EFOとは?意味や背景、ポイント、離脱要因、SEOやLPOとの違い


Writer:
山崎雄司
  • facebook
  • Twitter
  • LINE

EFOとは、会員登録や資料請求などの入力フォームについて、ユーザーがスムーズに入力を完了できるように最適化する施策のこと。

EFOとは


EFOとは、Entry Form Optimizationの略称で、「入力フォーム最適化」や「エントリーフォーム最適化」などと訳される。資料請求や商品購入の際などに必要になる入力フォームについて、短時間で正確な情報を、手間をかけずに入力できるようユーザーにとって入力しやすいフォームに最適化することをいう。何らかの目的をもってWebサイトを訪れたユーザーのモチベーションを下げることなく、確実にコンバージョン(CV)へと導くには、入力の負担を抑え、スムーズに申し込み完了まで誘導することが重要。EFOはWebサイトでのCVRを向上させるための効果的な施策として注目されている。


内部施策としてのEFO


WebサイトにおけるCV達成のための施策には、外部施策と内部施策がある。外部施策は、集客率および来訪者の質を向上させる施策のことで、DMやWeb広告、SEO対策などが挙げられる。
一方、内部施策は、来訪者の離脱を防いでCVを向上させる施策のことで、EFOやLPO(ランディングページ最適化)などが挙げられる。自社サイトの内部を改善することで、目的をもって訪れたユーザーの途中離脱を防ぎ、なおかつユーザーの目的を達成してもらいやすいサイト作りが基本となる。


EFOに注目する背景


Webサイトへの自然流入経路として最も多いのは、Google検索をはじめとした検索エンジンからの流入である。しかしながら、検索エンジンのアルゴリズムは流動的であり、SEO対策も不安定だ。オンライン広告も高騰化してきており、費用対効果を考えると外部対策には限界がある。こうした背景の下、機会の損失を防ぐためには、自社のWebサイトにたどり着いたユーザーが途中で離脱することなく、確実にCVまで導くことができる入力フォームの作成は、必要不可欠といえる。企業にとってCVに至る経路はさまざまだが、何らかの入力フォームは必ず通るものである。また、入力フォームに顧客情報を入力してもらうことは、外部施策に多額の投資をする以上の効果が得られることもあり、CV数の向上だけでなくCPAの削減にもつながることが期待される。オンラインで顧客情報を集めることが主流になってきている今、EFOの改善はあらゆる好循環を生み出すカギとして注目されているのだ。


EFOのポイント


必須項目と任意項目の差を明確にする

「必須項目」が一目瞭然であることは、離脱を防ぐうえで非常に重要だ。必須入力の箇所をフォントや配色で目立たせたり、入力完了までの残りを数字で表示したりするなど、視覚的にわかりやすくすることが望ましい。また、先が見えない入力はユーザーにとって負担になりかねないため、進捗バーなどを用意するのもいいだろう。
また、必須項目しか用意しない場合でも、ユーザーが必須だと認識せずに飛ばしてしまうとエラーが出て離脱の原因にもなりやすいため、項目全てが「必須」であることがわかるような表示が必要である。

エラーメッセージをすぐに表示する

すべての入力が完了した後の登録時にエラーが出た場合、ユーザーにとっては修正が手間だと感じるだけでなく、どの部分がエラーなのかもわかりづらく離脱につながりかねない。ユーザーが誤った入力をした場合に、すぐ近くにエラーメッセージを表示するなど、入力途中で誤りに気づける工夫をしよう。警告文や色、ポップアップメッセージなどを使ってわかりやすくユーザーに伝えることが大切だ。

入力例を表示する

入力する文字や入力規則など、各項目に具体的な入力例を表示しておくのも親切だ。特に電話番号や郵便番号、住所の番地といった数字を使う項目では、半角全角の区別やハイフンの有無なども明確に表示しておくとわかりやすい。入力例を見ながら進めることで、エラーの削減に加え入力完了までの時間短縮にもつながるため、ユーザーの負担を軽減でき、入力完了に導きやすくなる。

CTAを目立たせる

CTAボタンは最終的にCVにつながる導線として重要な役割を担う。そのため、ユーザーの目線に立ったデザインや設置場所を工夫する必要がある。目立たないデザインや小さすぎる場合は、クリックされにくいので注意が必要。また、ボタンに表示する文言は「次ページへ」「登録する」というようにシンプルでわかりやすい表現にし、クリックするハードルが高くならないように工夫しよう。
なお、「利用規約の同意」などは、ボタンと別にチェックボックスを用意して別ウィンドウで文言を表示する形式が多くみられる。スクロールしないと読めないような長いページは離脱の原因にもなりやすいので控えたい。


離脱の要因


入力項目の多さ

入力項目の多さが目立ったり、質問事項や必須回答の自由記述が複数あったりするなど、ユーザーに一見して「面倒だ」と感じさせてしまうと、そのままフォームを閉じてしまう可能性も。入力フォームは必要最低限の入力項目で構成し、見やすいフォームづくりを心がけよう。社内の担当者以外に頼んで、ユーザーの目線に立ってフォームを実際に入力してもらい、フィードバックをもらうのも効果的。

入力の手間  

入力方法が複雑であったり、エラー項目がわかりづらかったりすると、ユーザーにとってはストレスに感じてしまうため、離脱に直結しやすい。ユーザーの手間を省くには、たとえば住所の自動入力機能や、半角全角自動変換機能などの入力補助を設定するとよいだろう。エラー表示については、即時かつ具体的にエラー内容を表示することが重要である。また、記述式の入力フォームは手間に感じられる傾向があるため、選択式の項目を導入することも効果的だ。

安全性

EFO対策として重要なのは、フォームの安全性を証明することだ。ユーザーは、少しでも信頼できないと思ったらすぐにフォームから離脱する。個人情報を入力する項目も多いため、安全なフォームであることを明示することが自社への信用にもつながる。そのための施策として、SSL化とプライバシーポリシーの取り扱い表示が挙げられる。SSLとはSecure Sockets Layerの略称で、Cookieを含めたWebページの情報を全て暗号化し、外部からわからないようにするセキュリティ手段のことをいう。プライバシーポリシーは 、個人情報の取扱いに関する方針を記載した文書のことで、「個人情報保護方針」などとも呼ばれる。


SEOやLPOとの違い


SEO とEFO

SEOはSearch Engine Optimizationの略であり、「検索エンジン最適化」を意味する。Googleなどの検索エンジンでユーザーが特定のキーワード検索を行った場合に、自社サイトを上位表示させて自然流入を促すための施策のこと。外部施策のひとつで、Webサイトそのものの露出を上げることが目的である。
自社ページへの入り口を見つけて入りやすくするための施策がSEOで、入った後の入力フォームに特化して最適化を行いCVまでつなげるための施策がEFOである。


LPOとEFO

LPOはLanding Page Optimizationの略で、「ランディングページ最適化」を意味。ランディングページ(LP)とは、ユーザーが検索結果やWeb広告などから最初にアクセスしたページのことで、売上の改善において重要な役割を担う。LPOは内部施策のひとつで、ユーザーが欲しい情報を簡単に手に入れたり、最後まで記事を読んでくれたりするために行う施策。
つまり、ランディングページ全体の最適化を図るのがLPOで、Webサイトの出口である最終的な入力フォームに特化して最適化を図るのがEFOである。

メルマガ登録
  • facebook
  • Twitter
  • LINE