デジタル広告とは?意味や特徴、種類、マス広告との違い


Writer:
山崎雄司
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デジタル広告とは、デジタル技術を用いて表示される広告のこと。主にWebサイトやストリーミングコンテンツなどのオンラインチャネルを通じたマーケティングで用いられる広告手法である。

デジタル広告とは


デジタル広告とは、デジタル技術を用いて表示される広告の総称である。新聞、雑誌、ダイレクトメールなどのアナログ広告と異なり、画像、テキスト、動画など、さまざまな種類のメディアフォーマットが存在する。代表的な例としてインターネット広告が挙げられるが、電子看板(デジタルサイネージ)などを含める場合もある。


デジタル広告の特徴


ターゲティング

デジタル広告は、ユーザーの年齢や性別といった属性情報のほか、購買履歴や検索履歴などの行動履歴をもとに、配信対象や広告の内容を設定することができる。そのため、潜在顧客に対して、自社の目的に応じたターゲティングが可能である。

効果測定

オンラインチャネルを用いる性質上、クリック数や閲覧者数といったユーザーの反応や行動履歴をリアルタイムで測定することが容易である。収集したデータをもとにデジタル広告の効果を分析し、CVR(コンバージョン率)やCTRなどの指標を用いて目標達成率や投資利益率(ROI)を把握することができる。


柔軟性

紙媒体と異なり、広告掲載後もコンテンツ内容や配信タイミング、ターゲティング調整ができることはデジタル広告の大きな特徴である。広告作成後から公開までのリードタイムが短いため、状況に応じてすぐ修正・最適化を行うなど、迅速な対応が可能である。

相互性

媒体によっては、ユーザーが直接広告に対してのアクションを選ぶことができる。たとえば、広告動画の再生可否や、アンケートへの参加、ソーシャルメディアでの拡散・共有などが挙げられる。

デジタル広告の種類


ディスプレイ広告

ディスプレイ広告とは、「コンテンツ連動型広告」とも呼ばれるデジタル広告の形態のひとつ。Webサイトやアプリ内などに表示されるバナーなどがそれにあたり、画像や動画などを組み合わせることで視覚的にユーザーにアプローチすることができる。ブランド認知度向上や比較的安い広告費で多くのページに配信したい企業に有効。


リスティング広告

リスティング広告とは、ユーザーが検索エンジンで入力したキーワードに連動して、検索結果ページの上部または下部の目立つ場所に表示される有料広告のこと。GoogleやYahoo!といった検索エンジンで利用され、URL の左側に「広告」と表記されるのが特徴。「検索連動型広告」や「PPC 広告(Pay Per Click)」とも呼ばれる。


ネイティブ広告

ネイティブ広告は「ネイティブアド」とも呼ばれ、Webサイトやアプリ上で、通常のコンテンツに自然に溶け込むように表示される広告を指す。媒体や表示方法、表示個所に決まりはなく、媒体のコンテンツに溶け込んでいればネイティブ広告だといえる。広告として認識されにくいためユーザーにストレスを与えにくく、CVRが高くなる傾向。一方、リンク先や内容がコンテンツと関係ない場合などは、ユーザーに不快感を持たれてしまう可能性がある。


SNS広告

Facebook、Instagram、X(Twitter)などのSNS上で展開する広告のこと。テキストや画像、動画など、さまざまな広告フォーマットが利用できる。
SNSプラットフォームでは、ユーザーのプロフィール情報や行動データを提供しており、自社アカウントのフォロワーのインサイトが無料で閲覧可能。そのため、ターゲットを正確に特定することができる。ただしSNSはプラットフォームによってメインとなるユーザーの属性が異なるため、自社のターゲットが多く利用するSNSを対象とすることが重要である。


動画広告

YouTubeやVimeoのような動画共有サイトをはじめ、SNSやその他のWebページなどで配信できる動画形式の広告のこと。動画を用いることで短時間に多くの情報を伝えられることから、世界中で人気が高まっている。YouTubeなどの動画プラットフォーム内で再生されるインストリーム動画広告や、ウェブやアプリの広告枠で再生されるアウトストリーム動画広告、モバイルアプリのコンテンツ内に組み込まれる形で表示されるインフィード広告などがある。


アフィリエイト広告

アフィリエイト広告とは、アフィリエイターと呼ばれる媒体主が保有しているブログやWebサイト、SNSアカウントなどに商品やサービスの紹介リンクなどの広告を設置してもらい、そこから広告主が設定した条件が成果として発生した場合に報酬が支払われるという広告形態。成果報酬型広告とも呼ばれる。自社の商品やサービスと親和性の高いサイトで客観的に紹介してもらえるため潜在顧客に働きかけやすいが、意図しないサイトに掲載されるとブランドイメージが悪化してしまうこともある。


デジタルサイネージ(電子看板)

デジタルサイネージとは、デジタル映像機器を使用した看板のことであり、駅や店舗、病院など、さまざまな施設に設置されている。人が多く集まる場所に設置されることが多く、不特定多数の消費者にリーチできるのが特徴。また、ターゲットに合わせて時間ごとに内容を切り替えることや、Webでの配信、SNSとの連携も可能であることなど、アナログ看板とは異なるデジタルならではの柔軟性が強みである。

デジタル広告とマス広告の違い


媒体

マス広告は、4大マスメディアと呼ばれる媒体(テレビ・新聞・雑誌・ラジオ)に掲載される広告を指す。一方、デジタル広告は、主に動画配信サービスやアプリなどといったオンラインチャネルを媒体として、インターネット上のあらゆるメディアに展開される広告を指す。

対象

マス広告は、個人ではなく大衆(マス)という不特定多数のユーザーを対象としている。一方、デジタル広告は、ユーザーそれぞれの属性情報や検索・閲覧履歴といった行動履歴などのデータを活用し、ターゲットとして絞り込まれた層を対象とする。

目的

マス広告は、商品やサービスを認知してもらうことや、自社を想起してもらえるようになることをゴールとする。一方、デジタル広告は、認知だけでなく具体的な購買行動(コンバージョン=CV)が期待できる層へのアプローチや、購入後のフォローまで対象を絞り込むことで、各段階にいるユーザーそれぞれにアプローチすることができる。


費用

マス広告は、一般的に費用が高額だといわれている。たとえばテレビCMの場合、15秒ほどのCMでも、放映費用と制作費用の総額は数百万円以上かかり、キャスティングによっては年間数千万円を超えることも。一方、デジタル広告では、高額な費用が発生するケースもあるものの、広告の情報量や表示個所、対象となるユーザーに適した広告のみに絞り込むといったように、基本的にコストを最小限に抑えて運用することができる。
 

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