コスメ業界におけるCRMとは?現状と活用のポイントを解説


Writer:
山崎雄司
  • facebook
  • Twitter
  • LINE

コスメ業界にも浸透しつつあるデジタルマーケティング。業界の動向としては、コロナ禍の影響で化粧品の出荷数が一時的に減少し、売上が伸び悩んだ時期もありました。しかしアフターコロナの今、DXやイノベーションの加速化に加え、外出する機会の増加やインバウンド需要の回復に伴い、売上も再び上がっています。
今回の記事では、近年変化が著しいコスメ業界の現状と、CRMの活用法について解説します。

目次


1.コスメ業界の現状
 1. 市場規模及び需要
 2. コスメ業界の近年の動向
 3. コスメ業界における顧客獲得の難しさ
2.コスメ業界でCRMが注目される背景
3.コスメ業界が抱える課題とCRMを活用した解決法
4.コスメ業界でCRMツールを導入する際の注意点・ポイント
5.カスタマーリングスのサービスを紹介

コスメ業界の現状


市場規模及び需要


経済産業省によると、2022年の化粧品の国内市場規模は約8,500億円となっており、前年比でわずかに増加しています。2013年から2019年までは約1兆4,000億円から約1兆7,000億円の間で推移していましたが、2020年から2021年にかけて新型コロナウイルスの感染拡大の影響でインバウンド需要が実質無くなったことや、行動制限により化粧の機会が減ったことなどにより、大幅に減少となりました。
ただし、コロナ禍の期間でも輸出は拡大しました。2021年の輸出額はコロナ前の2019年と比較して約2,000億円の増加となり、2022年には中国のロックダウンの影響などを受けたため、わずかに減少となりました。
2023年以降は、新型コロナウイルス感染症が5類に移行したことによる外出機会の増加や、インバウンド需要の回復が見込まれることから、日焼け止めやメイクアップ用品の需要拡大が期待できます。

コスメ業界の近年の動向


近年のコスメ業界は、DXの加速化に伴い、オンライン販売がさらなる発展をし続け、特に越境ECが拡大しています。SNSからECサイトへとつなぎ、購買へ至るというルートも確立されています。同時に、韓国や中国の化粧品メーカーが続々と日本に市場を広げたことによって、特にアジア市場におけるグローバルな競争が激しくなっています。
商品・サービスとしては、顧客カウンセリングや個別の悩みに沿った商品の提供など、パーソナライズされた商品・サービスの需要増加が特徴といえるでしょう。
また、国内外の各企業がSDGsに取り組んでいますが、コスメ業界も環境に配慮した製品やエシカルな製造プロセスが好まれる傾向にあり、天然成分やリサイクル可能な包装を使用するブランドが注目されています。

コスメ業界における顧客獲得の難しさ


コスメ業界の市場は競争が非常に激しく、いわゆるレッドオーシャンです。上場企業から中小企業まで含めると、1,500社から2,000社存在するといわれているコスメ業界。さらに、化粧品市場はブランド同士が常時競い合っており、1つのアイテムに対して複数のブランドが乱立した場合、1ブランドの市場シェアは3%未満になるといいます。そのため、顧客を獲得するためには、他社との差別化を十分に図る必要があり、そのうえで、高品質かつ高機能な商品や、特徴的な商品などを展開することが重要です。

コスメ業界でCRMが注目される背景


コスメ業界でCRMが注目される背景として、コロナ禍の影響で対面での接客がしづらくなったことが挙げられます。それに伴い、ECサイトの重要性が高まり、顧客満足度をより高くし、どのくらいの価値を上げられるかといった「顧客体験」がフォーカスされるようになりました。そこで活躍するのがCRMツールです。CRMには、以下の機能があります。

・顧客情報を管理して分析
・顧客へパーソナライズされたサービスを提供できる

化粧品業界でCRMツールを導入するメリットは、氏名、年齢、性別、住所、購入履歴などの顧客情報を分析することによって個々のニーズを捉え、顧客の興味・関心に合わせたマーケティング施策を展開できることといえるでしょう。


コスメ業界が抱える課題とCRMを活用した解決法


ここでは、実際にカスタマーリングスCRMを導入したコスメ業界の企業事例を基に、コスメ業界が抱える課題とその解決法を解説します。

1.メール配信や顧客データがバラバラで、統合されておらず非効率であった


CRMツールには、メール配信業務を一元管理できる機能があります。CRM導入前は統合されていなかった顧客データやメール配信業務を一元化することで、効率化が進みます。ABテストの実施がスムーズになり、施策実行までのサイクルを迅速化できたという例も。また、ある美白化粧品企業では、LINE配信やメール配信のクリック率が大幅上昇し、LINEのクリック率は84%に達しました。


2.Excelを用いて集計・レポート作成していたため、データの加工にかなりの時間がかかっていた


データをExcel等で集計したり、加工したりすると手間がかかるうえ、手作業によるミスが発生することも。CRMの導入によって、商品別の継続率やRFが定期的に自動で集計できるようになるため、作業の効率化が図れます。ある化粧品企業では、効率化の結果、チーム全体で1日あたり8時間程度の時間を捻出できるようになりました。


