活用事例インタビュー
株式会社ビタブリッドジャパン マーケティング本部 CRMマネージャ 山田 亮氏 データスペシャリスト 張 佶嘉 氏 マーケティングディレクター 山口 理紗子 氏 CSマーケティング 本間 佳那子 氏

「件名ABテスト」と「最適時間帯配信」で、最適なコミュニケーションを検証

株式会社ビタブリッドジャパン

マーケティング本部 CRMマネージャ 山田 亮氏
データスペシャリスト 張 佶嘉 氏
マーケティングディレクター 山口 理紗子 氏
CSマーケティング 本間 佳那子 氏

株式会社ビタブリッドジャパン様 ロゴ

カスタマーリングスをもっと詳しく

導入前の課題

導入前

課題
  • 各商品のCRM担当が個別にメール配信関連業務を行なっており、作業効率が悪くミスも多かった
  • 件名テストではセグメント作成からテスト配信設定・効果検証まで手作業で実施していたため、本配信まで5日ほどかかっていた

導入の決め手

  • メール機能が充実し、特に「件名ABテスト」「最適時間帯配信」機能により、効果的な配信と効率的なテストができると感じた

導入後の成果

導入後

成果
  • 最適時間帯配信でより顧客一人ひとりにあった情報提供ができるようになった
  • メールの件名ABテストにより、リードタイムが5日から1日に。効果的な検証で、クリック率がアップした
  • LINE配信を開始し、クリック率84%を獲得するなど即時性を活かした反応を得られた
  • SMS配信で決済エラーを10%以上削減し、売上損失を防げるようになった
  • アンケートを活用し、解約理由のほか、満足度向上に向けた分析を顧客情報に紐づけた形での分析が可能になった

美白化粧品「ビタブリッドC」シリーズをはじめ、化粧品やサプリメントを開発・販売している株式会社ビタブリッドジャパン。同社では、カスタマーリングスの導入によって、メール配信業務の一元管理やメールの件名ABテストが実施できるようになり、大幅に業務が効率化されたという。WEBマーケティングのCRM全般を担当する山田氏に、カスタマーリングスの導入の成果について話を伺った。

横断的なマーケティング組織として動き、
成功事例を積み重ねる

──御社の事業や主力商品について教えてください。

山田氏:弊社では、2014年より化粧品やサプリメントのECを展開しており、近年は糖脂ケアのサプリや子供向け成長飲料といった「明日の可能性を広げる」商品を日本発で開発し、提供サービスを拡大しています。40代女性が選ぶビタミンCスキンケアNo.1にも選ばれた「ビタブリッドC フェイス ブライトニング」をはじめ、世界的特許から生まれた製品を数多く揃えています。主力商品は「ビタブリッドC」シリーズで、累計1,000万個を販売しています。

ビタブリッドジャパン 製品

──所属部署のミッションと担当業務について教えてください。

山田氏:WEBマーケティングのCRM全般を担当しています。各部署で横断的に使用するマーケティングツールの管理・運用を行っており、主にカスタマーリングスを用いたWEB施策、メール、LINE、データ分析のほか、新サービス導入などを対応しています。新しいサービスを導入する際は、我々が設計から関わることもあり、部署や商品に偏らない横断的な組織として動いています。各部署に対して配信日から逆算してコンテンツに対するアドバイスを行うほか、他商材の取り組み事例についても共有しています。

導入の決め手は効率的なアクションと
効果的なテストができる充実のメール機能

──カスタマーリングス導入前のマーケティング施策の状況について教えてください。

山田氏:導入前はメールの配信や顧客コミュニケーションを一元管理する部署がなく、各商品の担当者がそれぞれ配信リストやメールの文面を作成し配信設定を行なっており、ひと言で言うと非効率でした。カスタマーリングスを導入して3年ほど経ちますが、顧客情報とアクションや一元管理による効率化はもちろん、運用を一元化したことによって他商品の成功事例を横展開できるようにもなり確実に以前の状態より良くなっています。

株式会社ビタブリッドジャパン様

──導入の決め手はどのような点だったのでしょうか。

山田氏:導入にあたって複数のMAツールを検討しましたが、カスタマーリングスは特にメール配信の機能が充実していて効果的な配信と効率的なテストができました。具体的には、「最適時間帯配信」と「件名ABテスト」の自動化からの本配信ができるという点に魅力を感じました。

