


3.DMP(Data Management Platform)


DMPとは、顧客データを一元管理するためのプラットフォームのこと。CRMでは主に社内データのみを扱うが、DMPではWeb上の履歴や広告といった社外データも含めて扱えるという違いがある。DMPとCRMを連携させることで、より精度の高いマーケティングが可能になる。


4.CDP(Customer Data Platform)


DMPには、大きく分けて「パブリックDMP」と「プライベートDMP」の2種類が存在する。特にアクセスログや実店舗のデータなどを扱えるプライベートDMPが有用とされ、このプライベートDMPとほぼ同義の用語が「CDP」である。


5. ERP(Enterprise Resource Planning)


ERPとは、企業が持つ「ヒト」「モノ」「カネ」といった資源を管理し、効率的な経営を図る考え方やシステムのこと。「統合基幹業務システム」とも呼ばれる。情報を一元管理し業務を効率化する点ではCRMと共通しているが、ERPでは人材管理、財務管理、販売管理、給与管理といった企業の情報を扱う点で違いがある。


マーケティングでCRMが重要になった理由


昨今のマーケティングにおいてなぜCRMが注目されるようになったのか、その背景と代表的な理由を見ていこう。

1.価値観やニーズの変化


時代の移り変わりとともに、消費者の価値観やニーズも目まぐるしく変化するようになった。消費者自身が情報を収集・比較できるようになり、顧客中心のマーケティングが求められる今、従来のマーケティングでは顧客は容易に離れていってしまう。そのため、顧客情報を管理・分析し、顧客との関係性向上に役立つCRMが必要とされているのだ。

2.業務効率化とコストの削減


企業が成長し、顧客情報が増えるほど、顧客管理にかかる手間やコストは大きくなってくる。多店舗展開する企業も増えており、従来のような人の手による管理では効率が悪いうえにミスも発生しやすく、顧客が離れやすい環境にある現在では見逃せない損失となってしまう。そのためにも顧客情報の管理・分析を効率化し、自動化することのできるCRMが企業規模を問わず注目されている。エンジニアなしでも扱えるCRMや導入しやすい価格帯のCRMが登場し、中小企業が導入しやすくなったことも、理由のひとつとして挙げられるだろう。


3.LTV(顧客生涯価値)の向上


「1:5の法則」によれば、新規顧客の獲得には既存顧客の5倍のコストがかかるとされている。価値観やニーズの変化に加えて商品やサービスも日々増加しており、新規顧客の獲得はより難しい状況にあるといえるだろう。このような背景から、CRMの活用により優良顧客を育成し、LTVを向上させるためのマーケティング施策や取り組みが注目されているのだ。


CRMを実現するために必要なこと


企業においてCRMを実現するためには、ただCRMツールを導入するだけでなく、CRMツールをどのように活用して成果を出していくか、しっかり検討することが大切である。
まずは現状の課題(顧客視点、マーケティング視点、社内視点)を把握し、どのようなゴールを目指していくのかをクリアにすることが重要だ。その上で、CRMツールを選定・導入し、運用することが必要となる。

CRM導入のメリット・デメリット


次に、CRMを導入することのメリットと、知っておくべきデメリットを見ていこう。

メリット


1.顧客情報の蓄積および活用

CRMでは、顧客一人一人の個性や特性、反応などを記録することで、顧客の動きを多方面から立体的に把握できる。顧客ニーズを的確にとらえることができ、最適なタイミングで、最適な形でのアプローチを可能にする。

2.部門間での情報共有で戦略を迅速化

CRMのデータは、リアルタイムで全社員に共有することが可能だ。そのため、部門間の連携が迅速化され、企業戦略を立てやすくなる。常に最新情報が共有されるので、例えば営業先で入力されたデータを社内のマーケティング担当者が確認すれば、コミュニケーションコストを削減して迅速なアクションにつなげることができる。

3.業務をシステム上で実施し効率化

CRMシステム上で自動的に顧客分析を行うため、業務効率化が可能となり、業務フローの改善にもつながる。分析業務やレポート作成を手動で行っている場合は手間がかかり、リソース不足が課題となりやすいので、CRMを活用することで改善が見込める。

