リードジェネレーションとは?意味や具体例、リードナーチャリングとの違い


Writer:
山崎雄司
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リードジェネレーションとは、見込み顧客や潜在顧客を獲得するためのマーケティング活動である。

リードジェネレーションとは


リードジェネレーションとは、自社の商品・サービスに興味を持っていそうな潜在顧客や見込み顧客を獲得するためのマーケティング活動のこと。主にBtoBマーケティングで用いられる。具体的な活動例としては、展示会やセミナーでの名刺交換やWebサイト上での問い合わせなどが挙げられる。また、広く自社の商品・サービスを認知してもらうための活動も含まれるため、Web広告やSNS、SEO対策なども該当する。
営業およびマーケティングにおける顧客獲得プロセスは、まず「リードジェネレーション」でリードの情報を集め、営業活動の足がかりを築いたのち、獲得したリードを成約へとつなげるべく育成する「リードナーチャリング」を経て、最終的には購入意欲の高い層を選別する「リードクオリフィケーション」を行う。
なお、リードとは、「手がかり」や「きっかけ」という意味を持ち、マーケティングの世界では見込み顧客のことを指す。


リードジェネレーションの目的


リードジェネレーションの目的は、顧客の新規開拓である。顧客獲得のプロセスにおける初期段階として、まずは広く自社および自社商品・サービスを知ってもらい、さまざまな活動を通して潜在顧客や見込み顧客を発掘する。同時に、ターゲットとなる顧客層の興味・関心、ニーズ、行動履歴などを把握し、市場の動向を知ることも目的の一つ。リードを獲得した後は、次の段階であるリードナーチャリングへとつなげる。

リードジェネレーションのポイント


ターゲティング

リードジェネレーションにおいて重要なのは、リードの獲得数をただ増やすことを目標とするのではなく、最終的に成約へとつながる可能性の高いリードを効率的に抽出することである。そのためには、ターゲティングが欠かせない。まずは「誰に(顧客像)」「何を(自社商品・サービス)」「どのようにアプローチしていくか(施策)」を明確にし、リード獲得から成約までの計画を立てたうえで、ターゲットを絞り込む必要がある。

アプローチのタイミングとバランス

リードに対するアプローチ方法はさまざまであるが、メールやSNSのような直接のコミュニケーションを実施する場合、タイミングや頻度に注意が必要だ。基本的に、リードは自社及び自社の商品・サービスに関心を持ってはいるものの、過度なアプローチは逆効果となることも。そのため、サービスに関する有益な情報提供やメールなどを通して、直接的かつ積極的なコミュニケーションをタイミングよく行いつつ、インバウンドマーケティングのようなプル型のアプローチを併用するとよいだろう。待できる。


広告の運用とその関連性

自社の商品・サービスを認知していない潜在顧客や、ニーズが顕在化していない見込み顧客へのアプローチとして、広告の活用は有効な手段の一つである。ただし、リードの獲得数を増やすことだけを目標として闇雲に広告を打ちだしてしまうと、質の高いリードの獲得にはつながらず、かえって広告コストや顧客管理の手間がかかる可能性も。SEO対策やコンテンツ制作など、リード獲得のためのさまざまな活動と広告との間に関連性を持たせ、バランスよく運用することが大切である。

リードジェネレーションの具体例


SEO対策

SEO対策とは、Search Engine Optimization(サーチ エンジン オプティマイゼーション)の略で、自社サイトを検索結果の上位に表示させ、サイトへの流入を増やす施策のこと。SEO対策は、オンラインでのリードジェネレーションにおいて重要な活動の一つであるが、中長期的な戦略であるため、効果が表れるまで時間がかかる。ただし、適切に取り組むことで、自社のWebサイトやオウンドメディアへの自然流入が期待できる。


Web広告運用

Web広告とは、さまざまなWebサイトに掲載する広告のこと。代表的な種類は、ディスプレイ広告リスティング広告、SNS広告などが挙げられる。コストはかかるが即効性が高く、Web広告を経由して自社のWebサイトやランディングページなどに誘導することで、リードの情報を入手することが可能。また、リターゲティング広告を活用し、比較検討段階にあるリードへの再アプローチを行うのも効果的である。


コンテンツマーケティング

コンテンツマーケティングとは、消費者にとって有益なコンテンツを用いて潜在顧客のニーズを育成し、最終的に見込み顧客の顧客化してロイヤルカスタマーへの醸成を目指す活動のこと。インバウンドマーケティングの一つであり、ホワイトペーパーの提供やSNS配信のようにさまざまな手法が考えられるが、いずれもいかに顧客が求める情報を発信できるかがポイントとなる。


セミナー

セミナーは以前から行われてきた集客方法の一つであり、リードナーチャリングにも活用できる手法である。DXの急速な発展に伴い、オフラインでの開催だけでなく、オンラインでの開催(ウェビナー)も増えている。また、実施されたセミナーを録画し、動画コンテンツとして配信することも可能。

展示会

展示会への出店も、BtoBマーケティングにおいて重要な活動の一つである。展示会はテーマが設定されており、そのテーマに興味を持つリードが数多く訪れるため、質の高いリードを獲得しやすい場であるといえる。さらに、自社のブースに訪れた参加者との対話や、アンケートの実施、名刺交換などを通して、リードの情報やニーズを把握することも可能である。ただし、出店料がかかるため、費用対効果を検討する必要がある。

テレアポ

テレアポは、電話を用いて直接ターゲットにアプローチする、プッシュ型の営業手法である。内容は展示会やイベントのお知らせ、商品の資料送付の提案など。かつてはアプローチの量に重点が置かれ、企業によっては手あたり次第に電話営業を行っていたが、話を聞いてもらうことすら難しいケースが多く、非効率的であった。テレアポを行う際は、ターゲットを絞り、質の高いリードを見極め、効率的に実施することが大切である。

リードジェネレーションの事例


大手パソコンメーカーの場合

大手パソコンメーカーでは、自社PCブランドのオウンドメディアを立ち上げ、業務の効率化やワークスタイルの改革をめざす企業のための情報を継続して発信している。自社商品に関する情報だけでなく、ICTやワークスタイルに関して幅広く役立つコンテンツを提供することで、自社のPCブランドへの直接的な興味に関わらず、質の高いリードの獲得に成功している。

ソフトウェア会社の場合

BtoB向けMAツールを開発しているソフトウェア会社の場合、マーケティングへの関心が高いユーザーに向けて、ブログを通してさまざまな「お役立ち記事」を発信するとともに、記事を読んだユーザーへ向けて詳しい資料のダウンロードページを勧める流れを構築した。また、資料請求まで至らず、個人情報を獲得していないユーザー(アンノウンリード)に対するアプローチも実施している。たとえば、サイトへの再訪問時に関心度の高そうなコンテンツをポップアップで知らせたり、リターゲティング広告を活用したりして、再訪問を促している。

リードナーチャリングとの違い


リードナーチャリングとは、獲得した見込み顧客を顧客へと育てるため、有益な情報の提供などを行い、最終的に成約へとつなげる活動のこと。活動内容はリードジェネレーションと重なる部分もあるが、リードジェネレーションは顧客を獲得するプロセスの入口であり、次の段階であるリードナーチャリングへとつなげる流れが基本となる。つまり、未開拓ユーザーからリードを獲得するための戦略がリードジェネレーションであり、獲得したリードを顧客へと育成するための戦略がリードナーチャリングである。

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