「最適時間帯配信」「件名ABテスト」を活用し、
顧客へのアプローチを最適化

──メールをチャネルとした配信施策について、お取り組みの詳細をお聞かせください。

山田氏:主にステップメールの配信に使用しています。
弊社は単品リピート通販がメインなのでF2転換が重要です。初回購入から2回目購入までの間に1%上がるかどうかがその後の継続率を大きく左右するので、常にテストができるような体制を整えたいと考えており、実際に半年に1回ほどのペースで定期的に設定を見直しています。

──まずは「最適時間帯配信」について教えてください。

山田氏:当社は商材によって顧客属性(デモグラフィック)がかなり異なります。そのため、商材やお客様によってベストな形で配信ができるように、基本的にメールの配信は可能な限り「最適時間帯配信」の機能を使って配信しています。実際に最適時間帯配信を設定している方が、時間帯別に見て効果が高いという結果も出ています。例えば「ターミナリアファースト」という糖脂ケアサプリメントのご購入者様にお送りしているステップメールの1つでは、通常配信の場合は開封率37.0%だったものが、最適時間帯配信を使って配信した場合は開封率45.3%と、開封率が8pt以上増加しました。

最適時間帯配信

──続いて「件名ABテスト」についてはいかがでしょうか。

山田氏:件名ABテストは肝となる施策には必ず使うようにしていて、主に各商材のマンスリーメルマガ、3個まとめ定期促進メール、クロスセル促進メールなどに使用しています。
カスタマーリングスを導入して一番良かったと思う機能であり、実際最も使っている機能です。
導入前はセグメント作成から配信まで手動でやっていてものすごい労力がかかっていたので、必要最低限のメールでしか件名テストはできていませんでした。今は逆に、販促メールを配信する場合は必ず1つ以上の件名を設定することを基本としており、実際には3〜4つ設定することが多いです。そうすることで、常に最も効果的な訴求で配信しながら、新たな訴求のテストもすることができます。特に弊社は商材によってデモグラフィックがまったく異なり、1つの商材で成功したパターンをそのまま横展開するのが難しいので、常に簡単にテストを実施できるこの機能は大変助かっています。

先ほどと同じく、糖脂ケアサプリメント「ターミナリアファースト」を例にすると、ステップメールで、件名Aは【ご継続優待】、Bは【特別価格】と入った件名で配信したところ、クリック率で大きな違いが見られました。件名Aは平均開封率48.1%/クリック率11.2%/CV率0.4%で、件名Bは平均開封率47.5%/クリック率8.4%/CV率0.2%だったのです。開封率にも影響は出ていますが、クリック率もAの方が高く、より効果が出ていることがわかります。

サンプリング配信(件名ABテスト)

──属性によって件名の好みが分かれるということもあるのでしょうか。

山田氏:はい、件名テストで属性ごとに効果測定してみると、稀に男女で逆転現象が起きていることもあります。そういったことも効果の振り返りで確認しながら、良いものを残してテストをし続けています。

──他に実施している施策はありますか?

山田氏:休眠顧客へのメール配信、月1のメルマガ配信で情報提供、ポイントの失効案内、会員ステージ案内などです。カスタマーリングスで効率化できている分、あえて人の手を介するようにしている施策もあります。例えばポイントの失効案内は、あえて毎回文面を見直して訴求する商品を変えたりしています。他にも会員ステージ案内は毎月月初に自動的に送付できるように設定し、文面は定型文だけではなく手を加えるなどして半自動化しています。

LINE配信では高いクリック率を獲得。
SMS配信では決済エラーが10%改善

──2021年に始められたLINE配信についても教えてください。

山田氏:基本的にはメールと同じような使い方ですが、LINEはクリック率が高く反応までのリードタイムが短いなど、やはり反応の良さはメールの比ではありません。そのため、すぐに反応を確認したい新商品などはメールではなくLINEで配信するなど意識して使い分けをするようにしています。また、メールと似た内容を送るときも、メールに比べてLINEはユーザー側がブロックすることのハードルも低いので、文章をアレンジして慎重に対応しています。

──LINE配信施策の効果はいかがでしょうか。

山田氏:糖脂ケアサプリメント「ターミナリアファースト」ではLINEのクリック率は84%、メイン商材の「ビタブリッドC フェイス」ではクリック率が19%でした。どちらも通常のメールのクリック率よりも高いです。

