活用事例インタビュー
株式会社J-オイルミルズ 油脂事業部 家庭用部販売グループ 根岸氏

定量+定性データを活用した
CRMへの取り組みと
カスタマーリングス導入の成果

株式会社J-オイルミルズ

油脂事業部 家庭用部販売グループ
根岸氏 / 片山氏

株式会社J-オイルミルズ様 ロゴ

カスタマーリングスをもっと詳しく

導入前の課題

導入前

課題
  • お客様の声を直接お伺いする重要性を認識しており、その声を商品開発やサービス改善に活かしたいと考えていた
  • 分析はGoogle Analyticsをメインに使っていたが、細かい分析は難しくストレスを感じていた
  • リソース不足に課題を感じており、CRM施策や購入のフォローを自動化できるMAツールの導入を検討していた

導入の決め手

  • 機能の豊富さと料金のバランスが良く、コストパフォーマンスが高かった
  • 規模感や将来的にやりたいことを考慮した時にサービス自体の網羅性が高いと感じた

導入後の成果

導入後

成果
  • ダッシュボード作成や顧客フォローメールの自動化で、リソース不足を改善。
    リピート率やLTVなど、データを定常的に見られるようになり、新たな施策を考える余裕が生まれた
  • アンケートによる定性データ取得で送料への課題を把握し、お試し商品による検証でCPOが33%改善
  • 分析で購買頻度が想定と異なることが分かり、顧客フォローの重要性を認識。施策強化を進めている

株式会社J-オイルミルズは、家庭用油脂や業務用油脂、マーガリンなど、これまでさまざまな商品を展開してきた。今回は、同社のEC運営を行っている、根岸氏、片山氏からECサイトにおけるCRMの取り組みについてお話を伺った。

これまで同社は、お得意先の支援に支えられ、家庭用製品は店頭での販売が主流であったが、2020年3月に自社のオンラインショップを開設。販売だけでなく、オイルの持つ魅力やお客様の声などを掲載し、充実した内容となっている。

J-オイルミルズ公式オンラインショップ

J-オイルミルズ公式オンラインショップ

MAツール導入のきっかけは
お客様の声の収集とリソース不足の解消

油脂事業部の家庭用部販売グループでECの運営を担う根岸氏は、EC開始以前の課題について「従来型の販売スタイルではお客様と直接つながる機会が少なく、リアルな声を拾いづらかった」と話す。

「当社は食品メーカーですので、基本的に小売業者様を通じて商品を販売することがメインではありますが、その上で消費者様と直接接点を持てる自社ECの存在は、お客様の思いやご意見をダイレクトにいただける貴重なプラットフォームです。また、EC限定商品の販売などから得られるデータ収集も、重要な役割だと考えています」(根岸氏)

根岸氏の言葉にあるように、同社では早い段階からお客様アンケートによる定性データの活用に着目してきた。

「定量的なデータは注文履歴やメルマガ配信などで把握できますが、定量的なデータを裏付ける、根拠になるようなお客様の声を求めていました。どの商品が売れているのかということはデータを見れば分かりますが、それがなぜ売れているのかという本当の理由はお客様にお聞きしないと分かりません。ですから、直接お伺いして、そのお声を商品開発やサービス改善に活かしていきたいと考えていました」(根岸氏)

しかし少人数体制でEC業務を回していたため、やることが山積みでなかなかお客様アンケートまで手が回らなかったという。また、CRM施策や購入後のフォローをほとんどできていない状態だったこともあり、EC立ち上げ直後からなるべく少ないリソースで作業を自動化・簡略化できるという点でもMAツールの導入を検討していた。

根岸氏とともにECの運営を担当する片山氏は、導入前の状況について「Google Analyticsをメインに使っていたため、そちらでは細かい分析をすることが難しく、ストレスを感じていた」と話す。

アンケート機能やメールの自動化、
指標のダッシュボード化等、
課題を一手に解決できる点が魅力だった

そんな時に出会ったのがカスタマーリングスだった。他社が扱う類似ツールも併せて検討したが、導入の大きな決め手になったのは機能の豊富さと料金のバランスが良く、コストパフォーマンスが高かったことだと根岸氏は話す。

「他社のツールは、機能が充実していても機能ごとにカスタマイズ料金がかかったり、一方機能は制限されるけれど安価なものであったりする中、カスタマーリングスは我々のサービスの規模感や将来的にやりたいことを考慮した時にバランスが良いと感じました」(根岸氏)

それまで使用していたGoogle Analyticsでは、データの加工に非常に手間がかかるというデメリットがあった。Google Analytics上で完結できることであれば問題ないが、データとデータを掛け合わせて1つのデータを作成するといったことはGoogle Analytics単体ではできない。そのため、それができるツールというのは大きなメリットだったという。

