バイラルマーケティングとは?意味やポイント、メリット、成功事例


Writer:
山崎雄司
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バイラルマーケティングとは、主にインターネットやSNSにより、口コミを利用して情報を不特定多数に広まるよう仕掛けていくマーケティング手法のこと。

バイラルマーケティングとは

 
バイラルマーケティングとは、主にインターネット上の口コミやシェア機能を利用して、商品やサービスの宣伝を行う手法であり、有益な情報を人に伝えたくなるという人の心理を活用したもの。“Viral”は“Virus(ウイルス)”の派生語であり、ウイルスのように自然に広まっていくことを狙ったマーケティング戦略のことである。
 
 

バイラルマーケティングのポイント

 

魅力的なコンテンツ

誰もが思わず共有したくなるような魅力的なコンテンツを作ることが最も重要。何らかの感情に訴えかけるような独創的なコンテンツは、共有されやすい傾向にあるため、ユーモアや驚き、興奮など、感情的な要素を取り入れることが有効だ。
 

簡単な共有機能

コンテンツは簡単に共有できる形式であることが望ましい。たとえば、SNSへのシェアボタンの配置や短縮URLの生成、QRコードの使用などを活用する。これにより、共有する作業の負担が少なくなるため、共有のハードルが下がり、より簡単に拡散される可能性が広がる。
 

ターゲット層の明確化

年齢や性別、生活スタイル、価値観など、どういった層に訴えたいのかを明確にし、その層が興味を持ちやすいテーマやメディアでコンテンツを作成、発信する。たとえば、視覚に訴えるコンテンツで、かつターゲットが若年層であれば、InstagramやTikTokなどを用いるなど。
 

継続的なフォローアップ

一度拡散されたら、その熱を維持し拡大していくために、追加コンテンツやフィードバックを作成することも有効。これにより、顧客とのエンゲージメントを保ち、関心を持続させることができる。
 

計測と分析

シェア数、再生数、クリック数など、どれだけ拡散したか、どのような影響があったかを計測する指標を事前に設定し、効果を分析しながら次の戦略につなげる。季節性やトレンドの変化により、反応の度合いが変動する可能性があるため、一定期間ごとの変動をチェックすることが大切だ。
 
 

バイラルマーケティングのメリット

 

低コスト

マスメディアなど従来の広告手法と比較して、初期投資が少ない場合が多い。広告代理店や出版社、インフルエンサーなどに対する費用が発生しない場合は、コンテンツの制作代に費用を集中させることができる。
また、一度拡散することができれば、追加の広告費をかけることなく多くの人々にメッセージを長期間届けることができる可能性がある。
 

広範なリーチ

バイラルコンテンツは、たとえばテレビ離れによりテレビCMを見る機会が減っている若年層など、従来の広告が到達しにくい層にも瞬時に広がる可能性がある。また、顧客から潜在顧客へと、予測していない顧客にリーチできる可能性があるため、広範なターゲットへのアプローチも可能。
 

信頼性の向上

友人や知人などの信頼できる人が、面白い、有益だと感じて推薦や共有をしたものは、企業が直接伝える広告よりも、情報を信頼してもらえる可能性が高い。それにより、企業への信頼も向上する可能性がある。
 

エンゲージメントの向上

バイラルマーケティングにおいては、消費者が積極的にコンテンツを共有し、コメントを残すため、エンゲージメントが高まる場合が多い。
 

ブランド認知の拡大

成功したバイラルマーケティングは、ブランドの認知度や評価を一気に爆発的に高めることができる可能性がある。
 

SEOの向上

コンテンツが多くのWebサイトやブログで取り上げられることで、検索エンジンのランキングが向上する可能性がある。


長期的な効果

一度成功したコンテンツは、長期間にわたってインターネット上で共有され続け、認知が継続する可能性がある。

バイラルマーケティングのデメリット


予測の難しさ

どのキャンペーンが爆発的に広がるかは予測が難しいため、多くの努力や資金をかけた内容が必ずしも成功するとは限らないという予測の難しさがある。

コントロールの難しさ

情報が一度拡散されると、ブランドや企業がその情報をコントロールすることが難しくなる。誤った情報や不適切な内容が拡散されるリスクもあることを、念頭に置いておきたい。

バイラルマーケティングの成功事例


菓子メーカーの場合

もともとテレビCMで放映していた「ガムを持って踊るダンス」を、有名アイドルグループや俳優を起用してX(Twitter)で動画投稿した某菓子メーカー。すると、「踊ってみた動画」を、多くの若者が真似して投稿し、知名度が上昇した。
さらに、再生回数が一番多かった「ガムを持って踊るダンス」の動画投稿者に、景品をプレゼントするコンテストを実施。ユーザー自身が積極的に自身の投稿動画を宣伝することで景品に近づけるという仕組みにした。結果的に、動画の投稿や再生回数が増え、知名度の向上や売り上げにつながった。

旅行代理店の場合

ある旅行代理店はInstagramに公式アカウントを開設し、旅と写真に相性が良さそうな女性層にターゲットを絞ってコミュニティを作ることに成功。オリジナルのハッシュタグを使った投稿を増やし、45万以上のInstagramの投稿と4万人以上のフォロワーを獲得した。

バズマーケティングとの違い


バイラルマーケティングは人から人へ自然にプラスの評価が伝わっていくための仕掛け作りであるのに対し、バズマーケティングは、人為的に人々の注目を集め、話題の総量を増加させることを目的とするものである。

 



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