活用事例インタビュー
株式会社ユーグレナ D2C部 CS課 CRMチーム

究極の“One to One”が目標
ユーグレナ社が実践する
顧客実感型マーケティング

株式会社ユーグレナ

D2C部 CS課 CRMチーム
小野 氏 / 松本 氏 /渡邉 氏

株式会社ユーグレナ様 ロゴ

カスタマーリングスをもっと詳しく

導入前の課題

導入前

課題
  • 顧客数増加に伴い、工数的に分析作業の対応が難しくなった
  • 流入チャネルごとの顧客動向の把握やニーズに合わせたメール送付ができていなかった

導入の決め手

  • 分析の効率化や顧客動向の把握などの課題が解決できると感じたこと
  • 操作が分かりやすく、使い勝手がよさそう

導入後の成果

導入後

成果
  • 定期契約された顧客の契約後の継続状況、LTVを可視化できるようになった
  • 継続状況の違いや課題を分析することで商品ごとの傾向が分かり、新たな施策につなげることができた
  • シナリオメールを構築し、平均開封率47%、クリック率5%、CV率19%という実績を上げることができた
  • One to Oneマーケティングに向けて顧客に合わせた商品や情報を届けることができるようになった
  • DMリストを条件によって優先順位をつけて効率的にリストかぶりなく作成できるようになった

B to Cでビジネスを展開し、サステナビリティが当たり前となる社会を実現するために、「Sustainability First(サステナビリティ・ファースト)」をユーグレナ・フィロソフィーに掲げている株式会社ユーグレナ。食品や化粧品をはじめとするヘルスケア事業を中心に展開し、One to Oneマーケティングを具現化している同社のCRM戦略およびデータから気づきを得る顧客実感の取り組みについて、D2C部 CRMチームの松本氏に話を伺った。

定期商品の継続サポートと
お客さまの課題解決からつなげる新たな商品のご提案がミッション

──貴社の事業や主力商品、対象顧客について教えてください。

ユーグレナ社は「人と地球を健康にする」をパーパスに掲げて事業を展開しており、その1つがヘルスケア事業です。ヘルスケア事業は「人の健康をサポートする」をミッションとし、石垣島ユーグレナをはじめとした自然由来の素材を使い、最新のバイオテクノロジーを用いて、優れた機能を持つ食品や化粧品を商品化して皆さまにお届けしています。

主力商品は、食品では石垣島ユーグレナを配合した「からだにユーグレナ」シリーズ、化粧品では石垣島ユーグレナから抽出した美容成分ユーグレナエキスを配合した「one(ワン)」シリーズです。対象顧客は、健康なからだや健やかな肌を育むための商品をお探しのお客さまです。現在は50~70代の方が中心ですが、今後はSNS広告やLINEなどを活用し、30~40代の方にもユーグレナ商品の良さを知っていただけたらと考えております。

作業工数削減

──所属部署はどのようなミッションを担っているのでしょうか。

私が所属するD2C部は、主に弊社公式通販サイト「ユーグレナ・オンライン」を管轄する部署で、新規顧客の拡大を担うチームと顧客の継続購入を促進するCRMチームの2つがあります。私はその中でも2つめのCRMチームに所属しています。弊社は定期便の売上構成比が9割と非常に高いので、気に入っていただいた商品の継続をサポートするのが最大のミッションになります。その上で、お客さまの解決したいことが叶えられる商品をご提案したり、買い物の楽しみを提供することで、1商品のお付き合いからブランドの商品全体がお客さまの買い物の選択肢となるよう、商品のラインナップを紹介し、様々な商品のご購入につなげることもミッションの1つです。

会員数増加に伴いシステム導入を検討
流入チャネル別のお客さまの動きの把握なども視野に

──カスタマーリングス導入前の課題についてお聞かせください。データ分析に関する当時の状況はいかがでしたか?

