潜在顧客とは?意味や重要性、アプローチ方法、見込み顧客との違い


Writer:
山崎雄司
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潜在顧客とは、潜在的なニーズはあるものの、自社の商品やサービスをまだ認知していない顧客のことである。

潜在顧客とは


潜在顧客とは、自身がまだ自社の商品やサービスの存在自体を知らない、またはまだ自身の課題やニーズが顕在化していない顧客であり、商品やサービスの存在やその必要性を感じたら購入する可能性のある顧客である。
潜在顧客を獲得するには、潜在顧客が抱えている課題やニーズを具体化し、適切なアプローチを行う必要がある。潜在顧客にニーズを認識させることができないと購買に至らないことも多いため、企業はあらゆるコミュニケーションを通じて、顧客の抱えている課題と自社の商品やサービスを結び付け、解決できるニーズであると認識してもらうための施策やアプローチを行っていくことが大切である。

潜在顧客の重要性


潜在顧客は母数が多く、その獲得はビジネスにおいて売上拡大の鍵となる。潜在顧客を掘り起こし、彼らのニーズに応えることで、企業は新たな市場を切り開くことができるだろう。現在の顧客基盤のみに依存せず、新たな顧客層を開拓することは、企業の持続的な成長を支える重要な戦略である。
また、潜在顧客は、すでに課題やニーズを認知している顕在顧客よりも獲得の競争率が低いため、上手に導くことで高い成約率を達成することができる。顧客と長期的な信頼関係を構築し、潜在顧客から顕在顧客へ、さらに顧客を経てファンへと時間をかけて育成することで、LTV向上も期待できる。こうした理由から、潜在顧客は企業にとって見逃せない存在なのである。


潜在顧客の特定方法


潜在顧客を特定するには、すでに自社に興味のあるターゲットではなく、興味関心のありそうなターゲットにアプローチして開拓していく必要がある。ターゲットを明確に絞り込むためには、MAツールなどを活用したデータ分析や、市場調査が欠かせない。具体的な方法としては、まずSTP分析を用いて既存顧客の購買履歴や属性、オンライン行動などを把握し、自社の商品・サービスを求めている顧客層を抽出する。それを基にペルソナを設定し、ペルソナを対象にどのような施策が有効か検討する。こうして導き出した潜在顧客に対し、最適なチャネルにてアプローチを始める。その際、潜在顧客の関心の度合いや反応の有無を考慮しない一律で一方的なアプローチは避けるようにしたい。


潜在顧客へのアプローチ


アウトバウンドマーケティング

メールマガジンやDM、テレビCM、訪問営業などを通して、企業が潜在顧客や見込み顧客へ自ら積極的なアプローチをする手法のこと。「プッシュ型」のマーケティングと呼ばれる。的確なターゲティングができていれば、短い期間で商談や成約に到達できる。

インバウンドマーケティング

メールマガジンやDMなどの広告ではなく、顧客のタイミングで自社を発見してもらう、顧客主導型のマーケティング手法のこと。「プル型」のマーケティングと呼ばれる。顧客のニーズや興味に合わせ、コンテンツや体験などを自然な形で提供することで、潜在顧客や見込み顧客との信頼関係を築いていく。米国HubSpot社のCEOらが初めて提唱したマーケティングコンセプトである。


コンテンツマーケティング

企業が一方的に発信するマスメディア広告による情報と、消費者の知りたい情報のギャップを埋めるために、有益なコンテンツを用いながら双方向のコミュニケーションを図っていく手法。2000年頃にアメリカで発信されたマーケティングコミュニケーションである。最終的には、見込み顧客を顧客化し、ロイヤルカスタマーを作ることを目的とする。


SEO対策

自社サイトを検索結果の上位に表示させ、サイトへの流入を増やす施策のこと。SEOとは、Search Engine Optimization(サーチ エンジン オプティマイゼーション)の略であり、「検索エンジン最適化」を意味する。サイトへの流入を増やし、CVの達成および最終目標(商品購入など)につなげることを目的とする。


見込み顧客や顕在顧客との違い


潜在顧客、見込み顧客、顕在顧客は、自社商品・サービスを認知しているか、またニーズが顕在化しているかどうかで分けられる。

見込み顧客

見込み顧客はリード(Lead)とも呼ばれ、自社の商品やサービスをすでに知っていて、ニーズが顕在化しており、何らかのアクションを起こしたことのある顧客を指す。
なお、見込み顧客が商品・サービスのことを認知してから購入や利用に至るまでは「認知」「興味・関心」「比較・検討」「購入」の4段階で示され、前者2つは潜在顧客に分類されることも。後者2つは顕在顧客に分類される(後述)。

顕在顧客

顕在顧客は、自身のニーズを自覚しており、それに対応できる商品・サービスを認知している見込み顧客のこと。顕在顧客は商品・サービスへの関心が高く、広告やWebサイトを見るなど、自分のニーズや課題を解決するために、自らアクションを起こす。

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