メディアレップとは? 意味やメリット、歴史、広告代理店との違い、必要性


Writer:
山崎雄司
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メディアレップとはインターネット広告専門の代理店のこと。広告媒体が保有している広告枠や広告商品を管理し、広告枠の販売窓口として、広告主や広告代理店に対して販売を行う。

メディアレップとは


広告代理店が新聞やテレビ、雑誌といったマスメディアの広告枠の販売代理を行うのに対し、メディアレップは主にインターネット広告の仕入れを行い、最適なWebメディアを選定して広告主や広告代理店へ提供する役割を担う。昨今では広告枠の販売にとどまらず、インターネット広告の専門家としてWebコンテンツの制作から効果測定までを担う場合も。なお、メディアレップはMedia representativeの略。

メディアレップの歴史


メディアレップの誕生は、インターネットが普及しWeb広告が浸透し始めた1990年代。日本国内では、1996年に電通とソフトバンクにより設立された「サイバー・コミュニケーションズ(現CARTA COMMUNICATION(CCI))」、そして博報堂とADKなどにより設立された「デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム(DAC)」が最初のメディアレップである。その後、Web広告はアドテクノロジーの発展とともにますます多様化と複雑化が進み、それらを専門的に扱うさまざまなメディアレップが多数誕生している。

メディアレップの役割


広告媒体の管理

新聞、雑誌、テレビといった従来のマスメディアに対し、急速な発展をたどっているWeb広告。メディアレップは、多種多様で膨大なWeb広告枠を管理・分析し、広告主に対して最適な広告枠を提案する。

広告制作

従来の広告管理の業務に加え、メディアレップが広告制作の役割を担うことも。ターゲット分析や市場調査、広告の企画、さらにキャスティングやカメラマンの手配まで、制作に関する一連の業務を行うメディアレップもある。

広告運用・PR活動

広告枠を売るだけでなく、メディアの知見を活かして広告の運用を行うケースもある。また、配信後にイベントを企画したりキャンペーンを実施したりといったPR活動を行うこともある。

独自のDMP開発

メディアとのネットワークを活かし、独自でデータ・マネジメント・プラットフォーム(DMP)を開発しているメディアレップもある。デジタル・アドバタイジング・コンソーシアム株式会社(DAC)のAudienceOne®などが有名。広告新規顧客の獲得から既存顧客のLTV向上に至るまで、マーケティング活動全般をサポートしている。


メディアレップのメリット


媒体社にとってのメリット

営業のリソースを割かなくても、メディアレップが広告代理店や広告主に自社のWebサイトの広告枠を販売してくれる点が大きなメリット。広告枠の販売にとどまらず、広告の制作やWebメディアへの出稿、効果測定、広告費用の回収などまで担うメディアレップも増えている。

広告代理店にとってのメリット

新しく広告枠を獲得するために媒体社に営業するリソースを削減できる。また、顧客である広告主に提案できる選択肢の幅も広がり、広告主の顧客満足度の向上につなげられる。

メディアレップのデメリット


媒体社にとってのデメリット

広告枠の販売をメディアレップに委託するため、顧客である広告代理店との関係性が築きにくい場合がある。

広告代理店にとってのデメリット

メディアレップを介することで、マージンが取られてしまうこと。ただし、その分自社が他の業務のリソースを確保できるというメリットもあるため、費用対効果を考えると必ずしもデメリットとは言い切れない。

メディアレップと広告代理店の違い


メディアレップは、媒体社からWeb上の広告枠を買いつけ、確保した広告枠を広告代理店に提供する役割を担う。広告代理店は、メディアレップより提供された広告枠を広告主に販売するため、それぞれの役割は異なる。
なお、「この媒体で広告を出稿したい」と、配信先が定まっている広告主は、直接メディアレップに依頼する場合も。配信先の媒体が決まっていない場合は、広告主は広告代理店に相談し、アドバイスを仰ぎながら広告枠を購入するケースが多い。

メディアレップは必要か?


広告主と媒体社の間に、広告代理店とメディアレップという2つの代理店が存在しているため、その必要性を疑問に感じる広告主もいるだろう。しかし、近年のデジタルデバイスの普及やアドテクノロジーの発達に伴い、多様なメディアやさまざまな形態の広告枠が誕生し続けており、広告代理店や広告主がメディア全体を網羅的に把握するのは困難になっている。こうした背景から、Webメディアを専門的に取り扱うメディアレップは、広告主や広告代理店、さらに媒体社にとっても頼れる存在になりうる。
さらに、従来の広告枠の販売代理業務にとどまらず、前述の通り、コンテンツ制作から効果測定、費用の回収といった幅広い領域を担うようになってきているメディアレップ。日々更新される新しいテクノロジーにも対応したソリューションを提供できるメディアレップは、今やWeb広告業界で欠かせない存在になってきているといえるだろう。

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