ソーシャルメディア広告とは?意味や種類、メリット、市場規模


Writer:
山崎雄司
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ソーシャルメディア広告とは、FacebookやInstagram、X(旧Twitter、以下X)などのソーシャルメディア(SNS)上に掲載する広告のこと。

ソーシャルメディア広告とは


ソーシャルメディア広告とは、InstagramやFacebook、X、YouTube、LINEなどのソーシャルメディアのプラットフォームに出稿する広告のことである。「SNS広告」と呼ぶこともある。

ソーシャルメディア広告の種類


X(旧Twitter)広告

X広告とは、企業や個人が、X上のタイムラインや検索結果に掲載できる広告のことである。Xは、10~20代など若年層のユーザーが多いのが特徴。ユーザーの嗜好もはっきりしているため、ターゲティングしやすい傾向にある。拡散力が高いうえ、広告のリポスト(二次拡散)については追加の費用等がかからないため、リポストしてもらえるような広告を配信することで費用以上の効果を得られる可能性も。

YouTube広告

YouTube広告とは、動画配信サイトのYouTube上で配信される動画形式の広告のこと。主な広告フォーマットとして、動画コンテンツの再生中に挿入される「インストリーム広告」や、画面右上のおすすめ動画の枠の最上部に表示される「ディスプレイ広告」、ホームフィードの上部に表示される「マストヘッド広告」などがある。動画コンテンツであるため、画像やテキストに比べて多くの情報を伝えやすい。


LINE広告

LINEの特徴として、ユーザーの男女比がほぼ同等であり、日本国内の多くの人に日常的に使用されている媒体である点が挙げられる。その特徴を活かし、ユーザーの目に留まりやすい広告配信が可能で、「LINE友だち」を利用した高精度のターゲティングも可能。
主な配信方法には、トーク一覧画面の最上部に掲載する「トークリスト」や、アプリ内の「ニュース」タブに表示される「LINE NEWS」での配信、動画コンテンツを配信できる「VOOM」タブでの配信などがある。

Instagram広告

Instagram広告は、タイムライン(フィード)やストーリーズ、発見タブに出稿が可能。デザイン性の高い画像や映像を使ったコンテンツが好まれ、特にファッション系、コスメ系などと相性が良い媒体である。低予算から出稿でき、既存の投稿(リール、ストーリーズ、フィード)を利用した広告配信ができるため、比較的手軽に出稿が可能。

TikTok広告

TikTok広告とは、動画プラットフォームTikTokを使って配信する広告。若年層や海外ユーザーが多く、他のSNSとの連動もしやすい。特徴的な広告形式に、企業側で特定のハッシュタグ(#)を用意し、ユーザーにそのハッシュタグを使って投稿してもらう「チャレンジ広告」がある。広告費は他のSNSに比べて高額の傾向。

Facebook広告

Facebookは、ビジネスパーソンの利用が多く、また実名で使用しているユーザーが多いため、精度の高いターゲティングができるのが特徴。クリック課金とインプレッション課金での出稿が可能で、広告費用はディスプレイ広告などのデジタル広告に比べて低予算で抑えられる場合が多い。ユーザーの年齢層は、他のSNSに比べて高めの傾向。

ソーシャルメディア広告のメリット


細かいターゲティング

ソーシャルメディア広告の大きなメリットは、年齢や性別、エリア、職業、趣味などによる細かなターゲティングが可能であることが挙げられる。たとえば、「20代女性×関東在住×ダイエットに興味がある」「IT業界に勤務×30代×グルメ好き」など、自社のサービスや商品を伝えたい層に、ピンポイントで広告を発信できる。

潜在顧客へのリーチ

ユーザーの属性や興味関心に加え、SNS上でのユーザー行動なども追跡することができる。そのため、潜在顧客の関心をより深く理解することができ、自社の商品やブランドを知らないという層にもアプローチしやすい。


低コストで始められる

SNSの種類や広告プランによっても異なるが、ソーシャルメディア広告は比較的低コストで実施できる場合が多い。予算の上限を設定して運用できる方法もあるため、スタートアップ企業や小規模な団体などでも気軽に出稿できる。

ユーザーに受け入れられやすい

興味関心に基づいた広告が表示される場合が多いため、ソーシャルメディア広告は比較的ユーザーに受け入れやすい傾向にある。また、思わず誰かに共有したくなるコンテンツを配信することで、ユーザー自ら拡散してもらえる可能性もあり、バイラルマーケティングの効果も期待できる。こうしてシェアされた広告は、よりユーザーに受け入れられやすい傾向にある。


ソーシャルメディア広告のデメリット


炎上のリスク

SNS広告は拡散力の高さがメリットである一方、注意したいポイントでもある。万が一不適切なコンテンツを配信してしまった場合、ユーザーからの批判が集まり、一気に企業やブランドイメージを悪化させるリスクもはらんでいるからだ。広告内容を慎重に検討し、ターゲットオーディエンスの価値観や感情を考慮したコンテンツ作りを意識したい。


SNSを利用しないユーザーに届きにくい

昨今SNSユーザーが増加しているといっても、媒体によっては利用している層に偏りがあることや、まったくSNSを利用しない一定数の顧客がいるということも考慮しておきたい。狙いたいターゲットがどのような手段で情報を得ているのか、あらかじめ確認しておく必要がある。

ソーシャルメディア広告のポイント


明確な目標設定

ソーシャルメディア広告を配信する目的を明確にする。「ブランド認知の向上」や「リード数の獲得」、「売り上げ増加」など、広告キャンペーンの目標を定める。

ターゲットの設定

広告を誰に向けて展開するかを明確にし、ターゲットオーディエンスの特性や行動パターンを深く理解する。

一貫したブランディング

ブランドのコンセプトに沿った広告制作を意識することも大切。自社サイトやソーシャルメディアの公式アカウントの持つ雰囲気や、トーン&マナーに則った、一貫した広告クリエイティブを作成する。それにより、ブランドとしての価値が高まり、新規顧客の獲得や認知度の向上につながる可能性も。広告が拡散されれば話題となり、「○○なら△△△だ」というブランド力の強化も図れるだろう。


魅力的なコンテンツ作成と配信

ユーザーを引き寄せる広告を作成するには、画像や動画のクオリティはもちろん、適切なフォーマットを選ぶことも大切だ。タイムライン上に配信するのかストーリーズで配信するのか、配信形式は動画形式にするのかカルーセルにするのかなど、配信方法の組み合わせもしっかり検討する。


効果的なCTAの設置

広告を見たユーザーに、次の行動を促す具体的な施策を考える。「今すぐ購入する」「資料をダウンロードする」「問い合わせをする」といった具体的な行動を喚起するCTA(Call To Action)を適切な場所に設置する。


効果的な広告配信

広告をより効果的に配信するために、ターゲット層が活発に使用しているプラットフォームを検討する。また、配信のタイミングも、ターゲット層がよりアクティブな時間を選択する。

定期的な分析と最適化

SNS広告の出稿後、CTR(クリック率)やCVR(コンバージョン率)、ROAS(広告費用対収益率)などの指標を定期的に分析する。キャンペーンの進行状況や成果を分析し、必要に応じて広告の設定やコンテンツを最適化する。


ソーシャルメディア広告の市場規模


総務省の「令和5年版 情報通信白書」によると、2022年のソーシャルメディア広告費は前年比112.5%の8,595億円となっており、国内のインターネット広告費全体の34.7%を占めている。

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