リーチとは?意味やカウント方法、インプレッションやエンゲージメントとの違い


Writer:
山崎雄司
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デジタルマーケティングにおけるリーチとは、インターネット広告(Web広告)の成果を測定する指標のひとつで、ある期間にインターネット広告をどれだけの人が閲覧したかを示す。またはその割合のこと。

リーチとは

 
リーチ(Reach)は「届く距離(範囲)」「広がり」「(~に)達する」などと訳すことができ、デジタルマーケティングにおいてはWeb広告の到達度のことを指す。リーチを多く獲得することで、認知の拡大やフォロワーの増加につながり、広告効果の最大化が期待できる。
もともとマスメディア全般で多く用いられてきた指標であるが、最近ではInstagramやFacebookなどのSNSを活用したマーケティングでも使用されている。
 
 

リーチのカウント方法

 
リーチはインターネット広告を閲覧したユーザーの人数であるが、カウントする際には端末ごとの識別となる。そのため、1人のユーザーが1台の端末を通して3回同じ広告を閲覧した場合でも、カウント数は「1」となる。ただし、1人のユーザーが端末を2台以上所持している場合は、端末の数がユーザー数としてカウントされるため、たとえば1人のユーザーがスマートフォンとパソコンで1回ずつ同じ広告を閲覧した場合、実際には閲覧者が「1人」だがカウントは「2」となる。
 
 

リーチとUU(ユニークユーザー)

 
UU(ユニークユーザー/Unique User)とは、一定期間の中でサイトに訪れたユーザーの人数を表す指標。リーチと同様で、ユーザー1人に対して1カウントとなる。つまり、同じ人物が何度も同じページを訪れたとしてもUUは「1」とカウントする。
UUの集計は、IPアドレス、ホスト名、Cookieの3つのデータが用いられることが多く、これらはアクセス解析ツールを介して取得する。リーチの場合は端末ごとのカウントだが、UUは端末だけでなく、異なる検索エンジンを利用した場合も、それぞれカウントが発生する。
なお、アクセス解析ツール「Googleアナリティクス」では、UUは「ユーザー」と表記され、Cookieを用いて集計される。ページ訪問者がCookieを有効にしていない場合はカウントされないため、ユーザー数(UU)は必ずしも正確な人数ではないという点を押さえておきたい。
 
 

リーチと類似する用語

 

インプレッション(IMP)

インプレッションとは、ユーザーにWeb広告が表示された回数のことで、「imp」や「imps」などと表される。SNSでは、ユーザーのタイムラインに広告や通常の投稿が表示された回数をIMPとしてカウントする。また、1人のユーザーが3回同じ広告を閲覧した場合、リーチ数は「1」、IMPは「3」となる。

セッション

セッションとは、ユーザーがあるサイトに訪問し、離脱するまでの回数を表す。たとえば、1人のユーザーが特定期間内に同じサイトへ2回訪問した場合、セッション数は「2」とカウント。なお、Webサイト内で複数のページを回遊したとしても、セッションが途切れない限りカウントは「1」となる。セッションが終了するきっかけとしては、時間によるもの(日付の変わるタイミングや、30分以上操作されなかった場合など)や、キャンペーンの切り替わりなどが挙げられる。
 

フリークエンシー

フリークエンシーは、1人のユーザーが、そのWeb広告を何回閲覧したかを示す。インプレッションと混同されやすいが、インプレッションはユーザー数を問わず広告が表示された回数を示すものであり、フリークエンシーはユーザー1人当たりの広告表示回数を示す。
リーチとIMP、フリークエンシーの関係は以下の計算式で表せる。
 
フリークエンシー=IMP÷リーチ数
 
 

PV

PV(ページビュー)は、Webページが閲覧された回数のこと。たとえば、1人のユーザーが同じサイトへ2回訪問し、同じ広告を2回閲覧した場合、リーチは「1」、IMPは「2」、PVは「2」となる。なお、PVは広告の有無に関わらずカウントされるため、Webページに広告が掲載されていなかった場合、リーチやIMPは「0」となる。
 

エンゲージメント

主にSNSマーケティングで使用される指標で、広告や投稿に対するユーザーアクションの回数のこと。たとえば、Twitterではツイート内のURLのクリック数や、「いいね」の数、プロフィールのクリック数などが、エンゲージメントとしてカウントされる。ただし、広告が表示されてもユーザーアクションが得られなかった場合、リーチは「1」、エンゲージメントは「0」となる。
 

リーチを高めるポイント

 

ターゲットを明確にする

リーチを高めるには、まずはターゲットを明確にすることが重要である。自社商品のターゲットを絞り込み、ユーザーの環境や属性に合わせた広告配信を実施することで、広告閲覧率の向上が期待できる。
 

配信日時や曜日を検討する

ターゲットを明確にし、自社商品のターゲット層にリーチしやすい時間帯や曜日に広告を掲載するのも効果的。Google広告では、「広告のスケジュール」から曜日と時間帯が選択できる。また、Yahoo!広告でも「曜日・時間帯ターゲティング」によって特定の曜日・時間帯を指定して広告を掲載することが可能。
 

質の高い広告クリエイティブを作る

バナー広告では、画像やアニメーションを工夫することでユーザーの目に止まりやすくなり、広告効果が高まる。また、思わずクリックしたくなってしまうようなタイトル設定も効果的だ。ユーザーの興味に即したキーワードを盛り込み、コピーやフォントなどにもこだわりたい。高品質なクリエイティブは、CV(コンバージョン)にもつながる。
 

 

 Instagramにおけるリーチの意味

 
Instagramでのリーチは、どのくらいの人数が投稿を見たかを示すものである。Instagramの別の指標であるインプレッションと似ているが、リーチとインプレッションには明確な違いがある。リーチは「投稿を閲覧した人数」だが、インプレッションは「投稿が表示された回数」のことだ。つまり、特定の投稿に対して何人のユーザーが閲覧しているかを確認するには、リーチを把握する必要がある。
なお、Instagram上でリーチやインプレッションなどの指標を確認したい場合は、個人アカウントでは確認できないため、プロアカウントを設定したのち、ビジネスアカウントもしくはクリエイターアカウントに切り替える必要がある。

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