4.CX(顧客満足度)を向上できる

CRMに集約した顧客情報を用いて分析を行うことで、ニーズに合わせた適切なマーケティングや良質な顧客体験の提供が可能となり、CXを向上させることができる。それにより優良顧客を育成し、LTVの向上へとつなげやすい点もメリットだ。

5.属人化から脱却できる

顧客情報を一元化することで、社内でのデータ共有が容易になる。これまで属人化しやすい傾向にあった顧客ごとの対応状況や履歴も社内で参照できるため、担当者が不在であってもトラブル対応が可能になる。

デメリット


1.定着しにくいケースがある

ワークフローの変更や操作の難しさから、CRMが現場になかなか定着しないケースがある。CRMの導入を成功させるには、目的や効果を社内全体に理解してもらい、活用しやすい体制を整えることが重要になってくる。

2.費用や時間的なコストがかかる

CRMは導入しただけで効果が出るものではないため、導入前後の準備やフロー整備、社内研修なども必要になる。費用だけでなく時間的なコストがかかることを理解したうえで導入を検討しよう。

CRMツールの主な機能


CRMツールは、製品によってさまざまな機能があるが、基本的なものを5点紹介していく。

1.顧客情報の管理


収集した顧客の情報を一元管理する機能だ。顧客情報には、顧客の氏名や住所、メールアドレスといった基本的な個人情報に加え、購入履歴や趣味・嗜好などの幅広い情報があり、それらを有機的に統合して管理することが出来る。

2.会員情報の管理


顧客情報の管理と似ているが、こちらは主に会員登録や会員向けのマイページなどを提供するための機能である。顧客側でのデータ編集を可能にすることでサービスの運用コストを軽減するほか、メールの自動配信機能とあわせマーケティングで活用することもできる。

3.顧客分析


CRMを活用し、蓄積された顧客情報を元に多角的な分析を行う機能だ。どのような顧客がどのように売上に貢献しているか、どのようなアクションを取った顧客がどの程度存在するか、など様々な切り口から分析を行っていく。


4.顧客関係維持(カスタマーサポート)


顧客情報から特定の顧客を抽出し、最適なアプローチを行うのが顧客関係維持(カスタマーサポート)機能だ。顧客分析の結果を次のアクションにつなげ、PDCAサイクルを通してマーケティングの成果を高めていくためのものだ。
顧客分析の結果を次のアクションにつなげ、PDCAサイクルを通してマーケティングの成果を高めていくことができる。
活用例としては、メールの自動配信機能を使用した特定商品の購買履歴がある顧客向けの類似商品のプロモーションや、製品購入後のアフターケアの実施などが挙げられる。

5.顧客対応の管理


顧客の問い合わせ内容と対応履歴を管理し、必要に応じて参照できる機能。どのような問い合わせ内容に対してどのような対応を行ったかを一覧できるため、回答漏れを防止するほか、適切な対応を取りやすくなる。これらの情報を活用し、多く寄せられた質問への回答をFAQページなどに掲載することも可能だ。

その他、問い合わせフォームの自動生成機能やLINEを通したコミュニケーションなど、顧客に対して最適なチャネルとタイミングでのアプローチを可能にする機能が存在する。


CRMツールの選定方法


CRMツールは多種多様であり、導入にあたってはそれぞれの特徴を十分にリサーチしておきたい。ここでは、選定に関する重要なポイントを見ていこう。

1.クラウド型かオンプレミス(ソフトウェア)型か


システムの提供形態の視点だ。クラウド型とは、アプリケーション自体がインターネット上に存在しており、インターネットブラウザを通して利用するツールである。基本的に定額制であり、導入費用を抑えられる。また、インターネットが利用できる環境であればさまざまなデバイスからアクセスが可能であるため、テレワークにも対応しやすい。運用や保守・管理はベンダーが行うため、企業の負担が少ない一方、サービスの仕様をカスタマイズにしく、ランニングコストもかかる。また、セキュリティはベンダー側のポリシーによる。
オンプレミス型は、ソフトウェアを購入し、自社インフラで運用するタイプのツールである。自社サーバーを使うためセキュリティにすぐれており、システム連携やカスタマイズの自由度が高い。しかし、初期費用がかかるうえ、導入・運用に際してITの知識をもつ人材が必要となる。

