BtoC 事業者様必見! MAツール選定の基礎知識、メリットから注意点まで公開


Writer:
山崎雄司
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デジタルマーケティングに携わっていれば、ここ数年で頻繁に登場する「MA(マーケティングオートメーション)」という言葉を聞いたことはあるでしょう。しかし、その意味や重要性、そして具体例などについて、きちんと説明できる人は少ないのではないでしょうか。今回はMA について、デジタル時代を生き抜くために、絶対に外せない基礎知識をご紹介します。

MA ~マーケティングオートメーション~とは

オートメーションとは日本語で“自動化”のこと。企業のマーケティングを“自動化” するのがMA の役割です。つまり、マーケティング施策の実施過程で発生する問い合わせ(コンバージョン)やWEBサイト訪問者の分析といったさまざまな単純作業を自動化することで、効率化を図るためのシステムのことです。

また、MA は、まだ案件化していない見込み顧客一人一人に応じたコミュニケーションを通じて、顧客と中長期的な関係を築いていくためのツールでもあります。日頃マーケターが行っている「見込み顧客の獲得」から「リードナーチャリング(顧客育成)」、「絞り込み」などの煩雑な作業を自動化し、最終的に、見込み顧客を的確なタイミングで営業部門へ引き継げるよう、システム上で顧客の状態や案件化の確度を管理することが可能となります。

MA 導入の目的は、BtoC(消費者向けビジネス)領域から、BtoB(法人向けビジネス)領域まで、業界によってさまざまです。EC サイトであれば、顧客を育成するために購入顧客に対するフォローアップに活用するケースも多くあります。また、BtoB 企業であれば、リードナーチャリングのために獲得リストへの情報提供や見込み顧客抽出に活用されています。すなわちMA を活用することで、従来のマスマーケティングとは異なり、個別にコミュニケーションを取ることが可能になるため、顧客ロイヤリティの向上が見込めるのです。

MAの背景

では、なぜMA が必要になったのでしょうか。その理由は2 つあります。



1 つ目は、顧客が接するチャネルの多様化に対応するためです。インターネットやSNS の普及により、顧客が商品やサービスを購入する前に自ら情報を集めることが可能になりました。それに伴い、企業が対応すべきコンタクトチャネルも増加しています。たとえばDM・はがき・イベントのようなリアルなものから、メール・ウェブ・SNS・アプリといったオンラインのものまで顧客との接点は多岐に渡ります。しかもそれがさまざまなデバイスにて行われているのです。

2 つ目は、多様で膨大なデータを用いた営業や分析を簡素化するためです。かつてトップダウン型の組織運営が主流だった時代、主な営業手法は、意思決定権を持ったキーパーソンへのテレアポが主流でした。しかしボトムアップ型の組織運営が増えた現在では、各担当者レベルへ個別のメールやSNS などでの情報提供が必要になっています。現在は、こうした顧客一人一人に役に立つ情報を、適切なタイミングで、最適なコンテンツとして届ける“One to One マーケティング”が主流であり、顧客(および見込み顧客)一人一人のニーズを把握した上で、個々人に合わせたアプローチが不可欠。その実現を期待されるのがMA なのです。

MAのメリット




また、MA は「顧客ロイヤリティ向上」による収益アップが期待できます。前述の通り顧客との接点が急増し多様化する現代、マーケターは自社ブランドをどのように確立していくか、そしてそれをどう収益化するかという問題に直面しています。多様なチャネル、デバイスを自由自在に使いこなす顧客に対し、どの接点でもパーソナライズされた一貫した顧客体験が期待されている企業。MA を導入することで、常にパーソナライズされた情報を適切なタイミングで自動的に届けることができるようになり、結果的に顧客ロイヤリティを上げ、収益につなげることが期待できるのです。

MAの注意点




オートメーション(自動化)の言葉から受ける印象もあり誤解されやすいですが、注意点として押さえておきたいのが、MA は急速に効果が出るものではないという点です。導入までのステップも複数あるため、運用開始までは半年ほど見積もっておいた方が良いでしょう。また、ただMA ツールを導入して終わりではなく、その後も定期的なアップデートが必要となります。マーケティング未経験者ではツールをうまく扱えないケースがあるため、経験者をアサインするほか、人材の育成を踏まえたスケジューリングを心がけるようにしましょう。

これらはMA だけでなくマーケティングツール全体にいえることですが、ツールを使いこなすのはあくまでも人間です。データをもとに顧客に合わせた最適なシナリオを設計し、PDCA を回して改善していくことが、MA 導入成功への近道なのです。

BtoC・BtoB におけるMA の違い

MA はBtoC とBtoB のいずれも内包した用語ですが、その目的や内容には違いがあります。

BtoC におけるMA

主に販促強化や作業の効率化を目的に活用されます。例えば、商品サンプルの購入者に対して経過日数ごとにメールを自動送信し、その後購入したかどうかなどでシナリオを分岐させ、それを元に施策を組み立てていきます。BtoC はBtoB と比較して顧客数が非常に多く、メールやSNS などのコンタクトチャネルも多様化しているので、人力では効率的な運用が難しくなってきています。そのため、顧客ごとに最適なシナリオを設計しながら効率化が行えるMA が注目されています。

