デジタルキャンペーンとは?メリット、手順、ポイント、成功事例


Writer:
山崎雄司
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デジタルキャンペーンとは、デジタルメディアやデジタルプラットフォーム上で実施されるキャンペーンのこと。

デジタルキャンペーンとは


デジタルキャンペーンとは、SNSやWebサイトといったデジタルメディアやプラットフォームなどを活用して実施するマーケティングキャンペーンのこと。購買や契約を促したり、商品やサービスの認知度を高めたりするために行われることが多い。また、キャンペーン参加者の顧客情報を獲得することを目的とする場合もある。企業やブランドがオンライン上で認知度を高め、顧客との関係を構築し、ビジネスの拡大を目指すための重要な手法の一つである。


デジタルキャンペーンのメリット


ターゲットへの効果的なアプローチが可能

デジタルメディアを使うことにより、集めた顧客情報を基にした精緻なターゲティングを行うことができる。たとえば、自社の商品やサービスに関心があるターゲット層を中心として、それぞれの購買フェーズによって特典を使い分けるといったキャンペーンを実施することが可能。特定のターゲット層に向けて最適化したアプローチを行うことは、キャンペーンの成否を握る重要な要素といえるだろう。

測定と分析

デジタルキャンペーンはデジタルメディアを使う性質上、クリック率の高い広告や流入が多かったメディアの種類、参加者の年代や居住地域など、キャンペーンに関するあらゆる情報を収集・測定し、分析することが可能だ。それによりキャンペーンの効果を定量的に評価し、分析結果を基にキャンペーンの改善や最適化を行っていくことで、より高い効果を得ることができる。

リアルタイム性

デジタルメディアは、刻一刻と変化するオンライン上の状況をリアルタイムで把握することが可能である。キャンペーン開始直後から、サイトへのアクセス状況や返信率など、ユーザーの行動をリアルタイムで測定することで、市場の変化やトレンドを見抜き、必要な対応をスピーディーに実施できる。状況に応じてキャンペーンの内容や配信方法を、迅速かつ柔軟に、リアルタイムで最適化できることは、デジタルキャンペーンの効果を最大化するための強みといえる。

低コスト

従来の広告媒体は、コストがかかるうえに変更が難しいものが多かった。しかし、デジタルキャンペーンはデジタルメディアを用いるため、比較的低コストで実施できるうえ、キャンペーンの最適化にも柔軟に対応できるなど、高い費用対効果が期待できる。また、ターゲティング精度が高いことも、限られた予算内でキャンペーンの効果を最大化するポイントといえるだろう。SNSやオウンドメディアなどをうまく活用することで、潜在顧客を含めた幅広いユーザーを低コストで取り込みやすいのも、デジタルキャンペーンならではのメリットといえる。


デジタルキャンペーンのデメリット


媒体や活用方法を間違えると効果が出ないことも

デジタルキャンペーンに多く用いられるSNSは、ユーザーの特徴や媒体の特性が媒体ごとに大きく異なる。そのため、使用する媒体を間違えると効果が半減してしまうことも。たとえば、比較的若年層の利用率が高いInstagramやTikTokといった媒体に中高年向けの商品やサービスのキャンペーンを打ち出しても、ターゲット層がいないため効果が出ない可能性が高い。また、デジタルメディアやデジタルプラットフォームは急速に変化しているため、担当者が活用方法を理解していないと十分な効果を発揮できないこともある。用いる媒体の特徴とキャンペーンを打つシステムについて十分理解したうえで取り組むことが必要である。


フェイクニュースや誤情報

インターネット上ではさまざまな情報が飛び交っており、その真偽が明らかでないものも多い。そのためフェイクニュースや誤情報が拡散しやすく、デジタルキャンペーンもその影響を受ける場合がある。間違ったキャンペーン情報が拡散されてしまったり、当落に関わるフェイクニュースなどが炎上してしまったりすると、キャンペーンの主催者である企業自体の信用に大きく影響することも。新しい情報を投下した場合は、その後の拡散状況や情報の変化にも注意を怠らないようにしたい。

デジタルキャンペーンの6つのステップとポイント


明確な目標設定

まずは具体的な目標を設定し、何のためにキャンペーンを実施するのかを明確にすることが重要である。たとえばブランド認知の向上を目的とした場合と、リード獲得数の増加を目的とした場合では実施すべき施策も違ってくる。まずは見込み客の獲得や個人データの収集、購買促進などといった大まかな目標を設定し、そこから必要な要素を導き出して具体的な目標に落とし込んでいこう。そのとき、リード数やWebサイトのトラフィック数、CVR(コンバージョン率)など、どの数値に着目して効果測定を行うかも併せて決めておくとよい。


