活用事例インタビュー
ヨシケイグループ

業界No.1ヨシケイグループが築くオフラインとオンライン両軸のCRM活用

ヨシケイグループ

株式会社ヨシケイ大阪南 常務取締役 椎名 貴弘 氏
株式会社ヨシケイ大宮 常務取締役 島村 大 氏
ヨシケイ開発株式会社 FC支援部 部長 松田 大輔 氏
ヨシケイ開発株式会社 FC支援部 課長 山田 佳史 氏
ヨシケイ開発株式会社 FC支援部 主任 鈴木 直人 氏
ヨシケイグループ様 ロゴ

カスタマーリングスをもっと詳しく

導入前の課題

導入前

課題
  • 担当者が独自に顧客対応をしており、属人的な対応になってしまっていた
  • 顧客についてデータの一元化や可視化ができておらず、一律の施策になっていた

導入の決め手

  • 他社と比較して導入しやすい費用感
  • 提案時の営業担当の真摯な対応
  • やりたいと思っていた内容をすべてクリアできる機能群

導入後の成果

導入後

成果
  • スタッフ単位でなく、会社として顧客情報が一元管理できるように
  • 顧客のランク分けをしたことでそれぞれの顧客に合った施策が行えるように
  • LINE WORKSの1to1コミュニケーションでおすすめ商品の販売率アップ事例の増加
  • ヨシケイ流のCRMや信念に気づくことができた
  • 顧客の見える化が可能となり、CRMに対して社内みんなが協力的になってお客様のことを深く考えるようになった

ミールキット宅配サービスのパイオニアとして、半世紀にわたって日本の食卓をサポートし続けているヨシケイグループ。「食品宅配 売上高ランキング」では14年連続で首位を独占し、2023年3月時点で全国65社のフランチャイズ、300営業所を展開しているが、その本部にあたるのがヨシケイ開発株式会社だ。グループ全体のメニュー作成や商品企画を担う同社では、カスタマーリングスの導入によってどのような変化が見られたのだろうか。CRM施策について担当者に話を伺った。

担当者が独自に顧客対応していたため顧客について可視化できておらず、
勘と経験に頼っている部分も大きかった

──貴社の事業について教えてください。

松田氏:我々が所属するヨシケイ開発株式会社は、主にヨシケイグループ全体のメニュー作成と商品開発を行なっています。1978年の創業以来、50年近くにわたってライフスタイルの変化に対応したメニューの開発を続けてきました。年間約400種類以上のメニューを考案し、そのうち約300種類のメニューが実際に導入されています。現在は、約50万世帯に向けた個人宅配だけにとどまらず、BtoB事業として施設向けの食材宅配事業の強化も行っています。また、ヨシケイ開発ではFCの1つでもあるヨシケイ東部を子会社として運営しており、そこで各種実証実験を行いながら、グループ全体に波及させることを目指しています。

ヨシケイ開発株式会社

──カスタマーリングス導入前は、どのようなマーケティング施策を実施していたのでしょうか。

鈴木氏:キャンペーンなどの必要が発生した際に、都度Excelでデータを抽出して分析を実施し、営業スタッフが独自に顧客対応していました。そのため、ヨシケイ東部では顧客の特性について可視化できておらず、それぞれの担当の属人的な対応となってしまっており、勘と経験に頼っている部分が大きくありました。クーポンやノベルティ配布などが、全会員に向けて一律の施策実施になっていたのです。

ヨシケイ開発株式会社 鈴木様

──では、カスタマーリングス導入のきっかけはどのような背景になりますでしょうか?

