デジタルマーケティングで役立つ代表的な資格9選


Writer:
山崎雄司
  • facebook
  • Twitter
  • LINE

ECサイトで買い物をすることが日常となった昨今、EC事業へ進出する企業も増加し、デジタルマーケティングへの取り組みは欠かせないものとなっている。デジタルマーケティングの関連資格はキャリアアップだけでなく就職でも活用できるため、取得する意義は高いといえるだろう。今回は、戦略的なデジタルマーケティングに役立つ代表的な資格を紹介していく。

目次


1. デジタルマーケティングが注目される理由
2. デジタルマーケティングに必要な知識・スキル
3. デジタルマーケティングで役立つ資格9選
4. デジタルマーケティングの資格は次のような人におすすめ
5. 資格を通じてマーケティングを体系的に理解しよう

デジタルマーケティングが注目される理由


マーケティングとは、顧客に商品を選んでもらうまでに取り組むプロセス全体のことであり、そこにデジタル技術を組み合わせたものをデジタルマーケティングという。たとえばオンライン上でのプロモーションや、オンライン上での行動履歴等のデータ収集、販売促進のためのデジタル媒体チャネル(SNS、メール、スマホアプリ)などが該当する。
消費者の生活もデジタルシフトが進み、デジタルマーケティングの重要性はますます高まっている。デジタルマーケティングは、オーガニック検索、SNS、インターネット広告、WebサイトなどのWeb媒体を通じてユーザーと接触し、認知度を高めることで新規顧客の開拓につながる。そして、集めたユーザーのオンラインデータを分析することで、収益の向上やCVR(コンバージョン率)の改善に役立てることができる。
こうした背景の下、企業はデジタルマーケティング戦略に多くのリソースを割り当てるようになってきており、現在はデジタルマーケティングに精通した人材があらゆる企業で求められている。


デジタルマーケティングに必要な知識・スキル


では、デジタルマーケティングを実施するにあたり、どのような知識やスキルが必要なのであろうか。以下4点について、一つひとつ見てみよう。

マーケティング知識


デジタルマーケティングの前提として、マーケティングの基礎知識を持っていることは重要である。マーケティング書籍を読むと出てくるような基本用語は押さえておきたい。その上で、顧客のニーズを分析し、顧客が求めている商品・サービスの提案や、顧客を引き付ける広告を立案するための知識が必要である。

情報収集能力


常に情報が更新されていくデジタルマーケティングの分野では、業界や顧客の動向に目を向け、最先端の情報をキャッチできるようにアンテナを張っておくことが重要である。流行や変化を捉え、SNSやインフルエンサーの発信などから情報収集を行い、顧客ニーズを掘り起こすことができる情報収集能力が求められる。また、数か月単位でより優れた機能をもつツールやノウハウが現れることもあるため、システム面の最新情報の収集も重要である。

IoTやAIの知識


デジタルマーケティングは、ビッグデータやスマートスピーカー、サイネージなどを活用し、あらゆるデジタルデータを組み合わせて総合的に行われる。また、今後のデジタルマーケティングでは、AI(人工知能)の需要が高まると予想される。そのため、それらの機器や機能を扱えるIoTやAIの知識が必須である。


クリエイティブスキル


デジタルマーケティングでは、デジタルコンテンツの制作が鍵となる。クリエイティブには正解が存在しないが、類似商品との差別化を図るための工夫や、顧客に商品やサービスの魅力を伝えるための多角的な視点、流行やライフスタイルの変化に対応できる柔軟な発想力が求められる。広告のデザインやライティングを含め、クリエイティブスキルは重要である。

