コロナ禍によるニューノーマル時代のマーケティング


Writer:
山崎雄司
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新型コロナウイルス(以下、新型コロナ)の感染拡大によって、世界経済は大きなダメージを受けた。このコロナショックによる影響は今や全事業・全業種にわたっており、新型コロナと共存していくための「新しい生活様式」の実践が求められている。このようなニューノーマル時代において、企業はどのようにマーケティングを考えていけばいいのだろうか。

新型コロナが及ぼしている影響


2020年3月11日、WHOにより、新型コロナはパンデミック状態にあると発表された。それから約1年が経ち、世界各国での依然として感染者数や死者数の増加、そして経済への大きなダメージも明らかになっている。この影響で経営破綻を余儀なくされた企業のニュースも日々報じられている。

アメリカでは、DEAN&DELUCA(食料品店)やGOLD'S GYM(スポーツジム)、NEIMAN MARCUS(デパート)などが早々に経営破綻。イギリスでは、Laura Ashley(アパレル)やFlybe(航空)などを皮切りに、観光・航空・飲食業を中心に多くの企業が破綻している。国内でも、2月時点で倒産した企業は1,000社を超えた。ファーストキャビン(簡易宿泊施設)の破産など、ホテルや旅館などのサービス業のダメージが最も高く、続いて居酒屋やレストラン、アパレルなどの小売業も厳しい状況が続いている。キャスキッドソンジャパン(アパレル)やレナウン(アパレル)、エアアジア・ジャパンの破綻のニュースは、我々に衝撃を与えた。

一方で、業績好調の企業もある。特にIT企業にその傾向が目立ち、アメリカでは Amazon.comが、インターネット通販の利用者増加などにより売上高を伸ばしている。Appleも、アプリや音楽配信の需要増加により増収。また、動画配信大手のNETFLIXは、会員数が大幅に増え、その利益は前年の同時期と比べて2倍以上増加している。国内では、飲食店の持ち帰りやデリバリー、宅配の需要が急増。生活協同組合は、新規加入と注文が増え続けている。また、日本マクドナルドは、持ち帰りの需要が増えた結果、2020年12月期の全店売上高が創業以来「最高売上」に達した。
このようなニュースを踏まえ、次の章では、消費者マインドや市場にどのような影響が出ているのか、具体的に見ていこう。

コロナ禍における消費者への影響


不要不急の外出を控えるようになり、消費者の消費マインドは依然として停滞している。しかし、食品や生活必需品へのニーズは、これまでと大きく変わっていない。むしろ、外出機会を減らすために買いだめをしたり、飲食店に対する応援ムードの高まりから、いつもよりも少しリッチな在宅飯を頼んだりする人も。ふるさと納税関連の消費なども増加傾向にある。このような、いわゆる「巣ごもり消費」で需要が高まっているのが、EC事業だ。ただし、実店舗での買い物と違い、ネットショッピングでは実際に商品を手にとって確認することができない。したがって、新しい商品にチャレンジするというよりは、すでに購入経験があるものを買うなど、安心感のある購買行動が目立つ傾向だ。
 
また、インバウンド需要が完全に無くなり、屋内施設の休業、ライブ・舞台・イベント等の自粛・延期が相次いだりしていることも、消費者への大きな影響の一つ。これらは、体験価値そのもののニーズが減ったのではなく、外出自粛や休業要請といった社会的風潮が理由であろう。

コロナ禍における市場への影響


新型コロナの感染対策は、企業活動のデジタル化を一気に加速させた。休業・時短要請を受け、企業はオフライン(実店舗などの対面サービス)を縮小し、デジタル投資を維持および拡大している。顧客がいるところに投資を集中させる傾向にあるのだ。

一見、コロナショックの影響が少ないように見える美容・健康系のEC事業においても、需要の急増を受け、新規顧客の獲得競争が激化。オンラインへの対応の切り替えに成功している企業とそうではない企業で、差が出はじめているのが現状だ。実店舗や箱もの系ビジネス、ホテル、観光業といった、オフラインでの体験提供系の市場は、今も厳しい状況が続いている。

ニューノーマル時代のマーケティングはどのように変わっていくのか


コロナ前に唱えられていた“顧客体験提供による差別化”といったマーケティングのトレンドは、今後も大きく変わることはないだろう。しかし、ニューノーマル時代に入り、メインステージはオフラインからオンラインへ移行しつつある。まさに今我々は、従来のトレンドが変わる瞬間に立たされているわけだ。コロナ以前のような、体験ニーズに対する消費者のマインドが変わらないとすれば、このデジタル時代にどのようなCX(カスタマー・エクスペリエンス)を提供し続けるのかが問われる時代に入ってきているのだ。体験重視のマーケティングトレンドが、ECに回帰する流れも発生してくるかもしれない。

一方、オンラインで新たに物を購入することは、実物を見たり触れたりできないというデジタルの欠点に加え、失業や収入源といった消費者自身の事情から、ますますハードルが上がるだろう。したがって、今まで以上に顧客の囲い込みが必要となり、CRM(顧客関係管理)の注目度は増していく。

世界的にワクチン接種が進み、感染者数が減少しても、新型コロナは消滅しないという可能性も指摘されており、今後も新型コロナと共に生活をしていくことが予測される。つまり、このような状況を前提としたニューノーマルへの対応は、今後消費者はもちろん、企業にとっても必要不可欠なのだ。とはいえ、しばらくはコロナ禍で落ち込んだ景気の回復に向け、まず雇用の改善が課題となると考えられる。さらに、デジタル化の加速に伴って、働き方改革も一気に進むだろう。

ニューノーマル時代のマーケティング展望


新型コロナの感染拡大は、企業と顧客とのタッチポイントをオフラインからオンラインへと促した。この状況下で、マーケティングにおいて改めて重要となるのが、CX(カスタマー・エクスペリエンス)向上を重視した戦略であろう。オンラインでもオフラインのような温かみのある接客をすることで、顧客ロイヤリティのさらなる向上につなげたい。その一方で、デジタルシフトの加速に伴い、データが氾濫し、マーケティング施策の乱発によるコモディティ化の加速も懸念される。CDP(カスタマー・データ・プラットフォーム)やMA(マーケティング・オートメーション)、CRM(顧客関係管理)などのデジタルマーケティングを活用し、他社との差別化を図ることが重要になってくるだろう。
 
オンラインを軸とした、本格的なアフターデジタル時代を迎えるニューノーマルの世界。これからは、DXへの本気の対応が求められ、デジタルマーケティングにおける自動化・効率化ニーズはますます高まっていくであろう。これまで店舗が抱えていたショールーミング問題は終焉を迎えることが予想されつつ、OMO(オンラインとオフラインの融合)やCEM(カスタマー・エクスペリエンス・マネジメント)といったニューリテール戦略にも本格的に取り組んでいかなければならない。そして、データが溢れる時代こそ、改めて人の存在価値を見直し、実感することがマーケティングに求められることだろう。つまり、ニューノーマル時代は、やはり「顧客実感」が鍵になるのではなかろうか。

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