顧客データを売上改善につなげるための具体的な10のステップ


Writer:
山崎雄司
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売上を維持し伸ばしていくためには、自社の商品・サービスを利用してくれる顧客にはどのような特徴があるのか、また、どのような人のニーズにマッチしているかなど、自社の顧客を深く理解する必要があります。そのためには顧客データを活用する必要がありますが、どのように活用したら売上につながるのか悩む方もいるかもしれません。また、売上向上のために、見込み顧客を獲得したいと考える方もいることでしょう。
この記事では、顧客の種類、見込み顧客に対する適切なアプローチ、獲得した顧客データの活用などを通して売上向上へとつなげる方法を解説していきます。

目次


1. そもそも顧客の種類とは?
2. 売上改善における見込み顧客の重要性
3. 見込み顧客に購入してもらうための8つの方法
4. 新規顧客を獲得した後に、さらに売上向上するための2つのステップ
5. 深い顧客理解を支援するCRM/MAツール「カスタマーリングス」
6. まとめ

そもそも顧客の種類とは?


顧客には、自社の商品やサービスの回数や利用期間、支払い金額などによってランク付けされる形で、いくつかの種類があります。顧客の種類によってニーズも異なるため、アプローチ方法も変えなくてはなりません。ここでは、一般的な顧客の種類について解説します。

1.潜在顧客

潜在顧客とは、自社の商品やサービスをまだ知らない、もしくは自分たちのニーズが顕在化していない顧客のことを指します。潜在顧客は母数が多いので、獲得できるかどうかが売上拡大の鍵となります。


2.見込み顧客

見込み顧客とは、自社の製品やサービスをすでに認知していて、何らかのアクションを起こしたことはあるものの、まだ利用や購入に至っていない顧客のことです。リード(Lead)とも呼ばれます。
見込み顧客が商品・サービスのことを認知してから購入や利用に至るまでは「認知」「興味・関心」「比較・検討」「購入」の4段階で示され、前者2つは「潜在顧客」に分類されることもあります。後者2つは「顕在顧客」とも呼ばれ、見込み顧客の中でも商品・サービスへの関心が高い層を指します。

3.優良顧客

優良顧客とは、短期的に売上を作る顧客だけでなく、広い視点で売上に貢献してくれる可能性の高い、またはリピート率が高い、自社に利益をもたらす顧客のことを指します。たとえば、購入額の大きい顧客や来店回数の多い顧客、積極的な口コミを投稿する顧客、影響力のあるインフルエンサーなどが含まれます。企業やブランドに対する愛着心が高いのも、優良顧客の特徴の一つといえるでしょう。


売上改善における見込み顧客の重要性


見込み顧客は、新規顧客獲得のきっかけとなる重要なターゲットであり、自社の今後の売上を左右する顧客層といえます。適切なアプローチにより、見込み顧客から既存顧客、さらには優良顧客へとナーチャリング(育成)することで売上を改善し、自社全体の収益を高めることにつながります。
見込み顧客の調査や分析を行うと、以下のようなメリットが生まれます。

・商品やサービスがニーズに合っているか確認できる
・ニーズを捉えて売上改善が見込める
・マーケティング施策の反省点が見える

これらのメリットについて、それぞれ詳しく見ていきましょう。

1. 商品やサービスがニーズに合っているか確認できる

顧客情報を分析することで、自社の商品やサービスが顧客のニーズに合っているかを確認でき、商品・サービスの品質や顧客満足度の向上へとつなげていくことができます。

2. ニーズを捉えて売上改善が見込める

さまざまな切り口から分析することで、顧客のニーズを的確に捉えられるようになります。そして、顧客ニーズに沿った商品やサービスを提供することで、売上の改善が期待できます。また、売上が伸びにくい商品・サービスについても、分析を通してその理由を把握することができるので、具体的な改善策を立案できます。

3. マーケティング施策の反省点が見える

データ分析の結果、効果があまり得られないと判断した施策を中止し、より有効な手段へと切り替えることができるため、施策の効率化やコストダウンにつながります。

見込み顧客に購入してもらうための8つの方法


見込み顧客に購入を促し、顧客化を図るための8つ方法について、流れに沿って解説します。

1.ニーズの理解

見込み顧客に購入してもらうためには、見込み顧客が抱えている問題や課題を理解し、それらを自社の商品・サービスで解決できる、ということを伝える必要があります。まずは見込み顧客の悩みを顕在化し、どのようなものをどの程度求めているかといったニーズを把握することが大切です。

2.タイミングの見極め

顧客が商品・サービスを購入するにあたって、いわゆる購買サイクルというものを理解しておく必要があります。顧客データを収集・分析し、ターゲットの購買サイクルを把握したうえで、購入を促す最適なタイミングを見極めましょう。

3.パーソナライズされたコンテンツ

顧客はそれぞれの置かれている生活環境が異なり、価値観やニーズも多様化しています。そのような背景のもと、見込み顧客に認知され、ファンになってもらうためには、個々のニーズや興味・関心を把握し、顧客一人ひとりにあわせてカスタマイズされたコンテンツを提供することが重要です。双方向のコミュニケーションやパーソナライズされたコンテンツを通して自社に愛着をもってもらうことで、良好な顧客関係の継続も期待できます。

4.信頼関係の構築

長期的に、かつ定期的に利用してもらうためには、見込み顧客との間に信頼関係を築くことが必要です。信頼関係を構築する手段について、以下に解説していきます。

1.【オフライン】テレマーケティング

架電によるコミュニケーションのことです。見込み顧客に対して架電によるアプローチを行うだけでなく、購入後のきめ細かいフォローを行うことで、信頼感と安心感を与えられます。

