Cookie(クッキー)とは?有効にする?目的やメリット、設定方法など


Writer:
山崎雄司
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Cookie(クッキー)とは、閲覧しているWebサイトからスマホやPC内のブラウザに保存される情報のことだ。その情報とは、訪れた日時や、訪問回数など、ユーザーのさまざまな内容が含まれ、ユーザー体験の向上やリターゲティング広告の配信などに活用される。

Cookieの仕組み


ユーザーがWebサイトにアクセスすると、Webサーバーから閲覧履歴の記録としてIDが発行され、ブラウザに保存される。次回同じWebサイトにアクセスした際に、ブラウザに保存されていたCookieがWebサーバーに送られ、サーバー上のユーザー情報と照合し、紐づけることができる。

ファーストパーティーCookieとサードパーティーCookieの違い


Cookieには、ファーストパーティーCookieとサードパーティーCookieがある。

ファーストパーティーCookie

訪れたWebサイトのドメインが直接発行するCookieが、ファーストパーティーCookie。ドメインごとに付与され、比較的ユーザーにブロックされることは少ないが、サイトを横断したトラッキングはできず単一のサイトのみで機能する。

サードパーティーCookie

訪れたWebサイト以外のドメインが発行するCookieを、サードパーティーCookieという。複数のサイトをまたいでのトラッキングが可能で、リターゲティング広告の配信などに活用されるが、セキュリティの懸念からブロックするユーザーも多い。今後は世界的に規制に向けた動きが活発化するとみられている。

キャッシュとの違いは?


Cookieと混同しやすいのが「キャッシュ」だ。キャッシュは、ユーザーが訪れたサイトのデータを一時的に保存する機能のこと。
Cookieとの大きな違いは、CookieはユーザーのIDやパスワードといった個人情報を記録するのに対し、キャッシュは保存するデータがHTMLや画像であるという点だ。それらを保存しておくことで、再びサイトに訪れた際に画像などの大容量データを再び読み込む必要がなくなるため、サイト表示の高速化が実現する。

Cookieの目的とメリット


Cookieの目的とメリットは、ユーザー、サイト(企業)で異なる。それぞれみていこう。

ユーザーのメリット

IDやパスワードなどの情報が記録されるため、ネットショッピングやSNS、ネットバンキングなどを利用する時など、ログイン情報が求められるシーンで毎回入力する手間が省ける。また、ECサイトなどではカートに入れた商品情報が保存されるため、次回訪問した際にスムーズに買い物ができる。

サイト(企業)のメリット

サイト(企業)側のメリットとしては、Cookieによって、ユーザーがどのようなページを閲覧し行動を起こしたのかを把握できる。その情報を元に、サイト運営の改善を図ったり、今後の事業戦略のヒントにもつなげたりすることができるだろう。
また、ユーザーの情報を元に、リターゲティング広告と呼ばれる自社商品とマッチ度が高いユーザーに対して広告配信ができる仕組みを利用できるといったメリットもある。
 
サイト側がユーザーに適切な情報を提供できることは、ユーザー側にとっても利便性の向上につながる。双方にとってメリットが多い仕組みといえるだろう。

Cookieを有効にするデメリットや危険性は?


ユーザー側のデメリット

マンガ喫茶や学校などの不特定多数の人が使う共用PCを利用する際、Cookieが残っていると、次に使った第三者に不正利用される可能性がある。PCを使い終わったら、すぐにCookieを削除してしまうことが重要だ。

サイト(企業)側のデメリット

個人情報の流出・不正利用などのリスクやプライバシー侵害の問題に巻き込まれる可能性が。また、過剰なリターゲティング広告によりユーザーに不快感を与えてしまう危険性もある。
欧州では、Cookieなどの個人情報を収集する事業者には、ユーザーにその意図を伝えて同意を得る義務がある。またAppleは、SafariにおけるサードパーティーCookieを2020年3月にブロック済みであり、GoogleもChromeでのサードパーティーCookieのサポートを2023年中に廃止すると発表。日本の改正個人情報保護法でも、Cookieに関するガイドラインが強化された。今後はリターゲティング広告が制限されていくため、企業にはサードパーティーCookieに頼らないマーケティングへの切り替えが求められている。

Cookie使用の同意を求めるポップアップがなぜ出てくるのか


上記の通り、EUのGDPR(EU一般データ保護規則)や、カリフォルニアのCCPA(カリフォルニア消費者プライバシー法)、日本の改正個人情報保護法など、世界的に個人関連情報保護に関する法改正が進められている。そのため、越境ECや多言語展開のWebサイトなどを利用する際は、こうした法律への対策によりCookie使用の同意を求めるポップアップが出現する。


Cookieを削除する方法


ユーザーは、Cookieを必ずしも全て受け入れる必要はなく、選択が可能だ。Cookieの利用を個人の判断で選べるようにCookieの有効化や無効化、削除の方法を理解しておきたい。

Chromeでの削除方法

Cookieを削除するには、Chromeの場合は、「設定」画面で「閲覧履歴データを消去する」をクリックし、表示されたウィンドウで「Cookieとサイトデータ」にチェックを入れ、「データを消去」をクリックする。

Safariでの削除方法

Safariの場合は、「設定」アプリから[Safari]を選択し、[履歴とWebサイトデータを消去]をクリックすると、Cookieが削除できる。

Cookieの名前の由来は? 


ところで、Cookieは焼き菓子の「クッキー」とスペルが一緒。Cookieの名前の由来は、以下のように諸説あるようだ。

・Cookieと同じような仕組みを持っていたUNIX(AT&T社ベル研究所で開発が始まったオペレーティングシステム)のプログラム「Magic Cookie」にちなみ名づけられた説。
・「保存食」といえば「クッキー」というイメージが由来となっている説。
・Cookieは毎回異なるメッセージが表示されるが、それが海外のおみくじ入りクッキー「fortune cookie(フォーチュン・クッキー)」に似ているために名付けられた説。
・子ども向け某海外番組の、クッキーが好きな青いフォルムのキャラクターのイメージから、ブラウザやサーバーに情報が食べられる、という意味で名付けられた説。


便利なCookieだがしっかり理解と対策を


Cookieは、ユーザーとサイトの双方に快適さと便利さを運んでくれる。しかし情報の漏洩の危険性は理解しておきたい。共用のパソコンを使用した場合は必ずCookie(クッキー)を削除すること、スマホを紛失したりした時に第三者に不正利用されないよう、しっかりロックをかけておくなど、基本的な対策を心がけよう。

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