ターゲットにあったコンテンツ制作

デジタルキャンペーンの大きなメリットは、不特定多数ではなく、キャンペーン効果が期待できる特定のターゲットを選定できることだ。収集したデータを活用し、ユーザーの年齢や居住地域といった属性や購買行動のパターンなどを分析することで、商材に合わせてターゲティングの精度を高めるのがポイント。そのうえで、ターゲット層の興味関心を引く最適なコンテンツを制作しよう。

ユーザーを引き付けるコンテンツ

提供するコンテンツや広告は、ユーザーを引き付ける魅力的なものであることが欠かせない。たとえば、ユーザーが「どうせ当たらない」と思うような当選人数や、魅力的でない景品では多くの情報の中に埋もれてしまう。パッと見たときにユニークさやインパクトを感じる内容にするなど、期待値を高めるようなクオリティの高いコンテンツを制作しよう。ユーザーが参加したくなる企画によってユーザーエンゲージメントを高め、キャンペーンの効果の向上につなげたい。

マルチチャネル戦略

一つのチャネルに依存した展開ではなく、マルチチャネル戦略を採用することで幅広いユーザーにアプローチすることも大切である。たとえば、Webサイトで応募するキャンペーンの参加条件にSNSでのシェアを組み込むことで高い拡散効果が期待できる。ユーザーが自然に拡散してくれるような仕組みを作ると、費用対効果の高いキャンペーンを展開することが可能だ。SNSやオウンドメディアなどで質の高いコンテンツを提供するとともに、メールマーケティングやSEMなども組み合わせ、より広範なユーザーとの接点を増やしていくことができる。


インタラクティブ性

一方的なキャンペーン展開ではなく、ユーザーとの双方向コミュニケーションを促進し、ユーザーエンゲージメントを高めることも重要だ。たとえばアンケートを設置したり、ユーザーの参加を促すようなゲームを盛り込んだりといったインタラクティブコンテンツを制作することで、自社とユーザーとの関係性を深めることができる。なお、キャンペーン内に質問などを設ける場合は、複雑なものや手間のかかるものは避けられやすい傾向にあるため、選択式などの答えやすい質問にするとよい。


測定と分析

キャンペーンの開始直後からデータを集計できることも、デジタルキャンペーンならではのメリットだ。キャンペーンの効果を定量的に計測し、リアルタイムでの効果検証によって改善点を洗い出すことで、キャンペーンの最適化や次回以降の施策に活かしていく。その際は、広告のクリック率やCVR(コンバージョン率)などの指標を追跡し、キャンペーンの成功要因や改善点を把握しよう。このとき、最初に設定した目標や数値に沿って、達成度を計測することも大切だ。客観的な数値を用いたデータ分析をもとに、コンテンツ内容や広告の配信方法、媒体等が適していたかを分析し、よりよい成果を得るために継続的な努力を惜しまないことが重要である。

デジタルキャンペーンの成功事例


LINEを使ったキャンペーン

ある自治体では、イベントを盛り上げるための施策の一環として、LINEを活用したデジタルキャンペーンを実施した。期間中に同自治体のLINE公式アカウントを友達追加したユーザーのなかから抽選で500名にお菓子をプレゼントするというもので、わずか2日で2万人を超える新規登録者を獲得し、イベント周知に大きく寄与した。幅広い年齢層が利用するLINEを使ったことがキャンペーン成功の要因といえるだろう。

アプリを使ったキャンペーン

ある飲料メーカーは、広告に頼らないデジタルな接点を持つことを目的として、スマートフォンアプリを独自に開発。アプリをダウンロードしたうえで同メーカーの自動販売機で飲料を購入するとスタンプを付与され、15個たまると同社の製品1本と交換できるドリンクチケットを獲得できるというものだ。これにより効率的に顧客データを収集・管理できるようになり、個々のキャンペーンが打ち出しやすくなったという。また、アプリ上で歩数計と連動し、指定の歩数を歩くだけでドリンクがもらえるというウォーキングイベントを開催した際には、800万人を超える参加者を集めた。アプリのダウンロードによって顧客情報の収集を可能にし、ターゲットに合わせたデジタルキャンペーンを展開することで多くのユーザーを獲得した好例といえるだろう。

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