「Google Analyticsや受注管理システムではひと手間加えないと見られないデータが、カスタマーリングスではダッシュボード化することでいつでも見られます。新規顧客のリピート率や購買頻度、それから商品別(カテゴリ別)のリピート率や購買頻度も見える化することで、定量的にお客様の購買傾向をチェックできますし、アンケート機能を用いて顧客情報と紐付けながらお客様の生の声を定性的なデータとして取れる点も非常に良いと感じました。Google Analyticsでは定量的な数字は見えますが、お客様1人1人の行動履歴までは追いづらく、お客様の顔が見えてこないという点が課題の1つでした。その点カスタマーリングスでは、お客様がどのような行動をされているのかが見えやすく、非常に助かっています」(片山氏)

購入者アンケートや分析によって分かった
送料と購入頻度の課題

カスタマーリングスの導入を機に、ECが抱える課題を明らかにするために購入者アンケートを始めたことで、新規獲得・リピート購入共に送料に課題があることが見えてきたという。

「我々が取り組むべき課題を把握するために、アンケートにはEC全般の質問を記載しました。すると送料に関する回答が非常に多く、それを深掘りしていくと、商品単価に対する送料の高さが浮き彫りになったのです。送料の課題はこれまでも仮説としてはあったものの、明確な根拠がなかったため検証を後回しにしてしまっていました。それがお客様の声としてリアリティのある言葉で見えたことで、アクションを起こしやすくなったのです。また、アンケートでは、ありがたいことに送料無料になる金額を段階的に設定してみてはどうかといったご提案も頂戴しました。お客様のご意思というのはアンケートを取らないと分からないことでしたので、貴重なご意見として参考にさせていただいています」(根岸氏)

送料の課題については、送料がお得になるような商品を販売することで、新規獲得(初回購入)にどの程度効果が見込めるかを検証したところ、滑り出しとしては上々で、CPOが約33%改善されたという。「アンケートによる定性的なデータが検証を推進するための追い風となった」と根岸氏は話す。

送料無料の「オリーブオイルおためしセット」

送料無料の「オリーブオイルおためしセット」

さらにカスタマーリングスの分析によって、購買頻度に関する課題も明らかになった。

「油は一度の使用量が多くはないため、一般的な食品に比べて購買頻度は低いだろうとは思っていました。ところが分析によって商材ごとに購買頻度がまったく違うことと、思った以上に購買頻度が高くないという結果がデータとして出てきてしまったので、そこは真摯に向き合うべきことだと感じています。現在は、最低限の顧客フォローすら不足していたことを改めて痛感し、限られたリソースの中で出来る限りの顧客フォローを実現していっています。」(根岸氏)

カスタマーリングスの活用で改善された
リソース不足

カスタマーリングスの活用によって、導入前の課題の1つだったリソース不足は少しずつ改善されてきた。週に3本、手動で運用していたステップメールの業務が自動化されたことで、週に2時間程度はリソースが削減でき、他の作業に時間を当てられるようになったという。また、Google Analyticsや受注管理システムからデータをダウンロードして再計算していた作業も、カスタマーリングスのダッシュボードにすることで作業が軽減された。自動化される作業は、雪だるま式に効果が蓄積されていくため、利用を続ければ続けるほど削減効果は大きくなっていくのは非常に助かる上、送信ミスをはじめとしたリスクも軽減されたと根岸氏は話す。

「リピート率やLTVなどは、データの粒度が細かくなればなるほどデータを見るまでの作業工程が多いため、確認したい時にすぐに見ることができませんでしたが、カスタマーリングスを使うことで定常的に確認できる指標として活用できています。以前は時間があればここまで見たいのに……と思いながらやっていましたが、今は効率化したことで断念することがなくなり、新たな施策を考える余裕も生まれました。管理画面を開いてデータをダウンロードして……という作業に対する、億劫な気持ちがなくなったことも非常に大きな要素ですね。また、カスタマーリングスはカスタマーサクセスによるオンボーディング支援も万全で、こちらの意図を汲み取って細かい部分まで設定を確認してくださったり、複数の設定方法のうち目的に合った方法を丁寧に解説いただけたりするなど、ありがたいサポートを受けています。他社の設定状況や分析事例なども非常に参考になりますし、我々に並走しながら、時に発破もかけつつ前のめりで設定を進めてくださったのは助かりました」(根岸氏)

最後に今後の展望について伺うと、「当面は顧客行動に沿ったCRMを充実させることでお客様の態度変容を促し、皆さんに納得した上で商品を購入していただけるよう、カスタマーリングス上のコンテンツを作成していきたい」と根岸氏。また、目的に合わせて定期的にアンケートを取っていくことで、ECのサービス改善やEC専用品の開発につなげることはもちろん、社内にも顧客の声やECで取得したデータを発信し、会社全体のマーケティング活動にも役立てていきたいと結んだ。

左から弊社山崎、根岸氏、弊社長井、奥村

左から弊社山崎、根岸氏、弊社長井、奥村