インバウンドトラフィックとは?意味や増やす方法、アウトバウンドトラフィック
- Writer:
- 山崎雄司
インバウンドトラフィックとは、ネットワークを流れるデータのうち、外からWebサイトやオンラインプラットフォームに入ってくるデータや、そのデータ量のことを指す。
インバウンドトラフィックとは
英語ではインバウンド(inbound)は外から中へ向かう流れ、トラフィック(traffic)は交通量などのことを意味する。インバウンドトラフィックとは、ネットワーク上を流れるデータのうち、外部から特定のWebサイトやオンラインプラットフォームに入ってくるデータやその量のこと。つまり、Webサイトを訪問する際に、ユーザーのブラウザからサイトへ流れたアクセスがインバウンドトラフィックになる。なお、通信業界ではコンピュータが外部から受信するデータそのものをインバウンドトラフィックと呼ぶこともある。
インバウンドトラフィックソース(種類)
検索エンジンからのトラフィック
ユーザーが、検索エンジンで特定のキーワードを検索した際に表示された検索結果一覧や関連情報などからWebサイトを訪問した場合のトラフィックのこと。オーガニックトラフィックともいう。検索上位になるほどインバウンドトラフィックも増える傾向にある。
ソーシャルメディアからのトラフィック
XやInstagram、Facebookといったソーシャルメディアプラットフォームに張られたリンクからのWeb流入や、共有からWebサイトを訪問した場合のトラフィックのこと。ソーシャルメディアのキーワード検索を利用して、商品購入者の声を自身の購入の参考にするユーザーも増えており、そこからのインバウンドトラフィックの増加も期待できる。
コンテンツマーケティング
ユーザーが興味関心を持ちそうなブログ記事や動画、インフォグラフィックといった質の高いコンテンツを提供し、興味をもったユーザーがWebサイトを訪問した場合のトラフィックのこと。一方的に自社商品の宣伝を送り付けるのではなく、有益な情報を提供することで、顧客とのコミュニケーションを深め信頼関係を構築しながら、インバウンドトラフィックにつなげる。
リファラルトラフィック
主要な検索エンジンなどからではなく、他のWebサイトやブログ記事などからのリンクを経由してWebサイトを訪問した場合のトラフィックのこと。他サイトからの被リンクや、バックリンクといわれるものからのトラフィックを指す。このトラフィックは他のWebサイトからの紹介という性質上、潜在的顧客を誘導しやすいうえ、遷移先のWebサイトへの信頼性を高める効果も期待できる。
ペイドトラフィック
広告キャンペーンやリスティング広告、Google AdWordsなどの検索エンジン広告といった有料コンテンツからWebサイトを訪問した場合のトラフィックのこと。費用は掲載期間や種類によって低価格なものから高価格なものまで幅広いため、費用対効果を見極めながら戦略的な計画を立てて利用することが大切である。
インバウンドトラフィックを増やす方法
コンテンツの品質向上
コンテンツの質を高め多くのユーザーに閲覧してもらうことで、インバウンドトラフィックを増やす。コンテンツは読みやすい文章構成であることを心がけ、写真や動画なども駆使して見やすいページを制作することが大切。ユーザーが定期的に閲覧したくなるような高品質で有用なコンテンツを提供しよう。
SEO(検索エンジン最適化)
インバウンドトラフィックの多くは、検索エンジンからの自然流入である。そのためにWebサイトやコンテンツのSEOを最適化させ、検索エンジンでのランキングを向上させるための施策が欠かせない。適切な検索キーワードの選定や内部リンクの構築、表示スピードの向上など上位表示のための工夫を行い、検索結果の1ページ目に入ることを目指したい。
ソーシャルメディア活用
ソーシャルメディアは、今や信頼できる情報源として消費者の多くが利用しているコンテンツだ。ソーシャルメディアトラフィックの増加は、必然的にWebページの閲覧数に結びつく可能性が高い。コンテンツの共有や、コメントへの返信といったフォロワーとのコミュニケーションを心がけ、関係性の構築を目指すことが大切。ハッシュタグの活用や定期的なコンテンツ更新も、ソーシャルメディアトラフィックの増加につながり、インバウンドトラフィックの増加に寄与する。
