ダイレクトレスポンス広告とは? 意味やメリット、媒体の種類、ポイント


Writer:
山崎雄司
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ダイレクトレスポンス広告とは、ユーザーからの直接的なレスポンスを得ることを目的とした広告のこと。「レスポンス広告」とも呼ばれる。

ダイレクトレスポンス広告とは


「ダイレクト(direct)」は「直接」を意味し、「レスポンス(response)」は、「反応」や「応答」を意味する。その言葉の通り、ダイレクトレスポンス広告とは代理店や問屋・販売店などを介さず、ユーザーからの直接的なレスポンスを得ることを目的とした広告のことである。この場合の「レスポンス」とは、ユーザーが企業に対し、直接注文や申し込み、問い合わせ、資料請求といったアクションを起こすことを指す。
Web広告においては、ほとんどがダイレクトレスポンス広告である。たとえば、ユーザーが広告をクリックすることで商品・サービスの詳細ページに遷移し、ユーザーが直接購入や申し込みを行うといった流れが多くみられる。また、Web広告だけでなく、はがきや手紙を用いたダイレクトメールや、折り込みチラシ、メールマガジンなどもダイレクトレスポンス広告に含まれる。ダイレクトレスポンス広告を活用することで、商品やサービスの購入、サイトへのアクセス、リードの獲得などのコンバージョン(CV)を得ることを目指す。

ダイレクトレスポンス広告のメリット


成果を測定しやすい

ダイレクトレスポンス広告は、ユーザーの直接的な反応を得ることを目的としているため、出稿した広告に対してどの程度の問い合わせや商品購入があったか、具体的な数値を正確に把握しやすい。数値が可視化できれば費用対効果も確認できるので、効率よくCVが獲得できているのか、広告を継続するか中断するかなどの判断もしやすいこともメリットだ。
さらに、商品購入や資料請求を行ったユーザー層も把握できるため、ターゲットの絞り込みにも役立つ。

CVに直結する

ダイレクトレスポンス広告では、ユーザーが問い合わせや購入に向けて行動しやすいように、たとえば「電話でもご注文受け付け中」といった文言を載せて他のチャネルを案内したり、QRコードを読み取るよう促す記載をしたりして、購入へと直結する導線を引く。この導線があることで、CVにつながりやすい。

ダイレクトレスポンス広告のデメリット


情報量が多く見にくい場合がある

ダイレクトレスポンス広告は、広告を閲覧したユーザーが直接CVに至ることを目的としているため、より多くの情報を限られた広告スペースに掲載することになる。すると、必然的に情報量が多くなり、複雑化し見にくくなりやすい。その結果、ユーザーが商品やサービスの購入方法を見落としたり、イメージの悪化につながったりする場合も。情報過多な広告はかえって購買行動を遠ざけてしまう可能性があるため、極力シンプルなデザインを心がけたい。

ユーザーに不快感を与える可能性がある

広告表現の主張があまりに強いと、押し売りされているかのような印象をユーザーに与えてしまうことも。こうした広告によるマイナスイメージは、ブランド自体に対する嫌悪感につながってしまう恐れがある。たとえばWeb広告の場合、画面上を動くような広告や、サイズが大きすぎる広告を掲載してしまうと、ユーザーにとって目障りに感じる場合があるため、広告の表示方法やサイズを事前に検討して調整することや、ユーザー側で広告を閉じることができるボタンをわかりやすく配置するなどの対策が必要である。

ダイレクトレスポンス広告の媒体


ダイレクトレスポンス広告は、Web広告をはじめ手紙やはがきによるダイレクトメール、チラシ、ポスティング広告、新聞、雑誌、テレビ広告など、さまざまな媒体で活用されている。商品やサービスの内容、またターゲティングの属性や行動パターンによって効果的な媒体が異なるため、オンライン・オフラインを問わず幅広い選択肢から最適な方法を選ぶことが大切だ。また、1つの媒体だけでなく、複数の媒体を組み合わせて運用する「クロスメディアマーケティング」も有効である。

ダイレクトレスポンス広告のポイント


ターゲットを明確にする

ダイレクトレスポンス広告は、大衆向けよりも、ピンポイントでターゲットにアプローチする際に効果が高い。近年はユーザーが多様化しているため、具体的に誰に向けての広告なのかを明確にしておく必要がある。ユーザーが「自分に合っている」「自分のためにある広告だと感じるようなターゲットを絞った広告が有効となってくる。たとえば、ユーザーによる検索ワードの情報から、サービスや商品を買いたいと思っているユーザーを絞り込み、ターゲットを抽出することなどが考えられる。
 

ターゲットに合った媒体選び

ターゲットを明確にした後は、そのターゲットがどのような媒体に触れているかをリサーチする。また、ターゲットの属性(年齢、性別など)に合わせて出稿する媒体を選び、それぞれ広告の展開方法を検討する。

キャッチコピーを工夫する

インパクトがあり、思わず行動を起こしたくなるようなキャッチコピーを掲載することが大切になる。たとえば、広告を見た人に「もっと内容を知りたい」と思わせるため、広告を閲覧したユーザーの購買欲を刺激するようなストレートな表現の言葉を使用することなどが考えられる。

ネクストステップを明確にする

広告を見たユーザーが、次に何をすれば購入可能かといったネクストステップを明確にする必要がある。たとえば、「電話をする」「クリックをする」「フォームに回答する」「さらに詳しく」「今すぐ登録」など、何をすべきかを正確に伝える短くてシンプルなCTAボタンをデザインし、目立つ場所に設置する。

ダイレクトレスポンス広告とブランディング広告の違い


ブランディング広告(ブランド広告)は、企業の商品やサービス、ブランドの認知拡大、ブランドのイメージアップを目的とした広告のことで、イメージ広告とほぼ同じ意味で用いられることもある。テレビや新聞などのマスメディアを媒体とすることが多く、最近ではインターネット上でも積極的に取り入れられている。商品やブランドのイメージ作りや認知度向上に貢献するものであるため、購入を促すような直接的なメッセージやアピールは出さない。つまり、ダイレクトレスポンス広告がユーザーに購入や問い合わせ等のアクションを起こしてもらうことを目的とした直接的なアプローチであるのに対し、ブランディング広告はユーザーにブランドの独創性や世界観への共感や憧れを抱いてもらうことを重視している。

ダイレクトレスポンス・マーケティング(DRM)


ダイレクトレスポンス・マーケティング(DRM)は、広告に対して何かしらの反応があったユーザーに対して直接アプローチを行うマーケティング手法である。まずは見込み客(リード)を集客したのち、より興味を持ってもらうために商品の使い方などの情報を提供してリードを育成し、実際に販売へと移行していく流れとなる。
具体的な施策例としては、ECサイトであればユーザーの検索ワードと広告主が設定したキーワードがマッチした時に、そのユーザーに対して広告を表示する。テレビショッピングの場合は、商品に関心を持ったユーザーを対象に、気軽に申し込める無料サンプルや資料請求の問い合わせを促すなどが考えられる。自社のサービスや商品に興味を持ったユーザーを対象とするため、成約率が高いのが特徴だが、中長期的な運用が必要となる。

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