インストリーム広告とは?種類やメリット、アウトストリーム広告との違い


Writer:
山崎雄司
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インストリーム広告(In-stream advertising)は、オンライン動画や音声コンテンツの再生中に挿入される広告の形式のこと。

インストリーム広告とは


インストリーム広告は、ユーザーがコンテンツを視聴する際、コンテンツの前や、途中、または後に表示される。視聴者の関心を引き付けるために、動画、静止画、音声、テキストなどのさまざまなメディア形式によるインストリーム広告が存在する。

インストリーム広告の目的


インストリーム広告の最大の目的は、ブランドや商品、サービスの認知度向上である。集客力の高い動画サイトやSNS上で配信するため、多くのユーザーの目に止まりやすい。さらに、ユーザーがコンテンツを視聴する前後や途中に再生されるため、閲覧される可能性が高く、離脱率は低いため、高額な費用をかけて制作されるテレビCMよりも費用対効果が高い場合も。

インストリーム広告の再生タイミングの種類


プレロール広告(Pre-roll ads)

動画や音声コンテンツの再生前に表示される広告で、ユーザーが目的のコンテンツにアクセスする前に視聴する必要があるもの。広告主にとっては、オーディエンスの注意を引くための最も効果的な方法の1つとされている。

ミッドロール広告(Mid-roll ads)

動画や音声コンテンツの再生中に表示される広告で、通常はコンテンツの自然なブレイクポイントに挿入される。ユーザーはコンテンツを最後まで視聴したい場合が多いため、そのまま広告を視聴してもらえることが多く、離脱率が低い傾向。

ポストロール広告(Post-roll ads)

動画や音声コンテンツの再生が終了した後に表示される広告。ユーザーがコンテンツを完全に視聴した後に再生される。プリロール広告やミッドロール広告と比較すると、離脱率は高い傾向にある。

スキッパブル・ノンスキッパブル広告


スキッパブル広告(スキップ可能型)

スキップすることが可能なインストリーム動画広告。動画再生から一定の時間が経過した後に広告スキップのオプションが表示される仕組み。見込み顧客の獲得やブランド、商品などの認知度アップなどが目的とされる。

ノンスキッパブル広告(完全視聴型)

動画の再生中にスキップができない仕様のインストリーム動画広告をノンスキッパブル広告と呼ぶ。動画の再生前後、または再生中に配信されるものでYouTubeでは6~15秒の長さ。動画全体を通してメッセージを伝えられるため、ブランドや商品の認知度アップ、リーチの拡大が期待できる。
なお、ノンスキッパブル広告のYouTubeの動画広告フォーマットの一つで、6秒以下で配信されるものをバンパー広告という。表示されるタイミングは、動画視聴前、動画の途中、動画視聴後のいずれかのタイミング。短い尺のため、ユーザーに不快感を与えることがなくインパクトを残すことができる場合が多く、ブランドの認知度を高める効果的な手法とされている。

インストリーム広告が利用できるメディアの種類


動画プラットフォーム

YouTubeやVimeoなどの動画共有サイトは、代表的なインストリーム広告のチャネルである。動画の再生前、途中、または後に広告を表示することが可能。

ソーシャルメディア

Facebook、Instagram、Twitter、LinkedIn、TikTokなどのソーシャルメディアプラットフォームでは、動画コンテンツの再生中にインストリーム広告を挿入可能。ユーザーがタイムラインをスクロールしている間に表示されることが多い。

ストリーミングサービス

NetflixやHulu、Amazon Prime Videoなどのオンデマンドストリーミングサービスでは、ユーザーの加入プランによってインストリーム広告が表示される。

ニュースサイトやブログ

オンラインニュースサイトやブログなどのテキストベースのコンテンツでも、動画プレイヤーが組み込まれている場合にインストリーム広告を表示することが可能。

音声コンテンツ

ポッドキャストやインターネットラジオ、音楽ストリーミングサービス(Spotify、Pandoraなど)でも、インストリーム広告が利用されている。これらのプラットフォームでは、音声広告がコンテンツの再生前、中、または後に挿入されることが一般的。

インストリーム広告のメリット


高い視聴率

インストリーム広告は、ユーザーがコンテンツを視聴している最中に表示されるため、他の広告形式に比べて目に留まりやすく、視聴率が高い傾向。また、たとえばYouTubeはどの世代にも多くのユーザーがおり、10代から40代では利用率90%を超える。こうした幅広いユーザーに向けて配信ができるのも大きなメリット。

細かいターゲティングが可能

インストリーム広告は、特定のユーザー層およびその属性に関連して詳細なターゲティングが可能。そのため、自社の商品やサービスに興味がありそうなユーザーに対して効果的なマーケティングが展開できる。

ブランド認知の向上

コンテンツを見る際に必ず目にする広告形態のため、ブランドや商品の認知度を高めやすい傾向がある。ユーザーが閲覧している動画に関連した内容にしたり、ユーザーに興味を抱かせるコンテンツを制作したりすることで、さらにエンゲージメントを高められる可能性も。

インストリーム広告のデメリット


スキップされる場合も多い

一部のプラットフォームでは、視聴者が広告をスキップできる機能が提供されており、広告が最後まで視聴されない可能性がある。

広告ブロック

広告ブロック機能を使用するユーザーが増えているため、広告が表示されない場合がある。

ユーザーの反感

ユーザーによっては、インストリーム広告がコンテンツの視聴を妨げると感じる場合もあるため、広告主や商品、サービスに対して否定的な印象を持つ可能性がある。

アウトストリーム広告との違い


アウトストリーム広告は、動画の外の枠に表示される動画広告のこと。具体的な表示場所としては、WebサイトやSNS、アプリの広告枠内など。アウトストリーム広告は、動画プレイヤーがないコンテンツでも広告が配信可能なため、幅広いユーザーにアプローチすることが可能であり、インストリーム広告と共に主要な広告形態として採用する企業も多い。

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