2.サポートが充実しているか


しっかりとしたシステムを提供しているベンダーは、しっかりとしたサポート体制も併せて敷いているケースが多い。新たなツールの導入には、トラブルが発生することが多いからだ。また、スタッフがツールの使い方に慣れるまでに時間がかかり、従来のワークフローにも変化をきたすため、現場では混乱が起こりやすいことも背景にある。そのため、トラブルが起きた際、ベンダーからの迅速な対応を得ることが可能かどうか、と言うポイントは重要になってくる。

3.セキュリティ対策は考慮されているか


CRMツールは、その機能の特性上、膨大な顧客情報を取り扱うことになる。システム構成が適正で、ベンダーが不正アクセス等の不測の事態に対して、どのような策を講じているか十分に確認する必要があるだろう。

4.必要な機能を満たしているか


ツールごとに適性や役割が異なり、多機能であるほど高額になりやすいため、課題解決に必要な機能を洗い出して優先順位を付けるようにしたい。導入後は基本的に長期運用することになるので、担当者と連携し過不足の有無についても確認しておこう。

5.使い勝手や操作性はどうか


CRMツールは多くの社員が利用するため、現場での使いやすさを考慮する必要がある。業務の効率改善や定着しやすさにもつながるので、あらかじめ関係者に確認してもらうのが理想的だ。

6.外部連携や拡張性は十分か


CRMは単体でも導入する価値のあるものだが、SFAやMAなどと連携させることでより効果的な運用が可能になる。自社で導入済み、または導入予定のあるツールとの連携可否も忘れずに確認しておこう。


CRMを活用するためのポイント


CRMの導入を成功させるには、事前準備や導入後の運用などについてあらかじめ知っておく必要がある。それらのポイントをいくつか見ていこう。

1.導入の目的を明確にする


目的が曖昧なままではCRMを導入しても活用できず、ただデータを集約するだけに留まるなど、社内にも定着しにくくなってしまう。明確な目的をもとに優先順位を付けてロードマップを作成するほか、必要な機能を備える自社に適したCRMを導入し、計画に沿ってしっかりと運用していくことが大切だ。

2.経営層の理解を得ておく


CRMの運用を現場だけに任せず、経営層やマネージャーにも理解してもらい、支援を得られるようにしておくことも重要である。CRMの導入により従来のフローを変更する必要があるため、マネージャーが現場をサポートしつつ、さらに経営層の支援を得られる環境を整備することでCRMがスムーズに定着し、活用しやすくなる。

3.長期的な運用を意識する


多くのシステムと同様、CRMツールも導入後すぐに成果が出るわけではない。基本的に、顧客のデータベースをしっかりと構築してからマーケティング戦略に反映させていくため、短期的な売上の向上は期待できない。CRMはあくまでも顧客データを管理するツールであり、顧客との長期的な関係の構築において最大の効果をもたらすものであることを覚えておこう。

4.評価指標を決める


CRMの効果を検証するためにも、目的に応じた評価指標を定めておく。例としては、顧客獲得率やCX(顧客満足度)、メールの開封率などが挙げられる。またCRMでは、顧客の対応履歴のような数値化しづらい定性的なデータも検証することが可能だ。

5.結果を分析しPDCAサイクルを回す


CRMの導入後は、その効果を分析し、次のプロセス改善に役立てる「PDCAサイクル」を常に回していくことが大切であり、そのような観点からも、ただ導入するだけでなく、しっかりと長期にわたって活用してこそ大きな成果を生み出すものとなることを理解しておく必要がある。

企業によっては、システム導入のコスト対効果を短期的な成果で判断する(したがる)ケースもある。そのような時にも上記の点をしっかり考慮した社内エスカレーション対応が必要になってくるだろう。

CRMの事例


それでは、CRMを導入した具体的な事例を紹介していく。

事例1:お試し商品による検証でCPOが33%改善/食品




・会社名:株式会社J-オイルミルズ
・事業内容:油脂事業、スペシャリティフード事業
 

導入前の課題

・顧客のリアルな声を収集する機会が少なく、サービス改善に活かせずにいた
・Google Analyticsでは細かい分析が難しかった
・リソース不足が課題で、自動化・効率化できるツールを検討していた