導入前は、通販システムからデータをダウンロードし、Excelで分析を実施していました。分析に毎回時間はかかってはいたものの、お客さまの数がそこまで多くなかったため問題はありませんでした。しかし、徐々にお客さまが増え始めた頃にマンパワーでは対応が難しくなり、MAツールの導入を検討するようになりました。顧客数が全体で48万人ほどの時でした。
流入チャネルごとにお客さまの動きを把握したい、定期への引き上げを狙いたいという要望もあり、リストの作成やメールのセグメント配信ができるMAツールの導入検討は自然な流れでした。

──カスタマーリングス導入の決め手は何だったのでしょうか。

当時の責任者より「カスタマーリングスであれば分析の効率化や顧客の動きの把握などの課題が解決できそうだ」という薦めがあり導入に至りました。実際に使った現場担当者からは、顧客のセグメントにおけるフォルダの概念などが分かりやすく、使用しやすいという声が挙がっていました。

データに基づいた分析結果から仮説をたて、施策改善を実現

──カスタマーリングスを導入して、具体的にどのようなことが把握できるようになりましたか?

定期便をご契約されたお客さまのその後の継続状況、LTVを可視化できるようになった点は大きかったです。導入後は、流入経路別・商品別・定期コース別にダッシュボードで継続状況を確認し、そのデータを参考にして継続状況の違いや課題を分析するようになりました。ダッシュボードでは、その他20種類以上の分析結果がひと目でパッと確認できるようになったので非常に助かっています。それまで継続状況の分析は実施していませんでしたが、定期便の継続状況が可視化できることは社内でもインパクトが大きく、KPIの1つとして見るようになりました。

──LTV分析結果から見えてきた課題と実施施策についても教えてください。

継続率が悪化するタイミングや入り口の媒体、商品、定期コースを特定することで、商品の種類によって継続率や過程に違いがあることに気が付きました。
例えば食品の解約率はなだらかですが、化粧品は急に解約される方が多いなど、それまで見えていなかった部分に気付かされたのです。それらの結果を踏まえてコールセンターとお客さまのやり取りを確認したところ、商品の説明や案内方法が課題だと感じ、改善に向けて動けるようになりました。分析によって数値の変化に気づき、要因や定性データを確認して改善策につなげていくという流れができたのです。具体的には初回の同梱物の見直しやお客さまへのご説明内容の改善などを行っていますが、効果については継続率で検証しています。

──BIツールとカスタマーリングスの連携に関して、購買履歴からメール配信実績、アクセスログなどを実施されていますが、今後はどのように使用していくご予定でしょうか。

メールの開封に関してはロイヤリティの測定、アクセスログについては購入前後のお客さまの行動傾向を見ていきたいと考えています。分析結果から仮説を立てて、傾向グループを作成し、施策へつなげられたらと思っています。

──既存顧客・リピーターに対するお取り組みとしては、本商品引き上げ/定期引き上げシナリオメールの構築をされていますが、こちらに関しても詳しく教えてください。

商品ごとに引き上げシナリオを作成しており、日時で運用しています。
現在は全部で50件ほどが稼働し、平均開封率47%、クリック率5%、CV率19%という実績を上げています。お送りする内容は「定期の方がお得ですよ」といったシンプルなものですが、「お試し→定期購入」の導線が各商品で5本ずつぐらいあり、数字からも施策の効果は出ていると感じます。

作業工数削減

──Web接客を活用したPULL型の施策も実施されていますが、こちらはいかがでしょうか。

まだテスト的な活用ではありますが、商品ページにトライアル商材のWeb接客を設置した結果、1ヶ月で15,993表示、うちクリック率は2〜5%、クローズは1〜3%で、クリック率>クローズ率という結果になっており、売上につながっているのではないかと思います。こちらは顧客属性ごとに表示内容を変えるといったこともできるので、可能性を感じています。

作業工数削減

──DMリストの抽出についてはいかがでしょうか。

DMやアウトバンドのリスト抽出は、週次で実施している定期顧客へのお知らせと月次で実施している販売促進を目的とした商品案内の2パターンを作成しています。DMの内容に合わせて送付対象を細かくセグメントできるので、こちらは非常に助かっています。
また、顧客別に初回発送日や定期累計回数などを見ながら優先順位を検討できる点は便利で効率的ですし、リスト被りなく作成できるので重宝しています。

お客さまの心境の変化をしっかりキャッチする「顧客実感」

──データから顧客を実感する、顧客実感からの施策事例についてもお聞かせください。

定期顧客との接点タイミングを増やすことで、解約防止やお客さまの心配事解消につなげられるようになりました。今までは定期契約において商品を購入してくださったタイミングでしかお客さまとの接点がなく、次にコンタクトを取るのは解約のご連絡をいただく形となっていました。弊社としては、解約までの間にどのような心境の変化があったのか、その要因が最大の関心事であり、それを調べる手段の1つとしてカスタマーリングスを活用しています。

