実感マーケティング成功のための7つの留意点


Writer:
山崎雄司
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既存顧客だけでなく、見込み客の違いと変化にも気づくことで、効果的な施策を打ち出すことができる実感型マーケティングはデータが溢れる今だからその重要性を増している。 これまでその本質や特徴を紹介してきたが、今回は、実感マーケティングを実践していくうえで知っておくべき7つの留意点について考えていく。

参考 “「実感マーケティング」でマーケティングの付加価値をどのように高めていくことが出来るのか

実感マーケティングの実践


実感マーケティングとは、従来のデジタルマーケティングにおける課題を解決するための新しいマーケティング手法である。従来のマーケティング施策での問題を繰り返さないためには、今までとは異なったアプローチをしていく必要があるのだ。

実感マーケティングにおける7つの留意点


では、実感マーケティングを成功させるために、知っておくべき7つの留意点について見ていこう。


自社の提供したい経験価値を洗い出し、目的を明確にする


「実感マーケティングを成功へと導くための最短ルート」は、顧客を実感する気づきを得て、施策に活かしていくことでPDCAを本質的に改善する進め方である。現状として、施策の改善サイクルに問題を抱えているマーケティング部門は少なくないだろう。施策を実行した後の振り返りが不十分なため、PDCA のP(Plan:計画)とC(Check:評価)が不足し、D(Do:実行)ばかりを繰り返している。なかでもC が圧倒的に不足している場合が多い。このCを補うのが「実感」なのである。顧客を「実感」する振り返りのプロセスがなければ、PDCAは改善しないのだ。
しかし、何よりも先に行うべきは、自社の提供したい価値(経験価値)を洗い出して目的やゴールを明確にすること。PDCA サイクルを巧みに回し、「実感マーケティング」を成功させている事例に共通するのは、自社の現在を見つめる冷静な目と、目的に対するぶれない姿勢である。地に足のついた、目標を見失わない現実的なフローでマーケティング活動を推進していきたい。

参考 “PDCAサイクルにSTをプラスした「STPDCA」で、顧客実感を伴うデジタルマーケティングを

一人の顧客をしっかり見て、実態に迫る


顧客の実態を把握するうえで重要なのは、成果を施策単位ではなく、顧客単位で追いかけることである。一人の人に絞ってデータを確認すると、思わぬ発見が得られることが多いものだ。集計表の数値だけを見るのではなく、一人の顧客の属性や心理・変化に迫ることで、一人の顧客を可視化し、イメージを具体化していきたい。一人ひとりの顧客をイメージすることで、ターゲットの手応えが良かった場合や、思った通りに反応しなかったりした要因を“気づき(=差異)”として得ることができる。こうした当初の思いや見込みとの差異を実感することが重要であり、実感できる施策の仕組みが必要になっているのである。

レアケースか否か、リサーチであたりをつける


一人の顧客の「実態」に迫るためには、優良顧客の中から特徴的(エクストリーム)な顧客を抽出することが効果的である。ただし、この顧客がレアケースか否かの判断が必要だ。
もし、この一人の顧客が極めてレアケースで、共通点のある顧客がほかにまったくいないというケースも考えられる。その場合、理解を深めて施策を打ったとしても、実は極めて特殊なニーズに過ぎず、結果、効果がほとんどなかったという事態に陥ってしまう。このような事態を避けるためには、あらかじめリサーチを行っておくのが効果的だ。抽出した一人の顧客の嗜好をもとにリサーチを行い、その結果を受けて、そのニーズの人が一定数確実にいそうだとわかれば、そのニーズに応える打ち手を実行できる。

リーンスタートアップから、施策のブラッシュアップを重ねていく


顧客データが統合されていなかった従来は、顧客の嗜好について把握するのは簡単ではなかった。全体の構成比や数値的な傾向から考察するに留まり、顧客一人ひとりに絞ることが難しかったのである。そのため、アイデア出しも、勘と経験に頼らざるを得ず、どうしてもブレが大きくなる傾向があった。しかし現在では、顧客をセグメントし、顧客一人ひとりのニーズに応じたマーケティングを展開することが可能になった。そのため、小さな規模で仮説を立てて施策を実行し、効果検証を行いながら改善を重ねていく「リーンスタートアップ」を行うと、より効果的なマーケティングが実現できるのである。

大事なのは「打席にたくさん立って」「勝ち癖をつける」こと


一人の顧客から得られる知見は深く、マーケティングアイデアは一人の顧客理解から生まれるものである。「この人に喜んでもらえる施策や必要なコミュニケーション、タッチポイントはなんだろうか」と考え、アイデアを出し、成功体験を重ねていくことが効果的なアプローチとなる。とある企業のマーケティング担当者は、このサイクルを野球に例え、「打率よりもバッターボックスに立つ回数」に拘り、「勝ちパターン」をつかむことで「マーケティングの実感がより得られる」と語っている。つまり、一人の顧客に対するインサイトをつかみ、施策を打って、実感する。このサイクルを全体管理しながら積み重ねることで、「勝ち癖」につながっていくのである。

変化を前提とし“プランB”を用意しよう


ここでは「実感マーケティング」を実践するためのプラットフォームとなるシステムやツールの導入に当たっての留意点について触れたい。プラットフォームの導入は本来、明確な目的があり、そこから逆算して検討が進められるべきものである。しかしながら、実際にはシステムが導入されてからはじめて、やりたいことが見えてくるケースも多いだろう。こうしたケースに備えて“プランB”を準備しておくことが重要だ。システム選定の際には、将来的な拡張性や顧客抽出の自由度など、変化を前提としたものを選ぶとよいだろう。

空気を読んだ施策数と実感数の積み上げがノウハウになる


マーケティングの醍醐味は、顧客を実感し、施策を実行して、その成果を実感することに尽きるといっても過言ではない。顧客を知り、自社と長く深くつきあってもらうための価値を提供し続けることがマーケティングの本質である。そのためには、顧客の空気を読んだ施策を打つことが重要であり、顧客の空気を読むためには「実感」が不可欠だ。そして、空気を読んだ施策数と実感数の積み上げはノウハウとなり、企業の競争力を上げていくのである。

実感マーケティングを成功に導くために


今後のマーケティングの進化を牽引していくのは顧客実感である。顧客のあらゆるデータから、顧客実感をどのように得るのか、そしてどのように実感をマーケティングに活用していくのかが鍵となる。より1to1な施策が必要とされる実感を軸としたマーケティング。この手法を活用していくためには、顧客のとらえ方からシステム・ツールの選定まで、今一度見直す必要があるだろう。

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