メールマーケティング
サイト訪問者や顧客へのメールマーケティングも、インバウンドトラフィックを増やす方法のひとつだ。たとえば、自社のターゲットリストをもとに、コンテンツ更新のお知らせや、定期的なニュースレター、メール受信者へのキャンペーンを実施するといった方法で、Webサイトに誘導し、インバウンドトラフィックを増やすきっかけを作る。ただし、一方的な宣伝になってしまったり、頻度が適度でなかったりすると、受信者に嫌悪感を抱かれてしまう可能性もあるため、配信内容や頻度には留意したい。
オンライン広告
Google AdWordsやソーシャルメディア広告といったペイド広告を活用して、自社のターゲットを対象に広告表示させる方法も、インバウンドトラフィックを増やすのに有効だ。広告キャンペーンは即時性が高く、効果測定を元にした修正もリアルタイムで行うことができるため、迅速にトラフィックを増やしやすい。ペイド広告は期間や種類によって費用が異なるため、計画的に利用したい。
リファラルトラフィックの増加
インフルエンサーや業界関連のWebサイトとの提携などにより、他のWebサイトからのリンクを増やすことができる。特にリファラルトラフィックの増加は検索エンジンからの評価にもつながるため、積極的に取り組みたい施策のひとつである。
コンテンツの共有と促進
自社のWebサイトにおいて、ソーシャルメディアへの共有ボタンや「いいね」ボタンを設置し、訪問者にコンテンツを共有してもらいやすい工夫を施そう。ただ訪問を待つだけではなく、コンテンツ更新のタイミングやキャンペーン期間などに合わせて、フォロワーやターゲット層に通知することも、インバウンドトラフィックの確保につながる。
コンテンツの最適化とA/Bテスト
Webサイトのコンテンツやランディングページは、作ったら終わりではない。閲覧数やCV率などを定期的に分析し、必要に応じて修正改善を施そう。また、広告成果の比較ができるA/Bテストなどを実施し、訪問者のCV率を向上させることも重要だ。ユーザー体験の向上のためにも定期的にWebページの最適化を行っていくことが望ましい。
リンクビルディング
リンクビルディングとは、ほかのWebサイトから受ける「被リンク」を獲得する取り組みのことをいう。前述の通り、多くの被リンクを獲得することにより、検索エンジンにおける評価が上がるため、インバウンドトラフィックを増やすための有効な取り組みである。被リンク獲得のポイントは高品質なコンテンツの提供や、明確なタイトルといった、一目で有益と判断されるページ作りだ。即効性は少ないものの、ページの信頼性が上がるため、インバウンドトラフィックの持続性に期待ができる手法といえる。
インバウンドトラフィックとインバウンドマーケティング
インバウンドマーケティングは、顧客目線に立った有益な情報提供や価値のあるコミュニケーションをもって信頼関係を築いていくことを主眼として行うマーケティング手法のこと。一方的に宣伝を送り付けるのではなく、消費者との関係構築の中で自発的なアクションを促し、購買意欲やブランドへの愛着心を高める。その手法として、有益なコンテンツ作成や共有、SEOの最適化やソーシャルメディアの活用などを行うため、結果的にインバウンドトラフィックを増やすことにも繋がる。
キャンペーン用のWebサイトや、特定のコンテンツへの訪問者数の増加は、インバウンドマーケティングの効果を測定する指標にもなるため、インバウンドトラフィックの増加は、インバウンドマーケティングの一つの成果としてみなされる場合もある。
アウトバウンドトラフィック
ネットワーク上を流れる情報のうち、外部から内部へのデータの流入を意味するインバウンドトラフィックに対し、アウトバウンドトラフィック(Outbound Traffic)とは、内部から外部に向かうトラフィックのことを指す。たとえば、特定のWebサイトやプラットフォームから他のWebサイトやリンク先へ誘導するものや、ブラウザからサーバーに対する要求の送信などがそれにあたる。