コンバージョン(CV)とは?意味やマーケティングにおける活用方法
- Writer:
- 山崎雄司
コンバージョンとは、直訳すると「転換」「変換」という意味を持ち、マーケティングの分野では、「商品購入に至る」「資料請求をする」といった、サイトを訪れた見込み客によって実行される最終的な成果を指す。「CV」と略すこともある。
コンバージョンの種類
直接コンバージョン
サイトを訪問した顧客が、広告をクリックする等して直接商品ページにたどり着き、そのままサイトから離れることなく商品購入に至ることを直接コンバージョンと呼ぶ。
間接コンバージョン(アシストコンバージョン)
サイトを訪問した顧客が、初回の訪問時は商品の購入に至らなかったが、後に何らかのきっかけによってサイトに再訪し、商品購入に至ることを指す。広告やSNSなどの影響も大きく、最終的にコンバージョンに至るまでのあらゆる影響を測る指標となる。なお、Googleアナリティクス上では同様のコンバージョンを「アシストコンバージョン」と表す。
総コンバージョン・ユニークコンバージョン
コンバージョンに至るまでの総アクション回数のことを総コンバージョンという。たとえば、同人物が商品を2つ購入する場合、総アクションは2回としてカウントされる。
一方で、顧客の人数ごとにコンバージョンをカウントする指標を、ユニークコンバージョンという。つまり、同一人物が商品を2つ購入する場合のユニークコンバージョンは1回とカウントされる。
ビュースルーコンバージョン・クリックスルーコンバージョン
顧客が、広告を目にしたもののクリックせず、後に別のルートからWebサイトを訪問し購入、コンバージョンに至る割合を、ビュースルーコンバージョンという。
一方で、顧客が広告をクリックし、サイトに訪問、そのまま購入に至る場合を、クリックスルーコンバージョンという。広告を経由した後は、直接コンバージョン・間接コンバージョンに関係なくクリックスルーコンバージョンとしてカウントする。
コンバージョンの例
Webマーケティングでは、コンバージョンの設定が非常に重要になる。これにより、サイトの目標を設定したり今後の施策の方向性を定めたりすることができ、費用対効果を探りながら安定したサイト運営につなげられるからだ。こうしたコンバージョンの設定は、事業内容によって異なる。たとえば以下の通りだ。
・一般的なECサイトの場合 → 商品の購入数
・企業のWebサイトや商品・サービスサイト → 資料請求数、問い合わせ・相談件数、試供品や無料体験版の申し込み数など
・会員制の情報サイトやコミュニティサイト → 会員登録数
・イベントページ → 参加申し込み数
・採用ページ → 応募数
コンバージョン率(CVR)とは
Webサイトへの訪問者に対してどのくらいの効果(コンバージョン)があったのか、その達成度を効率的に測る指標のことをコンバージョン率(CVR)という。コンバージョン率は以下の計算式で算出する。
コンバージョン数÷サイトへの訪問数(セッション数)
コンバージョン率の平均値
業界や扱う商品・サービス、また、何をコンバージョンに定めるかによって、その平均値は異なる。一般的には2~3% 程度といわれており、ジュエリーやコスメブランドのECサイトでは3%程度 、金融業界では5%ともいわれている。
ただし、前述の通り設定によってその値は大きく変わるため、一般的な平均値にはあまり左右される必要はない。現時点における自社のコンバージョン率を把握し、サイトのアクセス数を増やしたり、売り上げを上げたりするための一つの指標として活用することが大切である。
マイクロコンバージョンとは
マイクロコンバージョンとは、最終的なコンバージョンの成果を得るために通過する「中間コンバージョン」のことを指す。
たとえば高額商品を扱うブランドなどは、購入に至るプロセスも長く多様なため、「購入完了」をコンバージョンに設定すると母数が集まりにくいことが多い。その結果、検証のスピードが遅くなり、広告の施策や運用に問題がないかなどの把握がスムーズにいかなくなることも。こうしたケースでは、「商品ページの閲覧」「カートに追加」など、コンバージョンの前段階をマイクロコンバージョンとして複数設定し、分析・検証の材料にする。これにより、スピーディーにPDCAを回すことが可能になる。
コンバージョンに注目するメリット
収益アップが見込める
Webサイトへのアクセス数ばかり気にしてしまう傾向があるが、アクセス数自体が少なくても、コンバージョンに注目することで商談化率や受注率向上に集中でき、最終的には収益アップを目指せるだろう。
また、コンバージョン率は広告で設定する「検索ワード」によっても変動する。サイト訪問者がどんな検索用語を入力しサイトにたどり着いたのかを分析することで、本来のターゲットとしている顧客のアクセスを増やせれば、高い費用対効果が得られる。
Webサイトの改善につながる
上記とは逆のパターンで、たとえば商品ページへのアクセスは増えているのに、コンバージョンが伸びない場合には、顧客の購買意欲を掻き立てるほどの商品の魅力が伝わっていないことが考えられる。こうした問題の所在が明らかになることで、やみくもに広告を打つのではなく、商品ページのリニューアルなどの効果的な対策がとれるだろう。
コンテンツ作成に役立つ
コンバージョンを設定することで、目的や方向性が明確になる。それにより、Webサイトのコンテンツを作成する際にも、一貫性を保つことできる。
たとえば、「セミナーへの申し込み」をコンバージョンとして設定した場合、ゴールである「申し込み」に向けて、セミナーの内容を紹介するコンテンツを作成したり、参加者の声をまとめたりするなど、必要なアクションが浮かび上がってくる。無駄な作業を省くことができ、効率化につなげることができるだろう。
コンバージョン率を上げるポイント
キーワードの見極め
サイトへの訪問者数は増加しても、コンバージョンにつながらない場合、本来のターゲットでない客層が訪れているのかもしれない。本来のターゲットを集客するために、キーワードプランナー等を利用しながら、集客できる検索用語を見極めよう。
導線、CTAの改善
Webサイトへの訪問者が円滑に目的のサイトへたどり着けるよう、情報を整理しコンバージョンに結びつける。ヘッダーやフッター、グローバルナビゲーションなどを工夫することで、同線の強化を図ることが大切だ。最終的にコンバージョンに導くボタンやリンクのことをCTA(Call To Action)と呼ぶが、訪問者を具体的な行動に誘導できるよう、わかりやすい配置を工夫したい。
入力フォームの最適化(EFO)
たとえば「入力フォームへの回答完了」をコンバージョンにした場合、入力すべき項目を最低限にとどめたり、エラー内容をわかりやすく表示させたりするなどの最適化を図ろう。ユーザーがスムーズに入力完了できるよう工夫することをEFO(Entry Form Optimization)と呼ぶが、それによりフォームからの離脱率を下げる。
モバイル(スマホ)対応
デスクトップPCを使わず、モバイルやタブレットのみを使うという人も増えている。万が一自社サイトがそうした端末に対応していない場合は、至急取り組んだ方が良いだろう。
表示スピードの改善
ページの表示スピードが遅いだけで、ユーザーの途中離脱の大きな原因になる。大きすぎるデータを使わないなどの改善をしつつ、同時に、サイトを訪れた際に最初に表示されるファーストビューも魅力的にする工夫を凝らしたい。