顧客理解の重要性 - 「顧客の行動を理解する」とはどういうことか


Writer:
山崎雄司
  • facebook
  • Twitter
  • LINE

今日のマーケティング戦略において、顧客をどれだけ理解できているかが重要なポイントとなっている。デジタルシフトが進み、時代の流れとともに市場環境や顧客の価値観が変化するなかで、顧客が求めるサービスや商品を提供し続けていくことは難しく、実際に「施策の効果が現れない」「売れ行きが良くない」といった企業の声も聞かれる。こうした現状を踏まえ、本記事ではそもそも「顧客理解とはどういうことか」を定義し、顧客理解の重要性や、顧客理解を深めるための方法を解説する。

顧客理解とは


顧客理解とは、顧客が求めているものや課題を理解することである。モノが増え、類似商品が多く存在するなかで他社との差別化を図るためには、顧客理解を深め、顧客が本当に求めているものが何かを的確に把握する必要がある。自社のターゲットである顧客を深く理解し、ニーズや課題を汲み取り、有益なコンテンツ及び商品・サービスの開発に活かすことで、顧客の継続的な利用の促進へとつながる。


どうすれば顧客を理解できるのか


顧客を理解するには、市場調査や顧客データの活用、アンケートなど、さまざまな方法があるが、いずれも顧客視点に立って分析を行うことが重要である。その際、一部の情報だけではなく、あらゆるタッチポイントやさまざまな顧客情報を複合的に捉え、顧客一人ひとりを「実感」することで、より深い顧客理解が可能となる。
具体的にどのような行動をすべきか迷う場合は、「目的」に立ち返ると良いだろう。顧客理解の目的は、何をしたら顧客に喜ばれるかを把握したうえで、その期待に応えるべく良質な経験価値を提供し、購買活動につなげてもらうことである。実際に顧客に喜ばれる行動には、たとえば「顧客のニーズに迅速に対応する」などが挙げられるが、その顧客の期待を上回るような顧客体験を提供できるとより効果的だ。


顧客を理解するためのポイント


ここでは顧客を理解するためのポイント3つを解説する。

1.顧客視点に立つ(顧客の心情を背景も含め理解する)


企業目線のみで顧客を理解しようとすると、客観的・表面的な捉え方になってしまい、顧客の心情や考えや真のニーズまでは把握できない。顧客を的確に理解する上で大切なのが、顧客を取り巻く環境や背景を知り、顧客の行動を観察し、心情を分析することである。まずは顧客視点に立ち、顧客が置かれている環境が心情にどのような影響を及ぼすか、そしてどのような行動につながるのかを知ることで、一人の顧客の一つのストーリーとして実感を伴った顧客理解が可能となる。

2.顧客インサイトを捉える


インサイト(insight)は「物事の本質を見抜くこと」や「洞察」を意味する言葉であり、「顧客インサイト」とは顧客が商品・サービスの購入を決断するまでの本質的な購買欲求を指す。顧客を深く理解するには、顧客インサイトを捉え、顧客自身が自覚している顕在ニーズだけでなく、まだ自覚していない潜在ニーズを汲み取ることが重要だ。ただ単に顧客の声を聞くのではなく、その背景にある思いや顧客を取り巻く環境などを把握し、顧客インサイトを深く掘り下げていくことが大切である。


3.顧客データを整理して可視化する


年齢、性別、家族構成、購買履歴などの顧客データを、カスタマージャーニーマップを用いて整理すると、顧客がどのような経緯で商品と接点を持ち、購買欲求を刺激されて購入に至るのかといった流れが可視化される。購買プロセスを、心理状況を含めて整理し、カスタマージャーニーマップに落とし込んで可視化することは、顧客理解を深めるうえで重要なポイントであり、各段階における具体的な対応策や新たな戦略の立案にも大いに活用できる。


顧客理解を深めるデータ収集・分析


顧客理解を深めるデータの収集・分析には、CRMなどのツールを用いると効果的だ。ここでは2つの手法について解説する。

1.顧客データの分析


顧客データを分析するには、まずは顧客のデータを収集する必要がある。既存顧客や見込み顧客のデータは、CRMなどのツールに蓄積するようにしたい。
その後、顧客の基本情報やWeb上での行動履歴、メールの開封率などを、各種ツールを用いて分析する。その際、顧客を個人単位で特定しない従来型の「集計」ではなく、顧客一人ひとりにフォーカスした分析を行うことが重要である。


2.ユーザーアンケート


すでに自社商品やサービスを利用しているユーザーを対象としたアンケートも、顧客理解を深めるのに有効である。顧客からダイレクトに声を聴くことができるため、顧客ニーズや顧客が抱える課題を理解する手がかりになる。
アンケート実施の際は、アンケートフォームの作成から収集・分析まで行えるアンケートツールを活用すると良いだろう。なかでも、テキストマイニング分析ができるアンケートツールは、集計や確認作業で負担が生じる自由回答式のアンケートを効率よく解析する機能が備わっているため、より有効なデータ活用が可能だ。


顧客理解は常にアップデートさせよう


顧客理解の取り組みは、一度実施したら終わるのではなく、常にアップデートしていく必要がある。今日の市場環境は常に変化し続けており、顧客の価値観やニーズにも大きく影響するため、企業が提供する体験価値も同時にアップデートしていかなければならない。また、顧客一人ひとりの小さな変化を捉えるためには、定期的にアンケートなどの調査を実施し、施策に反映させていくことも大切である。
これらを実現するためには、リアルタイムでデータを更新でき、分析や作業工数を大幅に削減できるデジタルツールの活用が欠かせない。ツールを有効に活用することで、常に顧客理解をアップデートしていきたい。

実感の伴う顧客理解を支援する「カスタマーリングス」


前述の通り、顧客理解を深めるにはツールの活用が効果的だ。導入する際は、誰もが操作しやすく、かつ必要な機能が網羅されているものを選ぶのがポイントである。
株式会社プラスアルファ・コンサルティングが提供するCRM/MAツール「カスタマーリングス」は、BtoCに必要な機能が搭載されているだけでなく、実感を持って顧客を理解するための工夫が施されている。

【カスタマーリングスの特長】
・顧客単位でデータを紐づけ保持することで、分析結果から顧客一人ひとりまで深掘りできる
・アンケートを作成でき、テキストマイニングによる自由回答の分析も可能
・ノーコードで誰でもすぐに分析やアクションを実行できる

導入や活用に関するサポートも充実しており、750社の導入実績を通じて進化を続ける「カスタマーリングス」。本記事とあわせ、データからリアルな顧客像をイメージし、真に顧客を理解するための一助となれば幸いだ。

メルマガ登録
  • facebook
  • Twitter
  • LINE