導入後の成果

・ダッシュボード作成機能やメール自動配信機能でリソース不足を解消
・リピート率やLTVなどをいつでも確認でき、施策を立てる余裕ができた
・アンケートで送料面の課題を把握、お試し商品での検証でCPOが33%改善した
 

概要

J-オイルミルズは、家庭用油脂や業務用油脂などを中心にスペシャリティフード事業も手掛ける企業。コストパフォーマンスの高さとサービスの網羅性が決め手となり、「カスタマーリングス」を導入した。注文履歴やメルマガから得られる「定量データ」と、購入者アンケートから得られる「定性データ」をあわせて活用し、ECサイトの改善に取り組んでいる。
以前は顧客の意見を収集する機会が不足していたが、「カスタマーリングス」の機能を活用した購入者アンケートを実施し、「商品に対して送料が高い」という課題を把握。送料がお得になる商品を販売することで初回購入にどの程度効果があるかについて検証を行い、CPOが33%改善した。
少人数体制だったためリソース不足も課題のひとつであったが、ダッシュボード化やステップメールの自動化を行い、リソース不足も解消。他の業務に時間を割けるようになり、送信ミスなどのリスクも削減できたという。

 

事例2:顧客ごとの平均購入周期を把握し、離脱率が10%改善/BtoB




・会社名:株式会社TAT
・事業内容:ネイル材料の卸・商品開発
 

導入後の成果

・顧客別の平均購入周期やメーカー別の継続率がわかるようになった
・顧客一人ひとりの周期に合わせたアクションを起こし、離脱率が10%改善した
・顧客の意見を活かしたコミュニケーション設計が可能になった
・メルマガとLINEを併用した状況別のアプローチで成果を改善
 

概要

株式会社TATは、主にBtoB向けにネイル材料の卸や商品開発を行っている企業。CRM導入前はデータの抽出や加工に時間がかかっており、レポートやグラフも手動で作成していたため、工数がかかってしまい、集計結果を施策に活かせていなかった。しかし、「カスタマーリングス」の導入によって、顧客別の平均購入周期やメーカー別の継続率が把握可能になり、改善策につなげられるようになった。
さらに、ポイント失効が近づいている顧客やクーポンを利用していない顧客などに対し、細かな条件で分岐するシナリオを設計。メルマガとLINEを併用し、顧客体験価値(CX)を向上できるようになった。また、顧客一人ひとり購入周期と離脱しやすいタイミングに適切なアプローチを行うことで、離脱率が10%改善したという。

 

事例3:メールマガジンからの売上が倍増/BtoB




・会社名:フローバル株式会社
・事業内容:各種設備機器・部品・材料の開発販売
 

導入後の成果

・細かなセグメント作成やメルマガの改善で、メールからの売上が倍増した
・データ分析により、顧客ごとに適切なアプローチができていなかったことを把握できた
・データ分析の属人化を解消
・顧客データを組織全体で活用できるようになり、データの可視化・高速化を実現
 

概要

フローバル株式会社は、各種設備機器や部品、材料の開発販売を行っている企業。一人親方のほか、電気店、工事業者、ガス業者などをターゲットに、ECサイト「配管部品.com」を運営している。利便性が高く部品を調達しやすいECサイトにしていくために、自分たちのアイディアを具現化できるツールを検討しており、セグメントやパラメータなどを詳細に設定可能でデータを最大限に活用できることが決め手となり、「カスタマーリングス」を導入した。
導入後は、管理画面での細かな値の設定や、充実したパラメータ機能を活用してセグメントを作成。マーケティングアイディアを具体的に落とし込み、メルマガ改善に活かせるようになったことで、メルマガからの売上が倍増した。
カスタマーリングス」を活用した分析により、不要なメルマガやアプローチすべき顧客の存在を把握することができ、施策の見直しにつながった。見たい数値をクリックするだけでUI上に表示できるダッシュボード機能で、データ分析の属人化も解消したという。


事例4:ステップメールで無料会員から有料会員へと誘導/新聞


・会社名:株式会社 中国新聞社
・事業内容:朝刊や「中国新聞SELECT」の発行、「中国新聞デジタル」の運営、広告業務など
 

導入後の成果

・こまめなメールで無料会員から有料会員へのステップアップを誘導
・アンケートで顧客情報を獲得、セグメントメールを活用した密なアプローチを実現
・分析結果をもとに、配信する広告のターゲットを絞れるようになった
・メルマガの結果をフィードバックしてグループや関連サービスへの送客に活用
 

