オンライン広告とは?意味や種類、メリット、オフライン広告との違い
- Writer:
- 山崎雄司
オンライン広告とは、オンライン技術を用いてWebサイトやスマートフォンのアプリなどに出稿する広告のこと。主にWebサイトなど、オンラインチャネルを通じたマーケティングで用いられる広告手法である。
オンライン広告とは
オンライン広告とは、インターネット上で商品やサービスを宣伝し、広告主がオンラインでターゲットにメッセージを伝えてアプローチする広告。Webサイトや検索エンジン、ソーシャルメディア、アプリ、Eメール、ビデオプラットフォームなど、さまざまな手法がある。デジタル広告の一つで、インターネット広告とも呼ばれる。
オンライン広告の種類
ディスプレイ広告
ディスプレイ広告とは、「コンテンツ連動型広告」とも呼ばれるデジタル広告の形態の一つ。Webサイトやアプリ上に文字だけでなく画像・動画などの形式で表示させることで、視覚的にユーザーにアプローチすることができる。ブランド認知拡大や成果獲得といった幅広い目的で活用できるため、比較的安い広告費で多くのページに配信したい場合に有効。
リスティング広告
リスティング広告とは、ユーザーが検索エンジンで入力した任意のキーワードに連動して、検索結果ページの上部または下部の目立つ場所に表示される有料広告のこと。GoogleやYahoo!といった検索エンジンで利用され、広告ではない他のコンテンツと区別するために、検索結果画面の最上部や最下部に「広告」「PR」という表記とともに表示されるのが特徴である。「検索連動型広告」や「PPC広告(Pay Per Click)」とも呼ばれる。
ネイティブ広告
ネイティブ広告は「ネイティブアド」とも呼ばれ、Webサイト、アプリ、キュレーションサイト、SNSなどにおいて、コンテンツに自然に溶け込むように表示させる広告を指す。媒体や表示方法、表示個所に決まりはなく、媒体のコンテンツに溶け込んでいればネイティブ広告だといえる。
ユーザーにストレスを与えることなく、商品の魅力やメッセージを伝えることができるため、CVRが高くなる傾向がある。一方、リンク先や内容がユーザーの求める情報ではない場合や、コンテンツ内容と関係ない場合は、ユーザーに不快感を持たれてしまう可能性がある。
SNS広告
Facebook、Instagram、X(Twitter)などのSNS上で展開する広告のこと。ユーザーがSNSのタイムラインなどを見ているときに広告が表示されるため、違和感なく広告を表示できる。テキスト、画像、動画、カルーセル広告、ストーリーズ広告など、さまざまな広告フォーマットによる配信が可能だ。
SNSでは、ユーザーのプロフィール情報や行動データを提供しており、それを基に正確なターゲティングが可能。ただし、プラットフォームによってメインとなるユーザーの属性が異なるため、自社の商品やそのターゲットに合ったSNSを選定することが重要である。
動画広告
YouTubeやVimeoのような動画共有サイトをはじめ、SNSやその他のWebページなどで配信する、動画を利用した広告のこと。短時間でブランドのインパクトや多くの情報を伝えられることから、世界中で人気が高まっている。
具体的には、YouTubeなどの動画プラットフォーム内で再生され、コンテンツ内にテレビCMのように大画面で表示されるインストリーム広告、ウェブやアプリの広告枠で再生され、動画プレイヤー画面の「外側」で展開されるアウトストリーム広告、モバイルアプリのコンテンツ内に組み込まれる形で表示されるインフィード広告などがある。
アフィリエイト広告
アフィリエイターと呼ばれる媒体主が保有しているブログやWebサイト、SNSアカウントなどに商品やサービスの紹介リンクなどの広告を設置してもらい、その後広告主が設定した条件が実行された場合に報酬が支払われるという広告形態である。広告の掲載だけでは料金が発生せず、売り上げに応じて支払い額が決まるため、成果報酬型広告とも呼ばれる。
自社の商品・サービスと親和性の高いサイトで客観的に紹介してもらえるため、潜在顧客に働きかけやすいのがメリット。ただし、指定した媒体に広告が必ず掲載されるわけではないため、意図しないサイトに掲載されたり、不当表示や誇大広告に該当したりするリスクも。また、成果に関係なく固定費が発生する。
デジタルサイネージ(電子看板)
ディスプレイやプロジェクターなどのデジタル映像機器を使用して情報を発信する看板のこと。動的コンテンツを提供できるため静止画よりインパクトがあり、人の目に入りやすいのが特徴。
駅や店舗、病院、オフィスなど、さまざまな施設に設置されており、不特定多数の消費者にリーチできる。また、ターゲットに合わせて時間ごとに内容を切り替えることや、Webでの配信、SNSとの連携、音声付加による聴覚的なアプローチも可能であることなど、デジタルならではの柔軟性が強みである。
オンライン広告のメリット
ターゲットを絞れる
オンライン広告は、配信される媒体やターゲット層を広告主が媒体ごとに設定できるため、効果測定がしやすく、成果を上げやすいのがメリット。ユーザーの検索履歴や行動履歴に基づいて配信対象や広告の内容をカスタマイズできるため、商品やサービスに興味を持ちそうなターゲットに的確に発信できる。
リアルタイム性
オンライン広告はリアルタイムでデータを確認することが可能なため、広告のパフォーマンスをモニタリングしながら、必要に応じて修正することができる。進行中の広告キャンペーンであっても、広告のコピーやクリエイティブ、ターゲティングを改善し、迅速に最適化することができる。
データと分析
オンライン広告プラットフォームは、詳細なユーザーデータや分析ツールを提供している場合が多く、広告キャンペーンの効果を測定することが可能だ。クリック率やCVR(コンバージョン率)、投資収益率(ROI)、ユーザーの行動データなどから、広告効果を詳細に追跡することができる。これにより、広告の効果を定量的に評価し、改善点を見つけることができる。
予算の効率化
配信される媒体やターゲット層を広告主が媒体ごとに設定できるため、成果を上げやすく、無駄な広告費を削減することができる。また、広告作成後から公開までのリードタイムが短いため、必要なときに予算を増減するなど柔軟な対応ができ、効果的な広告運用が可能になる。
さらに、オンライン広告は広告の規模を調整しやすく、予算の範囲内で広告キャンペーンを最適化することができる。
拡散力とインタラクティブ性
インターネットは地理的な制約が少ないため、オンライン広告を活用することで、国内外の広範な地域のユーザーへ拡散することが可能となる。
また、ユーザーからリアルタイムの反応を得られる点を活かし、ユーザーとのコミュニケーションを促進することで、コンテンツに双方向のコミュニケーションが生まれる。このようなインタラクティブコンテンツの活用は、ユーザーのエンゲージメントの向上につながる。
オフライン広告との違い
オンライン広告がインターネット上に配信される広告であるのに対し、オフライン広告は、マス広告(テレビ、ラジオ、新聞、雑誌の4大メディアに掲載される広告)やポスター、チラシといった、インターネットを介さない広告のことをいう。ターゲットを絞って発信するオンライン広告とは違い、不特定多数の消費者に広告を届ける際に有効である場合が多く、商品やサービスを認知してもらうことや、自社を想起してもらえるようになることをゴールとする。
また、オンライン広告は予算を細かく調整できるのに対し、オフライン広告は予算が固定されている場合が多く、一般的に費用が高額だといわれている。