デジタルマーケティングで役立つ資格9選


それでは、デジタルマーケティングに役立つ資格を9つ紹介していく。

1.マーケティング・ビジネス実務検定®


◎費用:
・マーケティング・ビジネス実務検定®A級 受験料:12,760円(税込)
・マーケティング・ビジネス実務検定®B級 受験料:7,480円(税込)
・マーケティング・ビジネス実務検定®C級 受験料:6,270円(税込)
・A級・B級併願 受験料:20,240円(税込)
・B級・C級併願 受験料:13,750 円(税込)
◎主催:国際実務マーケティング協会®(IMSSA/ International Marketing Skill Standardizing Association)

マーケティング実務の知識を客観的に判定するための検定試験。「マーケティング知識」「マーケティング事例」の2つの分野について出題され、試験の勉強を通してマーケティング理論、実務知識や時事情報、実務事例などを体系的に習得できる。マーケティング・ビジネス実務検定®A級に合格すると「IMSSA認定マーケティング実務士」の資格が与えられる。

2.ネットマーケティング検定


◎費用:6,000円(税込)
◎主催:サーティファイ Web利用・技術認定委員会

インターネットでビジネスに関わる、あらゆる業種・職種を対象とした検定試験。Webマーケティングの特性といった基本的な内容から、広告やWebサイトの構成、SEO、リサーチ、関連法規まで、網羅的に学ぶことができる。試験問題は40問で、全て択一選択式(4択)で出題。前半は基礎的知識を問う基本問題、後半は実際に業務を進める際のシチュエーションを想定した事例問題で構成される。オンラインでの受験が可能。

3.ウェブ解析士


◎費用:
・ウェブ解析士
[認定講座を受講する場合] 33,000円(税込)※テキスト代、講座費用、試験費用込
[認定講座を受講しない場合] 22,000円(税込)※テキスト代、試験費用込

・上級ウェブ解析士
88,000円(税込)※講座費用、試験費用込

・ウェブ解析士マスター 
[マクロ解析レポートコース] 110,000円(税込)
[ミクロ解析レポートコース] 110,000円(税込)
[講師養成コース] 220,000円(税込)
◎主催:一般社団法人ウェブ解析士協会

ウェブ解析士とは、”アクセス解析をはじめとしたウェブ解析データを活用し、デジタルマーケティングを通して事業の成果を導く人材“(公式サイトより抜粋)のこと。基礎から応用まで各段階があり、毎年学習内容が更新されている。ウェブ解析の他、コンサルティングスキルも身に付けられる。
資格取得の流れは、ウェブ解析士認定試験公式テキストを購入のうえ、認定講座を受講(任意)したのち、ウェブ解析士認定試験となる。ウェブ解析士の資格取得後は、さらに上位の資格である上級ウェブ解析士やウェブ解析士マスターの取得に挑戦できる。

4.Webアナリスト検定


◎費用:要問い合わせ
◎主催:JWA(日本Web協会)及び協会認定運営会社

Webアナリストとは、”Webサイトのアクセス解析のデータ、市場動向、トレンド等、さまざまなマーケティング情報を分析し、企業の業績向上に導いていく役割を果たすことのできる人材“(公式サイトより抜粋)と定義されている。この検定試験では、Googleアナリティクスを体系的に学ぶことができ、ウェブサイトの分析や改善のスキルを身に付けることができる。

5.IMA検定(Internet Marketing Analyst検定)


◎費用:
・Standard 19,800円(税込)
・Professional 19,800円(税込)
◎主催:一般社団法人IMA研究所

ウェブマーケティングの知識全般を身に付けることができる検定試験。サイト分析やリスティング広告運用など、より実務に即した知識習得ができるカリキュラム・試験が用意されていることが特長。具体的な講義内容は、インターネットで集客し、その結果をアクセス解析し、改善策のレポートを作成、実行するという実務スキル全体を学ぶものである。講義、試験ともにオンライン受講が可能。

6.統計検定(Japan Statistical Society Certificate)


◎費用:検定種別によって異なるため要確認
◎主催:一般社団法人 日本統計学会(認定)、一般財団法人統計質保証推進協会(実施)