概要

株式会社 中国新聞社は、朝刊や中国新聞SELECTといった紙媒体や、中国新聞デジタルなどのデジタル媒体の新聞などを発行している企業。デジタル媒体の有料購読会員数を増やすには顧客を紐解くことが重要と考え、顧客理解を支援する機能が豊富な「カスタマーリングス」を導入した。
無料ID取得後の日数に応じてステップメールを作成し、無料会員にこまめに配信することで、有料会員登録へと誘導。その結果、開封率をほぼキープでき、URLをクリックした会員のうち20%が有料会員に登録したという。
また、会員がどのような目的で活用しているかを把握するため、アンケートを実施して顧客の属性情報を取得。それによって適切なターゲットに広告を配信できるようになり、広告主に対しても安価で密なアプローチを実現した。

 

事例5:ECと店舗を横断した分析を実現、NPS®調査で顧客インサイトを把握/アパレル


・会社名:株式会社ベネクシー
・事業内容:オリジナルブランド事業、小売店舗・EC事業、ブランド卸売事業など

導入後の成果

・会員の獲得が実店舗への送客につながることを実感できた
・会員ベースで分析することの重要性を理解し、社内にも浸透した
・NPS®調査の実施により、顧客の潜在的なニーズを把握
・調査結果をECサイトの改善施策に活かすことができた

概要

ドイツの「BIRKENSTOCK(ビルケンシュトック)」の輸入代理店から始まった株式会社ベネクシーは、アパレルを中心に卸売や小売、ECサイト運営などを行っている企業。EC事業を始めた当時は実店舗とECサイトが分断されており、個別での分析しかできていなかった。十分な分析機能とメール配信機能を兼ね備えていることが決め手となり、「カスタマーリングス」を導入。
それにより実店舗とECサイトを横断した分析が可能になり、LTVという新たな指標をもとに改善を行えるようになった。また、NPS®調査の実施により顧客の潜在的なニーズを把握し、施策に活かせるようになったという。

 

事例6:条件別にアンケートを実施、スマートフォンに対応し回答率向上/運輸


・会社名:日本航空株式会社
・事業内容:定期航空運送事業及び不定期航空運送事業、航空機使用事業など

導入前の課題

・アンケートの対象を絞れず、条件に当てはまる顧客の声を収集しづらかった
・アンケートシステムがスマートフォンに非対応で、視認性や操作性が悪かった

導入後の成果

・信頼できる安全な環境下で、対象を絞ってアンケートを実施できるようになった
・アンケートページをスマートフォン向けに最適化し、快適に回答できるようになった

概要

日本航空株式会社は、航空運送事業や航空機使用事業などを行っている企業。ECサイトでは、各種航空券の予約や国内外のツアー申し込みなど、旅行や観光、出張などの際に必要なサービスを提供している。顧客一人ひとりのニーズに応え、サービス改善に活かすためのアンケート調査を重視しており、アンケート作成機能も備えるCRM「カスタマーリングス」を導入した。
以前はオープンなアンケートしか設置できなかったが、条件を満たす顧客に条件を絞ったアンケートをセキュアな環境で実施できるようになった。スマートフォン向けに最適化し、アンケートの回答数も大幅に増加。顧客の声が見えてきたことで、サービス改善に活かせるようになったという。

 

事例7:件名テストを効率化、最適時間帯配信でメール開封率が8ポイント向上


・会社名:株式会社ビタブリッドジャパン
・事業内容: ライフテクノロジー関連事業(健康・美容)など

導入前の課題

・メール配信を手動で行っており、業務効率が悪くミスが多発していた
・件名テストが手作業のため、配信まで5日程度かかっていた

導入後の成果

・「最適時間帯配信」を活用し、顧客ごとに最適なタイミングで情報提供を実現
・「件名ABテスト」で5日かかっていた作業を1日に短縮
・LINE配信でクリック率84%を獲得
・SMS配信で決済エラーを10%以上改善
・アンケート機能を活用し、顧客情報と紐付いた分析が可能になった