松田氏:我々はグループ会社も多いため、「ヨシケイ流のCRM」がどうあるべきかについて悩んでいました。
しかし、さきほどお話ししたように、マーケティング施策を実施しているにもかかわらず属人的な対応になっている点については課題感を感じていたので、CRMを導入すべきという認識はあり、販促の予算が限られている中で、予算を注ぎ込む施策をしっかり見極めていきたいと考えていたのです。

また、手厚く対応すべき顧客についての判断がエリア担当者によってまちまちだったので、属人化してしまっている顧客管理についても解消しなければならないと検討していました。

これまでは「もっと買ってもらいたい」という思いから、セット注文が少ないお客様に手厚い対応をしていましたが、売上内容を分析した結果、弊社はリピーターのお客様が多く、全会員のうち30%のお客様に売り上げの70%を担っていただいていたことが分かりました。
本来であれば、その30%のお客様に手厚いサービスをすべきですが、データが見えなかったためそれができていなかったのです。

そこで、優良顧客を育成するためにはどうすべきかを考え、やはりCRMを活用していくことの重要性に気づき、システムの導入を本格検討することになりました。

カスタマーリングを導入したきっかけ

──導入の決め手についても教えてください。

椎名氏:決め手は大きく2つありました。1つは他社と比較して導入しやすい費用感、もう1つは提案時の営業担当の方の対応です。真摯な提案や対応には安心感があり、さらに検討を進めていくと、カスタマーリングスであればやりたいと思っていた内容が問題なくクリアできそうだと感じ、導入を決めました。

闇雲にすべてを自動化するのではなく、
企業として大切にしている「人と人とのつながり」は真摯に対応していく

──カスタマーリングスを活用した施策について教えてください。

山田氏:まずはこれまでできていなかった顧客のランク分けを行いました。
ランクは上から「優良顧客」、「準優良顧客①」、「準優良顧客②」の3つに分け、優良顧客への引き上げを目指し、それぞれのお客様へランクに合わせて季節のフルーツなどをプレゼントするアプローチを実施。
ランク分けについては、少し複雑な条件を組んでおり、具体的には「優良顧客」は、直近の24週間のうち21週以上で1週の受注数が5セット(5日分)以上で、かつ夕食食材のミールキットのみを対象とさせていただきました。「準優良顧客①」は5セット(5日分)以上の注文が15週以上のお客様、「準優良顧客②」は21週以上で1週の受注数が3セット(3日分)以上のお客様です。

顧客種類別期間内購入回数と購入内容

これらの条件での抽出は我々が思っていた以上に複雑だったようで、カスタマーリングス以外のCRMツールでは対応ができませんでした。
設定の際は、カスタマーリングスのコンサルタントの方と一緒に進めることができ、少し急いでいたのですが、安心して構築することができました。

ヨシケイ開発株式会社 山田様

──顧客のランク分け以外に実施した施策はありますか?

松田氏:LINE WORKSでの1to1コミュニケーションです。スマイルスタッフと呼ばれる訪問営業担当とお客様はLINE WORKSで1to1のやり取りをしており、おすすめのメニューや商品のレコメンドを顧客区分に合わせた形で行っています。
顧客区分は、購買履歴などデータが一元化されているカスタマーリングスを活用することでスムーズに抽出することができます。お客様に応じたおすすめのメニューや商品のレコメンドが実施できているため、お客様のランク維持、ランクの引き上げに繋がっています。

お客様情報の一元化による最適化レコメンド

現在はスタッフ1名あたり週に70件ほど担当していますが、機械的にならないよう担当からのメッセージも添えるようにしていたところ、おすすめした商品の販売率が数%から10%に向上した事例もでてきました。弊社は昔からアナログ的な面も大事にする文化があるため、闇雲に自動化するのではなく、大切にしている「人と人とのつながり」はこのように愛をもって実施しています。

「人と人とのつながり」を大切にした結果、売上に寄与

大切にすべき顧客に何もできていないことに気が付き
今では「手紙を書いて渡せる・もらえる」関係性に

──可視化されたデータによってどのようなことが分かりましたか?