統計に関する知識や活用力を評価する全国統一試験。マーケティングに限らず、データに基づいて客観的に判断し、科学的に問題を解決する知識や能力を身に付けられる。アクセス解析のみでなく、幅広い分野で広く活用できる。近年では、マーケティングの前提知識としてこの資格を取得するマーケターも増えている。

7. Google アナリティクス個人認定資格(GAIQ)


◎費用:無料
◎主催:Google

“Google アナリティクスに習熟していることを証明したいと考える個人のための資格”(公式サイトより抜粋)である。試験内容は、プロパティの設定及び構成、各種レポートツールや機能の使い方など。
Google アナリティクス初級者向けコースGoogle アナリティクス上級者向けコースを完了ししたのち、スキルショップにて無料で受験が可能。資格には有効期間があり、合格後12ヶ月となっている。Googleアナリティクスの基本的な知識や仕組みを理解し、それを運用する能力が身につく。

8. Google 広告認定資格


◎費用:無料
◎主催:Google広告

Google 広告に関する基礎及び上級レベルの知識を持つ個人に授与される資格であり、Google に認められたオンライン広告のエキスパートであることを証明できる。現在取得できる Google 広告の認定資格は以下の 11 種類
・Google 広告「検索広告」
・Google 広告ディスプレイ
・Google 広告動画
・ショッピング広告
・Google 広告アプリ
・Google 広告測定
・Google 広告「検索広告」プロフェッショナル
・Google 広告「ディスプレイ広告」プロフェッショナル
・Google 広告動画プロフェッショナル
・Google 広告クリエイティブ
・オフライン販売の促進
なお、資格の有効期間は合格後12ヶ月であり、再取得するには再び試験に合格する必要がある。

9.Yahoo!広告キャンパス


◎費用:無料
◎主催:Yahoo!広告
広告の基礎からYahoo!広告の運用に関することまで体系的に学ぶことができ、認定資格の取得も可能な無料のオンラインプログラムである。
認定資格には「Yahoo!広告 ベーシック」「Yahoo!広告 検索広告アドバンスト」「Yahoo!広告 ディスプレイ広告 アドバンスト」の3種類があり、初心者から経験者まで幅広く学べる学習コンテンツを提供している。なお、資格の有効期限は合格後12ヶ月であり、再取得するには再び試験に合格する必要がある。


※上記資格の費用等については、2023年9月時点の情報で記載しているため、実際に検討および利用する際には公式ホームページを要確認。


デジタルマーケティングの資格は次のような人におすすめ


デジタルマーケティングに関連する資格は、マーケティングを体系的に学ぶことができ、スキルアップや就職にも役立つ。下記のような条件にあてはまる方には、ぜひ取得をおすすめしたい。

1. マーケティングに携わる人


すでにマーケティングに携わっている人にとっては、さらに知識を身に付けることで、業務範囲の拡大が期待できる。業務だけでは身につかない体系的な知識を学べるうえ、資格の取得によって自身のスキルの証明にもなる。

2. マーケティングの仕事をしたい人


近年では、デジタルマーケティングを取り入れる企業が増加しており、資格取得の過程で知識を深めておくと実際の仕事に直接役立つ。また、就職や転職の際、資格の保有が知識を持っていることの客観的な証明になるため、有利に働く可能性も。


資格を通じてマーケティングを体系的に理解しよう


あらゆる分野でデジタルマーケティングの需要が高まり、多くの企業がデジタルマーケティング担当者を必要とする近年、業務に活かせる資格を持つことは大きな強みとなる。マーケティングを行う上で資格は必須ではないが、資格取得を通してデジタルマーケティングを体系的に理解し、目標に向かって学ぶことでモチベーションの維持にもつながる。時代に合わせて常に進化し、デジタルマーケターとして長期的な成功を収めていくためにも、ぜひ資格の取得を検討してみてはいかがだろうか。

メルマガ登録
  • facebook
  • Twitter
  • LINE