概要

株式会社ビタブリッドジャパンは、コスメやサプリメントなどのECサイトを展開している企業。以前はメール配信や顧客コミュニケーションを一元管理できておらず、それぞれの担当者が対応していたため、業務効率面に課題があった。
充実したメール機能が決め手となり「カスタマーリングス」を導入し、商材や顧客ごとに最適時間帯配信した結果、ステップメールの開封率が8ポイント以上増加。件名ABテスト機能で、効率よく簡単にテストが行えるようになった。

 

事例8:LTVを可視化、シナリオメール構築で平均開封率47%の実績/健康食品


・会社名:株式会社 ユーグレナ
・事業内容:ユーグレナ等の微細藻類等の研究開発・生産、食品、化粧品の製造・販売

導入前の課題

・顧客数が増加したことで、分析業務の効率化をする必要があった
・顧客の動きを把握できず、ニーズに合わせたメールを配信できなかった

導入後の成果

・顧客の継続状況やLTVを可視化できるようになった
・商品やコース別の継続状況を分析、それぞれの違いを改善策に活かすことができた
・シナリオメールにより平均開封率47%、クリック率5%、CV率19%を実現
・顧客一人ひとりのニーズに合わせた商品やメールを配信できるようになった
・DMリストを効率的に作成できるようになった

概要

株式会社 ユーグレナは、健康食品や化粧品を扱うヘルスケア事業などを展開する企業。以前はExcelで分析を行っていたが、顧客が増加したことで対応が難しくなり、ツールの導入を検討。分析の効率化や顧客動向の把握などに役立つと担当者から薦められ、「カスタマーリングス」を導入した。
流入経路、商品、定期コースそれぞれの継続状況の違いや課題を分析したことがきっかけとなり、商品説明や案内に課題があることに気づいたという。さらに、商品ごとに引き上げのシナリオメールを構築し、平均開封率47%、クリック率5%、CV率19%という実績を上げた。顧客一人ひとりを把握できるようになったことで、仮説も立てやすくなったという。


事例9:新規契約件数が前年比140%増加/保険


・会社名:東京海上日動火災保険株式会社
・事業内容:損害保険業、業務の代理・事務の代行、確定拠出年金の運営管理業務など
 

概要

東京海上日動火災保険株式会社は、DX化に伴う代理店の要望に対応するため、CRMを検討していた。金融業界向けのCRMを導入し、代理店での定着を支援するツールも活用。それにより過去の顧客対応履歴の共有や、営業の商談状況・顧客情報などの可視化ができるようになり、新規契約が140%増加した代理店もあったという。


事例10:価値ある情報の可視化と業務効率化を実現/金融


・会社名:株式会社 北日本銀行
・事業内容:普通銀行業務全般
 

概要

株式会社 北日本銀行は、さらなる顧客理解と顧客情報管理の効率化のため、クラウド型CRMを導入。以前は交渉履歴などに不要なデータも含まれていたが、価値あるデータのみを蓄積できるようになった。リアルタイムなデータ共有がスムーズな問題把握や助言へとつながったほか、引継ぎ業務も効率化できたという。

 

事例11:離脱の原因を把握し、施策への落とし込みが可能に/出版


・会社名:株式会社東洋経済新報社
・事業内容:雑誌事業、 書籍事業、 デジタルメディア事業、 データベース事業など
 

概要

株式会社東洋経済新報社は、これまでバラバラに管理されていた顧客データを統合し、デジタル媒体利用者に対する理解を深めるため、デジタルプラットフォームを構築。様々なデータをCRMとして統合し、DMPとも連携を行った。メールの活用により顧客が離脱する原因を把握し、適切な対策や施策を実施できるようになったという。


CRMの活用で良質な顧客体験を


CRMは、顧客データの収集・分析を通して、顧客を中心とした商品開発や、顧客に合わせたアプローチを可能にするものである。ただ「顧客の情報を集約して管理する」だけでなく、「良質な顧客体験の提供」へとつなげることが重要だ。また、CRMツールを導入しただけで効果が出るわけではなく、データを分析・活用して具体的なアクションをとることが必要である。自社に合ったツールを選び、効果的に運用することで、長期的な顧客関係の維持につなげたい。

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