マーケティング戦略とは?意味や戦略の立て方、フレームワーク


Writer:
山崎雄司
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マーケティング戦略とは、顧客を分析しニーズを明確にし、自社の状況もみながら、「商品を市場(顧客)にどうアプローチし、購買につなげていくか」を策定するプランのこと。

マーケティング戦略とは?


マーケティング戦略とは、一般的には「誰に」「どんな価値を」「いくらで」「どのように」提供するかを軸として計画を立てることを指す。モノが溢れる現代において、どのようにすれば他社と差別化を図り、消費者にとって魅力的な付加価値を提供できるか考え計画することで、企業の限られた経営資源の最適化を図ることを目標とする。
マーケティング戦略を立てずに経験や直感などに頼っていると、経営資源を無駄にしてしまう事も少なくない。データ分析を行うことで、顧客のニーズを理解し、ニーズに合った商品を提供でき、効率的に売り上げを伸ばすことができる。

マーケティング戦略の立て方


1. 内部・外部環境分析(3C分析、PEST分析、SWOT分析、5フォース分析)

マーケティング戦略を立てる際、まず行うのは自社を取り巻く外部環境や自社の内部環境を分析することである。外部環境の分析では、顧客や市場、競合、経済や社会状況といった自社を取り巻く外部を分析し、自社の立ち回りを検討する。内部環境の分析では、自社の経営資源を洗い出し、現状を可視化させ、強みと弱みを分析することで課題を明確にする。
それぞれの具体的なフレームワークについては後述する。


2. セグメンテーション・ターゲティング・ポジショニング(STP分析)

次に、企業や商品についての方針を決定する。その際に有効なフレームワークがSTP分析だ。
STP分析は、誰に何を売るかを導き出すためのフレームワークである。まず市場の細分化(セグメンテーション)を行い、ターゲットとなる顧客層を明確にする。そのセグメンテーションを元に、自社の強みが最も発揮されると予想できる市場を絞っていく(ターゲティング)。それによって決定した市場において、自社の立ち位置を決定する(ポジショニング)。最後に、事前の環境分析の結果も踏まえ、たとえばどのように顧客に自社の優位性を伝えて認識してもらうか、といった具体的な戦略に落とし込んでいく。


3. バリュープロポジション

バリュープロポジションとは、企業が顧客にどのような価値(value)を提供できるかを表すもの。
具体的には、「顧客が求める価値」「自社が提供できる価値」「競合他社が提供していない価値」が重なる領域、すなわち競合他社にはない自社独自の価値を見つけ、この領域を意識したマーケティング活動を実施する。
 

4. マーケティングミックス(4P分析)

マーケティングミックスとは、STP分析で具体化した自社の働きかけるべき対象に対して、効果的な施策を立案する過程のこと。戦略の具体化には4P分析が用いられる。4Pとは、マーケティングにおいて重要な「製品(Product)」「価格(Price)」「流通(Place)」「プロモーション(Promotion)」のこと。これらを統合的に捉え、それぞれのフレームワークやツールを組み合わせる。


マーケティング戦略における代表的なフレームワーク


3C分析

3Cとは、顧客・市場(Customer)、競合(Competitor)、自社(Company)の3つの頭文字から取ったもの。これらの視点から分析することで、自社およびブランドの主要成功要因(Key Success Factor/KSF)を見つけ出し、戦略を練るフレームワークである。現状の把握に重点が置かれるため、マーケティング戦略の立案プロセスにおいては、主に環境分析の役割を担う。


PEST分析

3C分析における「顧客・市場(Customer)」の分析手法の一つで、自社ではコントロール不可能な外部環境(マクロ環境)を分析する際に用いられる。
マクロ環境を「政治的要因(Politics)」「経済的要因(Economy)」「社会的要因(Society)」「技術的要因(Technology)」の4つの要因から分析し、自社にとって何が「機会」となり何が「脅威」となりうるかを把握する。


SWOT分析

SWOTはStrength(強み)、Weakness(弱み)、Opportunity(機会)、Threat(脅威)の4つの頭文字を取ったもの。SWOT分析ではこれらの要素を用いて、自社の現状を内部環境と外部環境に分け、さらに内部環境のプラス要因である「強み」とマイナス要因の「弱み」、外部環境のプラス要因である「機会」とマイナス要因の「脅威」の4項目に整理し、クロス分析を行う。


5フォース分析

業界内における自社の競合要因(脅威)を「業界内での競合」「新規参入業者」「代替品」「売り手の交渉力」「買い手の交渉力」の5つの要素に分類し、競合各社や業界全体の現状を分析し、収益を上げるために何が必要かを判断するためのフレームワーク。自社を取り巻く外部環境のなかで、自社である程度コントロールできるもの(ミクロ環境)を分析する手法である。


4P分析

4Pとは、Product(製品・サービス)、Price(価格)、Place(流通)、Promotion(販促活動)のこと。これらの要素をもとに「何を」「いくらで」「どこで」「どのように」売るのかを導き出すために活用される。詳細は前述のとおり。

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