3.ECカートの機能を利用してステップメールやメルマガなどを配信していたが、メールの分析は手動でやらざるを得なかった


メール配信業務をECカートに付帯している機能を利用している場合、分析は手作業になるため手間がかかり、本当に知りたいデータ分析まで到達できずに悩んでいるケースも。
CRMツールを導入すると、メールの開封率やクリック率を正しく把握できるようになるため、施策の継続の可否判断を迅速かつ的確にできるようになります。PDCAサイクルが回せるようになり、メールの到達率が3〜4ポイント上がった企業もあります。


4.商品にアンケートハガキを同梱するにとどまり、Webアンケートは一切実施しておらず、非効率であった


CRMツールの導入によって、オフラインで実施していた取り組みをオンラインで展開するという、掛け合わせの発想の実現も可能になります。
ある自然派化粧品企業では、顧客アンケートを、商品にアンケートハガキを同梱する方法で実施していました。しかし、ポストに投函する手間がかかることもあって、回収率がなかなか伸びなかったといいます。そこでCRMツールを導入し、アンケートをハガキからWebに移行したところ、回収率アップが実現。全体の1割ほどが戻ってくるようになりました。


5.基幹システムでメール施策や分析を行っていたため、メルマガの開封率やクリック率を測ることができなかった


基幹システムでメール施策や分析を行おうとしても、メルマガの開封率やクリック率を測るための工数が多く時間がかかりすぎるため、頓挫してしまうことも。CRMツールを用いれば、このような細分化された分析が容易にできるようになります。ある自然派化粧品企業では、分析を基にABテストでメールのタイトルの精度を高めてみたり、簡易エディターで文字の色付けをしたりと、メルマガ施策の改善につなげています。


6.流入チャネルごとの顧客動向の把握や、ニーズに合わせたメール送付ができていなかった


顧客数が多くない場合、基幹システムからデータを加工し分析を行うことも問題なく勧められますが、顧客数が増えるにしたがって、手作業での対応が難しくなっていきます。食品や化粧品を展開するある企業では、顧客数の増加に伴ってCRMツールを導入。定期契約している顧客の継続状況について、チャネル別、商品別、定期コース別に把握し、課題を分析することで新たな施策へとつなげることができました。
また、カスタマーリングスCRMツールは顧客理解に優れており、顧客一人ひとりのニーズにあわせたメール送付など、One to Oneマーケティングの実現が可能です。


コスメ業界でCRMツールを導入する際の注意点・ポイント


顧客一人ひとりに合わせた最適なアプローチが重要なコスメ業界では、CRMを活用したマーケティング施策が有効です。ここでは、導入時の注意点とポイントについて解説します。

1. 導入目的を明確にしておく


CRMの導入にあたって、実施したいことや目的を明確にしておくことが大切です。まずは、現状の把握と課題を洗い出したうえで、SNSやオウンドメディア上のチャットボットや、ステップメールの最適化など、具体的な目的を設定しましょう。そうすることで、必要な機能の絞り込みやツールの選定にも役立ちます。

2. データは常に新鮮な状態にしておく


顧客情報を一元管理するCRMツールは、重複したデータや古いデータが含まれていると、正しい分析ができません。顧客に間違った情報を届けてしまうリスクも発生します。たとえば、定期購入を解約している顧客に対し、定期契約者向けの情報を送ってしまうと信頼を失うことも。常に情報が最新のものであるかどうか確認することも重要です。
 

3. 継続的な活用で改善を図る


CRMは、顧客との継続的な関係構築を図るものであり、継続した利用が基本です。コスメ業界の社会的背景や顧客のニーズ、現場の声に応じて、CRMツールの使用方法や機能を定期的に見直しましょう。海外にも目を向けて業界のトレンドをリサーチし、改善すべき点を把握し実行することが大切です。


カスタマーリングスのサービスを紹介


コスメ業界では、顧客を深く理解してニーズを捉え、パーソナライズされた顧客体験を提供することが求められます。そのためには、データの活用が非常に重要になってきます。

データ活用に関する業務には多くの手間がかかるため、業務効率を向上し、効果の最大化を強力に支援するマーケティングプラットフォームの活用が欠かせません。

マーケティングプラットフォームにはさまざまな製品がありますが、顧客理解を深めるなら、「ITreview Best Software in Japan 2022(※)」に BtoC向けマーケティングオートメーションとして唯一選出された「カスタマーリングス」をおすすめします。

※ITreviewユーザーが支持した日本のSaaS・ソフトウェアのTop50製品を選出する、1年に1度の企画。ビジネスの最前線で注目を浴びているSaaS・ソフトウェアの中でも、特に満足度・認知度がともに優れた製品が選出されます。



データ統合から分析、メールやLINE、アンケート等の配信・管理までノーコードで実行でき、ECサイトやBtoCサービスを中心に11年・750社への導入を通じて進化を続けています。

使いこなすのが難しそう…」という場合でも、きめ細かな導入・活用支援メニューをご用意。伴走型の充実したサポートで自走までご支援していますので、ご安心ください。

メルマガ登録
  • facebook
  • Twitter
  • LINE