ペイドメディアとは? 意味や種類、効果、メリット・デメリット


Writer:
山崎雄司
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ペイドメディア(Paid Media)は、広告主である企業が費用を支払って広告掲載するメディアのことである。

ペイドメディアとは


ペイドメディアは英語のpaid(支払われる)が語源となっており、広告主が費用を支払って広告掲載するメディアを指す。具体的には、リスティング広告をはじめとするWeb広告や、TV、ラジオ、新聞、雑誌といったマスメディア広告が該当する。また、イベントのスポンサーもペイドメディアに分類される。
ペイドメディアは、自社で管理・運営する「オウンドメディア/Owned Media)」、TwitterやFacebookなどのSNSに代表される「アーンドメディア/Earned media」と併せて「トリプルメディア」と呼ばれ、企業のデジタルマーケティング戦略の一つとして重要視されている。


ペイドメディアの種類


Web広告

・リスティング広告
リスティング広告は、検索エンジンの検索キーワードに連動して検索結果ページ上に表示される広告のこと。「検索連動型広告」や「PPC 広告(Pay Per Click)」とも呼ばれる。国内ではGoogle広告やYahoo!広告が提供するサービスである。検索結果ページの上部または下部の目立つ場所に表示され、URL の左側に「広告」と表記されるのが特徴。低予算で、興味・関心をもつユーザーにダイレクトに訴求でき、費用対効果が高い。
 
・ディスプレイ広告
ディスプレイ広告は、さまざまなWebページやアプリ上に表示される、画像や動画を用いたWeb広告のこと。「コンテンツ連動型広告」や「バナー広告」とも呼ばれる。配信枠が多いため、まだ課題やニーズに気付いていないような潜在顧客に幅広くアプローチすることができる。また、リスティング広告やSNS広告に比べてCPC(クリック単価)が低くなることが多い。


・ソーシャルメディア広告
ソーシャルメディア広告とは、Facebook、Twitter、Instagram、LINEなどのSNSプラットフォーム上で表示する広告のこと。タイムラインやストーリーズ、おすすめアカウント欄などに表示され、内容はテキストやバナー広告のほか、動画やカルーセル広告も増えている。ユーザー自身が入力した登録情報に基づく高精度のターゲティングが可能。


4マス媒体

マスメディア広告の代表的な掲載媒体として、テレビ、ラジオ、新聞、雑誌の4マス媒体が挙げられる。Webメディアが勢いを増してきた今でもなお、4マス媒体利用の顧客数は多く、なかでも年代の高い層ほど利用者が多いのが特徴。4マス媒体の歴史は長く、Web広告以上に人々の信頼を得やすい一方、費用が高額になることも。

セールスプロモーション広告

セールスプロモーション広告とは、Web広告や4マス媒体を除くオフライン広告全般のこと。たとえば、店頭POPや折り込みチラシ、DM、タクシー広告などが該当する。セールスの要素が強く、商品やサービスの認知拡大や購買意欲の促進を目的としている。そのため、ブランディングや認知度の向上といった目的で掲載する広告とは別のものとして考えられている。


ペイドメディアのメリット


ターゲットユーザーに広くリーチできる

ペイドメディアは、多くのユーザーが利用する媒体に広告を掲載するため、既存顧客はもちろん、潜在顧客や自社の商品・サービスを認知していない層まで幅広いユーザーにリーチでき、認知の拡大が期待できる。また、広告主が明確なターゲットを設定することで、特定のターゲットユーザーが利用する媒体を選んで直接広告を表示できるため、より効果的なリーチが可能だ。
 

即効性がある

ペイドメディアは、すでに多くのユーザーが利用している大手メディアに広告を掲載する。よって、広告費をかけることで露出機会がある程度担保された状態となり、集客面で即効性が高いといえる。

柔軟な予算管理が可能

ペイドメディアでは、広告主が予算に合わせて広告規模を調整できる。小規模から開始して徐々に規模を拡大したり、キャンペーンを行うことで異なるユーザーをターゲットにしたりといった柔軟な運用が可能。

迅速に効果検証が可能

Web広告の場合、キャンペーンの効果をリアルタイムで確認することができる。広告の表示回数やクリック数、CV(コンバージョン)数などのデータを分析し、広告のパフォーマンスを追跡し、すぐに成果を測定することが可能だ。


ペイドメディアのデメリット


費用がかかる

ペイドメディアは広告の掲載期間が決められているため、長期間出稿する場合は継続的に広告費が発生する。広告予算を十分に確保し、限られた掲載期間内で高い効果を得られるよう、費用対効果を検討することが重要である。

一方的なコミュニケーションになりがち

ペイドメディアは、企業主導の一方的なアプローチになりやすく、ユーザーと広告主である企業との間で双方向のコミュニケーションを取るのは難しい。そのため、ターゲット設定を明確に行わないと、広告内容に興味がないユーザーに対しても継続的に広告が表示され、不快感を与えてしまう場合がある。

競争が激しい

Web広告の場合、多くの広告主がペイドメディアを利用しているため、検索上位を狙うコンテンツの競争が激しくなる可能性がある。競合他社との差別化や、効果的な広告メッセージが求められる。

ペイドメディアを効果的に運用するポイント


目的の明確化

ペイドメディアを運用する前に、具体的な目的を明確にすることが大切だ。たとえば、ブランド認知の向上、リードの獲得など。あらかじめ明確な目標を設定することで、適切な広告戦略を立案し、結果を評価するための指標を設定しやすくなる。

ターゲットの特定

広告の対象となるターゲットを明確にする。たとえば地理的要素などの外部環境やユーザーの年齢層、興味・関心の度合、Web広告であればユーザーのアクセス履歴や購買履歴などを考慮して、最適なターゲットを特定する。

チャネルの選択

ターゲットに合わせて最適なチャネルを選択する。なお、ペイドメディア単体で活用するよりも、オウンドメディアやアーンドメディアと連携させることで、さらなる効果が期待できる。トリプルメディアを組み合わせ、お互いの弱点を補いつつ運用することが重要である。

メッセージの最適化

広告のメッセージやクリエイティブは、ユーザーのニーズや課題に対応し、魅力的な画像やビジュアルを使用するなど、ターゲットとなるユーザーに響くように最適化する。Web広告の場合は、CTA(Call to Action)を工夫して、クリック率やCVR(コンバージョン率)の向上を図ることも有効だ。


データの分析と継続的な改善

ペイドメディアの効果を評価するためには、データ分析を正確に行う必要がある。Web広告の場合は、ユーザーのクリック率や表示順位など、広告への反応がリアルタイムで把握できる。それを活用して、データに基づいた広告戦略やターゲット設定の見直しを行い、継続的に改善を図ることが重要である。

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