これは一例ですが、定期の初回お届け直後にご連絡したところ、使い方や実感に悩んでいる方がいらっしゃいました。こちらはお分かりになるだろうと思っていた使用量などが伝わっていなかったのです。また、アンケートを実施した結果、本来それ1つで済むはずのオールインワンクリームと併せて他社の化粧水や美容液などを使用していることも分かりました。

現在は、これらの顧客心理における定性データ(要因)とカスタマーリングスの購買データを合わせて確認することで、色々なタイプのお客さまを把握でき、お届けするコンテンツにどのような情報が不足しているのかが分かり、仮説を立てられるようになっています。また、初回購入時は最初のワクワク感を維持できるような情報や同梱物をお送りし、初回使用の感動が薄れてくる2週間後ぐらいに「お困りごとはありませんか?」といった内容のメールを送付するなど、どういう順番で何を伝えるかという、お客さまのタイプに合わせたフォロー施策のアイデアが出るようにもなりました。

作業工数削減

ご購入タイミング以外での接点を増やしていくことで、お客さまの心理的な変化に気付くことができ、より一層一人一人のお客さまについてその方にとっての最適なフォロー施策が実施できるようになりますし、お客さま側も最適なフォロー施策により心配事や商品の選択が間違っていたといった後悔をしなくて済みます。そういった点で、カスタマーリングスはCRMチームがミッションを遂行するために必要な中心的なツールだと感じています。

LINEを開けばお客さまのやりたいことが完結できる仕組みづくりへ

──LINE ID連携についても教えてください。

LINE ID連携は2020年7月末頃から実施しており、2022年5月中旬時点で6,000名ほどとマッチングしています。「マイページログイン→バナー→カスタマーリングスのLINE ID連携」でLINE IDを取得していますが、フォロー施策をLINEで実施しており、母数は少ないものの、お試し購入者へのフォローを目的として活用しています。

また、これまで何度か定期アクティブのお客さま向けにキャンペーン的に配信を行いましたが、その際は履歴データなどを活用してお客さまをセグメントして配信しました。LINEはメールよりも開封やリアクションがしやすいコミュニケーションツールだと思いますので、今後はその良さを生かしたシナリオを検討していきたいと思っています。

現在進行形のものとしては、LINE Botと連携し、次回お届け日などの情報提供の仕組みを構築しています。これは定期便を利用しているお客さまにとってメリットを感じていただける機能だと感じており、今後はこの機能を活用し、ユーグレナの公式LINEを開けば定期便のお客さまがやりたいことがすべて完結するようなサービスにしていきたいですね。

顧客属性をヒントにクリエイティブの精度向上

──カスタマーリングスを活用したことで、業務における変化はありましたか?

カスタマーリングスの特長でもあるユニーク顧客単位で考える思想は、DMやメールの施策を企画したり、クリエイティブの表現やお客様への手紙の文章を決める際にも様々なヒントになっています。
具体的には、年齢や過去の購入商品など時間軸や顧客属性を広く確認することにより、新たなアイデアや気づきを得て、より精度の高い施策を実施することができています。今後は究極のOne to Oneを目指し、お客様1人1人に合わせたご提案をしていきたいと考えています。
また、LINEのような双方向のコミュニケーションツールを活用していくにあたり、購入状況に応じて分類したお客さまに「ちょうどそんな商品を探していた!」と感動していただけるような体験をご提供していきたいです。

作業工数削減

サポートについて

──弊社のサポートについてはいかがでしょうか。

やりたいことをお伝えした際、決して「できません」とはおっしゃらず、なんとか実現方法を考え、最終的にはしっかりとした提案をしてくださるのがありがたいですね。

目指すのは究極のOne to One

──今後の目標、展望についてもお聞かせください。

究極のOne to Oneを目指し、カスタマーリングスの中にある購買データ、コンタクト履歴データ、アンケートデータなどの多様なデータを活用して、気づきを得てより精度の高い新しい施策へつなげていきたいと考えています。PDCAサイクルを回していくことも今後の目標です。販促に関しては、自社が売りたいものを打ち出すのではなく、お客さま起点で欲しいものをお届けできるような方向性で考えていく予定です。