グローバルマーケティングとは?意味や目的、ポイント、成功事例


Writer:
山崎雄司
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「グローバルマーケティング」とは、国や地域を越えて、世界中、複数の国における市場を対象として行うマーケティング戦略や活動のことを指す。

グローバルマーケティングとは


グローバルマーケティングとは、世界各国のさまざまな市場をターゲットとしたマーケティング活動のこと。世界中全ての国ではなく、複数の国に絞ってターゲットとすることが一般的である。グローバルマーケティング戦略により海外進出し、世界中の顧客にアプローチすることで、ブランドの認知度や評判を高め、ビジネスを成長させることができる。

グローバルマーケティングの目的とメリット


市場の拡大

世界各国に進出することで、製品やサービスの潜在的な顧客基盤を大幅に拡大することが可能になり、売上と収益の増加や企業の成長を促進できる。

リスクの分散

一つの市場だけに依存すると、市場の停滞や縮小、政治的な不安定さなどのリスクが集中するが、複数の市場に展開することでそのリスクを分散でき、長期的な安定と企業の成長を可能にする。

量による利益

大量生産や大規模な購買により、コスト削減や効率的な運用が可能となる場合もある。同じ工程で商品やサービスを製造することで、製造コストを抑えられるうえ、改善を繰り返し、品質の向上も期待できる。

リソースの効率的な利用

地域の強みや各国のリソースを活用することができるため、商品やサービスを効率的に生み出すことができる。

ブランドの知名度向上

世界各地における露出により、ブランドの認知度や評価が向上し、企業のイメージや価値を高めることができる。国際的に強い存在感を示すことは、長期的な成長に必要なブランドロイヤリティの向上と顧客からの信頼につながる。


学習の機会

異なる市場や文化からのフィードバックや経験を通じて、新しいアイデアや戦略を学ぶことができる。その経験や知識が持続的なイノベーションや競争力の向上につながる可能性がある。

顧客の多様性

異なる文化や背景を持つ顧客と関わることで、多様性の重要性を理解することができる。それにより、多様な背景をもつ顧客と強い関係を築くことができ、より包括的な商品やサービス提供につなげられる。

グローバルマーケティングのポイント


一貫性を持たせる

グローバルマーケティングは、ブランドのメッセージや価値を一貫して伝えることが重要。ただし、その中でも地域ごとのニーズや文化背景、トレンドに合わせて適切なアプローチを取ることが求められる。

セグメンテーション

市場にいる不特定多数の顧客をさまざまな切り口で分類し、特定のニーズや属性ごとにグループ(セグメント)を作ることをセグメンテーションという。日本の企業がグローバルマーケティングに乗り出す場合は、一般的に、顧客のニーズや文化、好みが類似している市場を選ぶと成功しやすい。たとえば、アパレルやブランド、エンターテイメントなどのカテゴリなどである。

ポジショニング

国によって商品やサービス、企業の市場における立ち位置(ポジショニング)を確認することも重要。多くの地域の市場では、企業同士のポジショニング争いが繰り広げられているうえ、市場が成熟している場合は、ポジショニングがある程度固定していることも。このように各地のニーズや文化に左右されるため、ポジショニングを統一させるかどうかの判断は、慎重に行いたい。

ローカライゼーション

各国や地域の文化、言語、習慣、法的規制などの要因に応じて、商品や情報、広告戦略を調整する。具体的には、Webサイトの多言語化やキャンペーン内容の調整、商品やサービスの提供方法など、施策内容の全ての要素を各地域に適応させる必要がある。

トランスクリエーション

「翻訳(トランスレーション)」と「創造(クリエーション)」を組み合わせた造語で、文章をメインとしたコンテンツのローカライゼーションのことをトランスクリエーションという。対象となる文化や顧客に合わせて文書を書き換えることで、その地域に合ったキャンペーンを実施する。

リソースの効率的な利用

グローバルな規模でのマーケティング活動を行うにあたり、人や資金などのリソースを適宜共有し、効率的に活動することもポイント。

グローバルな視点

ターゲットとする国だけに限らず、世界各地の市場動向や顧客の動向を俯瞰的に把握し、それに応じて戦略を調整することも大切だ。

グローバルマーケティングの成功事例


世界的炭酸飲料ブランドの場合

某老舗炭酸飲料ブランドは、ブランド独自のマーケティング戦略を行い、製品に一貫性を保つことに注力し、グローバルマーケティングを推進している。印象的なロゴや、いつまでも変わらない馴染みある味が評価され、商品が登場した130年前から今もなお、世界中で愛され続けている。

世界的カフェチェーンの場合

ある世界的カフェチェーンでは、一貫したソーシャルメディア戦略により、圧倒的な存在感と支持を得ている。たとえば、SNS上でユニークなハッシュタグを生み出し、ハッシュタグ市場を独占したり、フォロワーからのツイートには絵文字付きのフルメッセージで返信したりするなど。こうした戦略により、フォロワーからの強いエンゲージメントを保ち続けている。

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