アルゴリズムとは?意味、プログラムとの違い、基本構造、種類など


Writer:
山崎雄司
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IT用語の「アルゴリズム」とは、ある問題解決のために考えられた計算方法や処理方法であり、プログラミングの基盤となるものである。

「アルゴリズム」のネーミングの由来


アルゴリズムは、英語で“algorithm”と表記され、「演算方法」という意味を持つ。 “algorithm”という言葉自体は、「積分と方程式計算法」を説いた数学者のアル・フワーリズミー氏が由来だといわれている。

アルゴリズムとプログラムの違い


アルゴリズムは問題を解決するための計算や処理の手順であるのに対し、プログラムはコンピュータに特定の処理をさせるための指示のことを示す。つまりアルゴリズムは、効率の良いプログラムを作成するために必要な処理の方法といえる。アルゴリズムは、フローチャートにして表すことができる。

アルゴリズムのメリット


作業の標準化

アルゴリズムは、基本的に誰もが同じ手順で作業すれば完結できるように作られる。これにより、たとえ新人であってもアルゴリズム通りに作業すれば、一定以上のクオリティーを保った作業が実現でき、作業の標準化を図れる。

作業上の問題点を特定し、改善できる

手順通りに作業すれば同じ結果が得られるよう示されたアルゴリズムであれば、作業がうまくいかなかった際に、どこに問題があったかを特定しやすい。さらに、無駄な作業を確認しやすいため、作業の改善につなげられる。

外部に委託するなど、効率化を図れる

作業を可視化することで、外部の業者に切り出せる部分も見つけやすい。BPOを検討するきっかけや、作業を切り出す場合に必要となる準備を整える際のヒントにも。

DX化に役立つ

デジタルを駆使して作業効率をあげ、ビジネスに関わるすべての事象に変革をもたらすことを目的とするDX(デジタルトランスフォーメーション)において、アルゴリズムは無駄な作業を見極め改善するのに役立つ。

アルゴリズムの3つの基本構造とフローチャート


アルゴリズムには基本的に以下3つの構造がある。こうしたアルゴリズムの構造を可視化したものをフローチャートという。

順次構造

「この処理が終わったら、次の処理に進む」というように、順番通り上から処理を進める構造のこと。

選択構造

「ある処理を選択したら、これを実行する」というように、選択によって別々の処理を行う構造のこと。選択によってさまざまな分岐を作るため、「分岐構造」とも呼ばれる。

反復構造

「一定の条件を満たすまで繰り返し処理を実行し、条件を満たしたら処理を終了する」という構造。

アルゴリズムの種類


検索(サーチ・探索)アルゴリズム

もっとも基本的なアルゴリズムの1つ。複数のデータから条件に一致した値を見つけるために用いられる。条件に照らし合わせながら調べていく「線形探索アルゴリズム」や、規則的に並んだデータ群を2つに分けてどちらのグループにあるかという判断を繰り返していく「二分探索アルゴリズム」などが代表的だ。

ソートアルゴリズム

データ群を大小関係の規則などによって整列させるアルゴリズム。バブルソート(隣り合う要素を比較しながら整列させていくソート方法)や、選択ソート(データ群から最小値(もしくは最大値)を選択し、先頭と交換を繰り返していくソート方法)、挿入ソート(ソート済の部分に、未ソートのデータを適正な位置に挿入していく方法)など、多数の種類がある。

その他のアルゴリズム


機械学習のアルゴリズム

人工知能(AI)のアルゴリズムにもさまざまなものがあるが、その基本となるのが回帰アルゴリズム。過去の実績を示したグラフをそのまま延長した場合の将来の予測を行うもので、この予測の精度を高めるためのさまざまなアルゴリズムが日々考案されている。

暗号化アルゴリズム

暗号化するための規則を表すアルゴリズム。個人情報を含むあらゆる機密情報などが、このアルゴリズムにより複雑に暗号化され、第三者に盗まれないよう保護されている。

その他、遺伝的アルゴリズムなど、アルゴリズムには多数の種類がある。

日常生活における身近なアルゴリズム


ネットの検索サービス

GoogleやYahoo!などの検索サービスは、すべてアルゴリズムが活用されている。コンテンツなどにランクがつけられ、関連性が高いと判断されたものから上位表示させる仕組み。ユーザーにとって満足度の高い検索エンジンを提供するために、検索サービスを提供する企業にとってアルゴリズムは欠かせない存在になっている。

マップ検索・カーナビ

どの道を通ると最短時間で到着できるか、交通量や事故などリアルタイムの情報を基に、アルゴリズムが最適なルートを提供する。

SNS

TwitterやInstagramといったSNSでもアルゴリズムは利用されている。ユーザーの投稿や友人関係、過去の閲覧履歴などのデータを基に、ユーザーが求めていると思われる情報を選別して表示する。

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