BtoB におけるMA

主にリードナーチャリングを目的に活用されます。WEB へのアクセスログや問い合わせ内容などを顧客データに紐付けてセグメント分けを行ったうえで、行動履歴に応じたスコアリングを設定し、適切なコンテンツを提供し続けることで見込み顧客を育成します。BtoB はBtoC と比較して検討期間が長く継続的な情報提供が必要なため、顧客の興味度合いをスコアリングで「見える化」することが重要になるのです。

MAの具体例

マーケティング施策を策定する際は、従来のような“経験と勘に頼ったマーケティング”にならないよう、データの統合が不可欠です。科学的なマーケティングを行うためには、手元に統合されたデータが揃っていること、かつ見たいデータを手軽に参照・抽出できる環境が重要です。

下図のように、統合したデータを元にさまざまな条件でセグメントを作成し、このセグメントに対して自動でメールを配信することがMA の第一歩。たとえば生年月日のデータがあれば「誕生日の○日前」というセグメントを作成し、メールの自動配信を組み合わせて“シナリオ”に進化させていくことでMA を加速させることができるかもしれません。

さらに成果を上げるには、顧客の「行動」「タイミング」「購入履歴」「嗜好」に合わせることが重要です。


MAの具体例

健康食品企業が、サンプルを購入した顧客に段階的にアプローチする例を見てみましょう。サンプル購入時に入手した顧客データを元に、発送翌日には届いたかを確認するメールを送信。3 日後には成分についての説明メールを送信し、その後段階的に販促キャンペーンを行います(行動)。また、ポイントの利用を促したり、顧客の誕生日前に割引のメールを送ったりします(タイミング)。

さらにVIP 向けのシークレットセールを開催し、しばらく購入していない顧客は購入を促します(購入履歴)。そして購入動機や利用目的、生活スタイルに合わせてさらに別の商品を勧めます(嗜好)。

このようなメールを送るには、対象者の条件を作って抽出し、配信ソフトに登録し、コンテンツを入れ込んでテスト配信し、送信する、という膨大な作業が必要です。また、メール送信によって得られるメルマガごとの開封率、クリック率、コンバージョン率などさまざまなデータ分析にも専門知識と人手が必要になるでしょう。

これまでも述べた通り、MA は、“ルーティンワークの自動化”を可能にするツールです。メール送信に至っては完全な自動化も可能です。データ分析に関しても、それ自体に時間や人手を取られることがなくなり、PDCA サイクルの高速化が期待できるでしょう。このようにMA の導入は、データ取得時間の短縮化や、属人化からの解放、さらには作業負担の軽減が期待されるのです。

デジタル時代を生き抜きMA を活用するために

MA の基礎知識について、改めておさらいしてきましたが、全体像をご理解いただけたでしょうか。膨大な情報量の中で顧客にしっかりと見つけてもらい、購買を促し、ファンになっていただく。

そして、経験と勘に頼らず、しっかりとしたファクトをもとにマーケティング活用を行っていくということがMA の基本なのではないでしょうか。

BtoC向けMAツールの決定版「カスタマーリングス」

MAツールにはさまざまな製品がありますが、BtoCでMAをはじめるなら、「ITreview Best Software in Japan 2022(※)」に BtoC向けマーケティングオートメーションとして唯一選出された「カスタマーリングス」をおすすめします。

データ統合から分析、メールやLINE、アンケート等の配信・管理までノーコードで実行でき、ECサイトやBtoCサービスを中心に11年・750社への導入を通じて進化を続けています。

※ITreviewユーザーが支持した日本のSaaS・ソフトウェアのTop50製品を選出する、1年に1度の企画。ビジネスの最前線で注目を浴びているSaaS・ソフトウェアの中でも、特に満足度・認知度がともに優れた製品が選出されます。


「使いこなすのが難しそう…」という場合でも、きめ細かな導入・活用支援メニューをご用意。伴走型の充実したサポートで自走までご支援していますので、ご安心ください。

さいごに

本記事では、いまさら聞けない「MA(マーケティングオートメーション)」の基礎知識をご紹介しました。

「MAという言葉をよく聞くけど、具体的にMAがどんなものかわからない
「ECサイトやサービスの売上アップに悩んでいた

など、マーケティングを推進する担当者が抱く疑問を解決する記事になっていれば幸いです。

本記事ではMAのメリットや具体例をご紹介しましたが、まだまだ豊富な事例がございます。「他社の活用事例が知りたい」「自社に合った活用方法を提案してほしい」という場合は、お気軽にお問い合わせください。


とりあえず資料を見てみたい方は以下のフォームにご記入ください。


また、「実際に画面を見てみたい」という方向けに、無料デモを行なっています。

「MAツールがどんなものか実際に見てみたい
「画面を見ながら何ができるか、使い勝手はどうかを知りたい」
「自社のやりたい事が実現できるか知りたい」

などのご要望に合わせて画面をお見せすることも可能なので、ご希望の方は以下よりお申し込みください。

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