2.【オフライン】DM(FAX・郵便など)

近年のペーパーレス化に伴い、DMを郵送する機会は減っていますが、このような時代だからこそ、あえてDMを郵送し丁寧な対応を心掛けると、企業やブランドに対する好印象につながります。

3.【オフライン】セミナー・展示会

セミナーや展示会のような、直接対面できるイベントを実施することも、信頼関係の構築につながります。

4.【オンライン】リスティング広告

リスティング広告は、ユーザーの関心や嗜好に合わせて広告が表示されます。そのため、自社への興味・関心の度合いが高い見込み顧客に対してオンライン表示されるため、効果的なアプローチといえます。

5.【オンライン】メールマーケティング

メールを中心としたコミュニケーションを図るため、見込み顧客一人ひとりのニーズに合ったコンテンツを、適切なタイミングで届けることができます。定期的なメール配信を継続することで見込み顧客をナーチャリングし、購買意欲を育みます。

6.【オンライン】コンテンツマーケティング

コンテンツマーケティングとは、読み手にとって価値あるコンテンツを提供することで見込み顧客のニーズを洗い出し、購買につなげていく手法です。たとえばオウンドメディアで企業やブランドの価値を発信しつつ、見込み顧客の悩みに寄り添ったコンテンツを制作するのがポイントです。

7.【オンライン】ウェビナー・オンライン展示会

コロナ禍で定着したウェビナーやオンライン展示会は、見込み顧客が気軽に参加できるイベントです。場所を選ばずにオンラインでの参加を促せるため、積極的に案内することをおすすめします。

8.【オンライン】プレスリリース

プレスリリースとは、企業やブランドが発信する新しい商品やサービスの情報についての公式文書のことです。拡散力が高いため、見込み顧客の発掘につながります。自社の従来の商品・サービスと違う点など、訴求できるポイントを忘れずに掲載しましょう。

新規顧客を獲得した後に、さらに売上向上するための2つのステップ


見込み顧客を育成して新規顧客の獲得を達成した後も、さらなる売上の向上を図る必要があります。ここでは、2つのステップについて解説します。

1.新規顧客を維持する

1.売上データを分析する

売上データを分析することで、現状を客観的に把握できます。そこから、売上の維持や向上につながる要因を抽出し、改善点をより具体的にイメージできるようになります。

2.顧客データ分析を行う

大量に蓄積されていく顧客データをセグメントし、分析を進めていくと、顧客ごとの行動の特徴や今後の見通しに関するヒントを得られます。具体的には、以下のような内容が考えられます。

・獲得できているターゲット層/現状獲得できていないターゲット層
・継続的な関係が期待できる優良顧客/アプローチの頻度を低くしてもよい顧客
・顧客ごとの購入傾向

これらのヒントを得るためには、以下のような分析方法があります。知りたい内容や施策に合わせて、最適な分析方法を選択しましょう。

・セグメンテーション分析:各市場における顧客層とニーズを把握したいとき
・デシル分析:顧客をランク分けし、アプローチの優先順位を決めたいとき
・RFM分析:収益につながる優良顧客を抽出したいとき
・NPS®:商品・サービスに対する愛着や信頼の度合いを計りたいとき
・LTV分析:貢献度の高い顧客層の抽出やコストの見直しをしたいとき
・行動トレンド分析:シーズンごとの顧客行動や売れ筋を把握したいとき
・決定木分析:顧客行動の傾向を分析し、見える化を図りたいとき
・CTB分析:顧客の購入動向を予測したいとき
・相関ルール分析:同時に売れる商品・サービスを把握したいとき

各分析方法の詳しい内容については、こちらの記事をご覧ください。


2.優良顧客を育成する、維持する


見込み顧客から新規顧客になってもらったあとは、優良顧客へと育成していきます。そのためには、顧客が企業やブランドに対し、長期的に愛着を持ってもらえるような施策を考えなくてはなりません。
たとえば優良顧客のみを対象としたキャンペーンなど、いわゆるお得意様のみが利用できるような商品・サービスを定期的に実施すると、特別感を持ってもらうことができます。このように、他の顧客層との差別化を図ることで、優良顧客の維持につながるでしょう。

また、優良顧客の育成・維持を図る際は、数値やデータのみで捉えないようにすることが重要です。定量データと定性データを連動させ、可視化することによってさまざまな気付きを得て、顧客をリアルな存在として実感できるようになります。こうしてデータを立体的に捉えることで、顧客の深い理解へとつながるのです。


深い顧客理解を支援するCRM/MAツール「カスタマーリングス」


顧客のさまざまなデータを分析し、「生きた顧客像」を把握するためには、顧客理解に強みを持つツールを導入するのが効果的です。
顧客データの分析結果を可視化し、顧客をより深く理解できるツールとして、「ITreview Best Software in Japan 2022(※)」に BtoC向けマーケティングオートメーションとして唯一選出されたCRM/MAツール「カスタマーリングス」をおすすめします。

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まとめ


この記事では、売上向上における見込み顧客の重要性について解説してきました。見込み顧客へのアプローチとして、インバウンドマーケティングやオンライン・オフラインでのイベントなどを活用し、見込み顧客の抱えている課題の解決につながる商品・サービスの提案を行います。そして見込み顧客を顧客化した後、さらに優良顧客へと育成し維持を図っていくわけですが、その過程で顧客分析を的確に使い分け、各フェーズの顧客一人ひとりの悩みや課題に寄り添い、最適なアプローチを実施する必要があります。そのためには、ツールを活用して「生きた顧客像」に迫り、顧客理解を深めることが重要です。
顧客の信頼を得て、長期的に良好な関係を築いていけるよう、積極的に優良顧客を育成していきましょう。

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