「ターミナリアファースト」の顧客へ「3個定期お届けコース」のご案内をお送りした際には、1度の配信で数百件の切り替えが発生しました。

──貴社のご要望から、カスタマーリングスでカードタイプメッセージを実装しましたが、そちらはいかがでしょうか。

本間氏:カードタイプでは、「子供成長応援飲料 レベルアップ」の味のリニューアルがあった際の訴求に、ストーリー性のある画像やVOCを入れたクリエイティブを作成しましたが、これまでの中で一番反応がありました。今は訴求内容の量も見ながら、バナーやテキストと組み合わせるなど、使い分けをしています。

株式会社ビタブリッドジャパン様

──LINEとメールでは、顧客層は異なるのでしょうか。

本間氏:LINEとメールでは、明らかにリーチできる層が違うと感じています。積極的に情報を受け取りたいと思っているお客様がLINEの友だち登録をしてくださるので、その時点で能動的なお客様と捉えることができます。LTVを見てもLINE経由のお客様は数値が高い傾向にあります。

──メール、LINEのほかに取り組まれているSMS配信も教えてください。

山田氏:SMS配信機能では、主に決済エラーに関する案内を送っています。カスタマーリングスを導入するまでは、クレジットカードの決済エラーが出た場合は自動的にメールが送信されるのみでした。メールではお客様が気付きづらく、決済エラーによってせっかくの定期購入がキャンセルされてしまうなど、お客様にとっても我々の売上にとっても良くない事態が起こっていたのです。そこでカスタマーリングスのSMS配信機能を使って決済エラー顧客に対して自動でSMS配信を行ったところ、10%以上のエラー件数が改善されました。業務効率化だけでなく、売上損失を防ぐこともできています。

SMS配信施策

──アンケートも活用されているとお伺いしましたがいかがですか?

山田氏:解約されたお客様に対して解約翌日にアンケートを自動配信し、収集した結果をもとに、複数回購入してくださっていた優良ユーザーと、1~2回しか購入していないライトユーザーを分けて解約原因を分析しています。また、半期に一度「顧客満足度調査」も行なっています。これまで違う部署が他のサービスを使って実施していましたが、昨年からカスタマーリングスに切り替えて実施しています。最大のメリットは、回答が顧客情報と紐づいているため、どのような顧客属性・商品を購入されたお客様の満足度が高いのか、という分析ができる点です。複雑な条件分岐の設定もでき、集計もしやすく、特に「簡易集計」機能はとても便利です。

アンケート収集・分析

導入によって配信テストも効率化し、
5日かかった作業が1日で実施可能に。

──導入後の変化や新たに得られた知見についても教えてください。

山田氏:各商品のCRM担当が個別に行なっていた配信関連業務を一元管理することで業務が大幅に効率化され、配信ミスなどのリスクも激減しました。マーケティングにおける変化ももちろんあり、特に変化を感じているのは「件名ABテスト」です。

導入前はテスト配信の度に顧客リストを分割し、それぞれ配信設定を行い、2〜3日経ってから効果を見てうまくいった件名を本配信に設定にするという流れでした。かなり工数がかかっており、テスト配信から本配信までのリードタイムは丸々5日くらいかかっていましたが、カスタマーリングスを活用することで今ではすべての工程を1日でできるようになりました。

今では、実施するしないを考えるのではなく、する前提で動けていますし、より良い配信に向けて改善活動を進めることができるようになりました。

導入前後の比較図

手厚いフォロー体制で自走までサポート

──弊社のサポートはいかがでしょうか。

山田氏:非常に満足しています。特に導入当初は担当の方に何度も質問し、手厚くフォローしていただいたお陰でしっかり自走できるようになりました。アンケート設定がうまくいかなった際、原因を細かく調べて改善提案をしていただきました。導入当初は我々に知見もスキルもなかったので、計算属性の作成方法を実例も交えて丁寧に教えてくださいました。

株式会社ビタブリッドジャパン様

今後はLINE機能を活用して、より顧客コミュニケーションを深めていきたい

──今後カスタマーリングスを活用して行いたいCRMやWebマーケティング施策はありますか?

山田氏:LINE機能を活用して、今まで以上にカスタマーリングスを中心とした顧客コミュニケーションを実現していきたいと思っています。背景として、LINEで会員ID連携をしている顧客はLTVが高い傾向にあります。日々進化しているLINEの機能をカスタマーリングスにも取り入れていただき、今まで以上に効果的なLINE配信を実現していきたいと考えています。