IMP(インプレッション)とは? 意味やカウント方法、PV・リーチとの違い
- Writer:
- 山崎雄司
IMPとは、Web広告が表示されること、または表示される回数を指す。「インプ」または「imps」と表現することもある。
IMPとは
IMPは、刻印や痕跡を意味する「impression」の略だが、デジタルマーケティングの世界では、Web広告や投稿が表示された回数を表す。FacebookやTwitterといったSNSでは、ユーザーのタイムラインに広告や通常の投稿が表示された回数をIMPとしてカウント。YouTubeでは、動画のサムネイルが表示された回数を1IMPとしてカウントする。
IMPの測定方法
リクエストベース
リクエストベースは、アドサーバー(リクエスト先のWebサーバー)へのアドリクエスト回数をIMPとしてカウントする方法。従来からある方法で、多くのアドサーバーで用いられている。ただし、広告主による設定等の影響で必ずしも表示に至らない場合もあるため、この測定方法ではIMPを正確に把握できない可能性があり、注意が必要。
OTSベース
OTS(Opportunity To See)ベースとは、上記のようなリクエスト数ではなく、実際に広告が表示された回数を測定する方法。1×1ピクセルのビーコンと呼ばれるものを広告に含め、ビーコンのリクエスト回数をカウントするため、リクエストベースよりも正確に測定することができる。
IMPを把握する目的
表示数の把握
IMPを把握する大きな目的は、自社のWeb広告やSNS投稿などがどのくらいのユーザーに見られているかを知るためである。表示された回数から広告がどの程度の影響を生んでいるのかを確認し、より魅力的で効果のある広告や投稿を打ち出すための指標になる。
CTR(クリック率)の把握
IMPの把握は、Web広告がクリックされた回数を示すCTR(Click Through Rate/クリック率)の把握にもつながる。Web広告やSNSなどの投稿は、最終的にコンバージョン(CV)につなげることが目的であるため、これらを評価する際にはCTRの把握が不可欠だ。CTRは以下の計算式で求める。
CTR(%)=クリック数÷IMP×100
IMPを増やす方法
広告予算やキーワードを見直す
IMPを増やすための最も単純な方法の一つは、広告予算を増やすことである。ただし、予算には限りがあるため、IMPが伸びないからといってすぐに予算を増やすことは難しいだろう。その場合は、競合の少ないキーワードを設定すると、安価で上位表示を狙うことができ、余った予算で他のキーワードを設定することも可能だ。ただし、キーワードの選定においては、検索ボリュームが少なすぎたり、ネガティブな印象を与えるキーワードを設定したりしないよう、ユーザーのペルソナを意識しつつ最適なキーワードを探りたい。
広告ランクを上げる
広告の質を評価する「広告ランク」(Google)や「オークションランク」(Yahoo!)を上げることも、検索ページにおける表示順位を上げることにつながるため、IMPの増加を図ることができる。広告ランクは、推定クリック数や、キーワードと本文の関連性、キーワードと遷移先LP との関連性といった要素が評価対象になる。
IMPと類似する用語
PV
IMPは広告が表示された回数を表すのに対し、PV(ページビュー)はユーザーがWebページを閲覧した回数を指す。つまりPVは、広告の有無に関係なくWebページが閲覧された回数をカウントするものだ。たとえば1つのWebページ内に広告が2つ表示された場合、PVは1、IMPは2となる。なお、PVのカウントはWebサーバーが行うが、IMPはアドサーバーがカウントする。
IMPとPVの関係は以下の式で表すことができる。
IPM=PV×1ページあたりの広告掲載数
リーチ
リーチ(Reach)とは、Web広告や投稿が表示されたユーザーの数を示す。一人のユーザーが2回同じWeb広告を閲覧した場合、リーチは1、IMPは2となる。IMPとリーチの関係は以下の式で表すことができる。
IMP=リーチ数 × 一人あたりの広告表示数
エンゲージメント
エンゲージメントは、表示されたWeb広告や投稿に対してユーザーが起こしたアクションの総数を指す。たとえばSNSの場合、エンゲージメントには「いいね!」やコメント、シェア数などをカウントする。
CPM(インプレッション課金)とvCPM
CPM(インプレッション課金)
Web広告の費用対効果を測る指標の一つに、IMPに応じて課金されるCPM(Cost Per Mille/インプレッション課金)がある。IMP1,000ごとに課金される仕組みで、計算式は以下の通り。
CPM=広告費÷IMP×1,000
ビューアブルインプレッションとvCPM
ビューアブルインプレッションとは、広告がユーザーにしっかり認識されてはじめてカウントするIMPのこと。メディアやデジタル業界の自主規制機関であるMRC(Media Rating Council)とIAB(Interactive Advertising Bureau)が定めたガイドラインによると、ディスプレイ広告の場合、広告面積の50%以上が1秒以上(動画の場合は2秒以上)表示されたときに、視認可能とみなす。部分的にしか表示されなかった場合や、一瞬しか表示されなかった場合は、ユーザーに認識されなかった可能性が高いとしてカウントに含めないため、ビューアブルインプレッションを用いることでより精密な把握が可能になる。このビューアブルインプレッションが1,000回表示されるごとに発生する広告費をvCPM(viewable Cost Per Mille)という。