松田氏:新たに見えてきたことが2つあります。
1つはグループ会社全体で購買傾向のデータが類似していたこと。ヨシケイグループ全体で同じような課題があるのではないかという仮説が立ちました。

もう1つは導入前に悩んでいた「ヨシケイ流のCRM」が見つかったことです。
最初の方にお話しした通り、以前は購入の少ないお客様に向けて購入を促す施策やプレゼントを実施しており、優良顧客は何もせずとも買い続けてくださる状態になっていましたが、データを可視化して以降は、ランク分けができた優良顧客に季節のフルーツとお手紙をプレゼントし、感謝の気持ちを伝える仕組みを構築しました。
データを可視化し、分析をしたことで「卵を差し上げるので次回もぜひご購入ください」という施策を行うと、卵を目当てにその時だけ購入してくださる方が大半で、ヨシケイのファンになってくださることがないということに気づけたからこそ、「何かを差し上げるから買って欲しい」という考えから、「何かをしてもらったから感謝を伝える」という考えが必要だと実感しました。

現在は、「ヨシケイのファンは購入することで愛を伝えてくださる」→「お返しとして感謝(愛)を伝える」という流れができ、フルーツやお手紙を渡すと、それに対してまたお返事をくださるような関係性を築けるようになりました。

手紙

今後はそのような関係性の優良顧客をいかに増やすかということを、CRMも活用して取り組みたいと考えています。手紙を書いて渡せる・もらえる業界というのは少なく、それは弊社の強みです。「ありがとう」という感謝のお言葉を直接掛けていただけて、伝えられる仕事は本当にいいなと感じますね。この「ヨシケイ流のCRM」=「オフラインのコミュニケーションを大事にしながら、オンラインでマスへの接点を持つ」をさらに深く追求していきたいと考えています。

ヨシケイ流CRMとは

──社内の変化はいかがでしょうか?

松田氏:CRMに対し、社員みんなが協力的になりました。
これまではCRMの必要性に理解をしてもらえなかったのですが、お客様や売上に変化が見られたことにより顧客理解に対して前向きになり、収集した顧客データを見てどんなものをおすすめするのか、どんなひと言をかけるのかなどを考えられるようになったことが1番大きいですね。

それから、スマイルスタッフ(訪問営業担当)が活用している「スマサポ」というお客様とのやり取りを記録するシステムがありますが、今はそれもカスタマーリングスと連携しています。カスタマーリングスはCSVデータであればどのシステムとも連携ができるのでデータが一元化しやすく助かっています。
また、変化という面では、オフラインのつながりというヨシケイの良さについて振り返れた点も良かったことの1つです。

ヨシケイ開発株式会社 松田様

「効率化に振りすぎない」というヨシケイの良さを失うことなく
「お客様のため」を追求してファンを増やし続けていく

──弊社のサポートについてもお聞かせください。

島村氏:営業もそうだったのですが、サポートデスクも担当の方が本当にしっかり対応してくださるという印象が強いですね。
とにかくレスポンスが速い。一般論として、メールで問い合わせるとタイムラグが発生してしまうことが多々ありますが、カスタマーリングスの場合はレスポンスが良いので非常に助かります。また、メールのCcに入っている方が返信をくださることもあり、組織全体で弊社のことを理解し、対応してくださっているようで安心感もあります。

カスタマーリングスのサポート

──最後に今後の展望について教えてください。

松田氏:まず何よりヨシケイのファンを増やし続けることに努めたいですね。
そのためには改めて、ヨシケイを利用してくださる方たちが、どうしてヨシケイをご利用くださっているのかを理解することから始め、自分たちのやっていることがお客様のためになっているのかを追求し、さらに全国のヨシケイをサポートしていきたいと考えています。

CRMに関しては、仕組み作りももちろん大事ですが、「効率化に振りすぎない」というヨシケイの良さは絶対に失ってはいけないと考えています。そのためには、仕組みや作業をオートメーション化して効率化された時間で何をするのかを考え、その結果、最終的にファンが増えていくというサイクルを生んでいきたいですね。

現在、グループ内で2つの軸でCRMを回しています。1つは「顧客囲い込み」、もう1つは「新規獲得」です。まだ導入して期間が浅いので施策の相互乗り入れは実現していませんが、近い将来「顧客の囲い込み」と「新規獲得」の両輪が回せるようになれば、さらにCRMの効果を体感できると考えています。