CRM 成功企業が実践!メールマーケの鉄板アクション13選


Writer:
山崎雄司
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多くの企業がCRM施策の1つとして取り組んでいるメールマーケティング。しかし、いまだに顧客全員に同じメールを送ってはいないでしょうか。全員に同じメールを送る「全配信」には、メールマーケティングの効果を損ないかねない落とし穴があります。そこで本記事では、CRM に成功している企業に共通している取り組みと、成果につながる13の鉄板アクションをご紹介します。

全配信は百害あって一利なし?メールマーケの落とし穴

まず、全員に同じメッセージを送信すると、受け手の個々の興味やニーズに合わせたメッセージ提供が難しくなり、結果的に顧客エンゲージメントが低下する可能性があります。メールボックスに大量のメルマガが届く現在では、興味のない内容のメールは「スパム」扱いされ、顧客を不快にさせてしまう可能性もあるでしょう。

また、スパムフィルタによりメールが届かないケースもあります。これは、一部のメールが一部の顧客に届かないことを意味し、メールマーケティングの全体的な効果を損なう可能性があります。例えば信頼性の低いメール配信システムを利用していると、スパムと判定される可能性が高まってしまいます。

重要なのは、「配信精度」の見直しです。特に配信システムの質によって到達率に大きな差が生まれ、成果に直結します。配信する内容だけでなく、配信精度から選ぶシステム(ツール)の選択も重要です。

効果的なセグメントでエンゲージメントを向上させよう

配信精度の次に注力したいのが、送信対象者リストの絞り込み(セグメント)です。

たとえば、単一の条件設定で1 万人に送ったメールのCV(コンバージョン)が500 人だったとします。



この場合のCVR(コンバージョン率)は5%。

そこに二つ目の条件を加えて絞り込むと5000 人になり、さらに条件を足したら配信対象が2000 人に。それでも絞り込みが適切であれば、500 人というCV数 は変わりません。

一方でCVR は10%、25%と、どんどん上がっていきます。対象を絞れば配信コストが下がり、コンバージョン率が上がる。つま絞り込むほど費用対効果が高くなるということになるのです。さらにメールのタイトルや文面をA / B テストしてCV 数を500 人から600 人に上げることができれば、売上アップにつながります。

顧客エンゲージメント低下を防ぐ



送信対象リストのセグメントは、もうひとつ大きなメリットがあります。前述した条件で1万人にメールを送った場合、CVしなかった9500 人にとっては、ムダな広告が届いていることになります。その企業やお店のことが好きな方にとっては情報として有益かもしれませんが、おそらくはほとんどの対象者にとっては、スパムメールとして認識されてしまうでしょう。

一方で送信対象をしっかりと絞り込んでおけば、メールを送られなかった顧客にはムダな広告が届いていないので、顧客エンゲージメントを低下させることはありません。

これらの絞り込みはすべて、CRM ツールを導入していれば可能です。自由なセグメント作成ができれば、思い描いた顧客の像に限りなく近づけることができます。

ステップメールの効果を最大化する


たとえば、リピート購入に効果を発揮するといわれているステップメール。商品購入日を始点として購入内容に沿ったメールを定期的に配信することで、お客様に寄り添うコミュニケーションでリピーターを創出し、優良顧客を育成するために活用するものです。

こうしたステップメールも、CRMツールやCDP(Customer Data Platform)に入っている顧客データと、それに紐づく行動履歴があれば、さまざまな条件で送信対象グループを作れるので、効果を最大限に高めることができます。

また、EC サイトで商品を買った人や、サービスを利用した人に対して送るお礼メール。ごく一般的な施策で、メールを送るだけならさほど難しくありませんが、より多くの購入に繋げるためには細やかなアフターフォローが必要です。CRM ツールによるセグメントデータを活用すれば、「A は買ったがB は買っていない」「最終来店から30 日以内」など、さまざまな軸での新しい条件を付与できます。ひとりひとりのお客様の状況を細かくメッシュをかけながら絞り込めば、より複雑で正確、かつ効果的なコミュニケーションも可能です。



成果が出ている13アクション

ここまでは、CRM施策におけるメールマーケティングで見落ちしがちな、配信精度とセグメントの重要性についてお伝えしました。

もうひとつCRM 施策の実践において重要なのが、顧客に対してアクションを起こすタイミングです。企業ごとに自社商品の特性や顧客属性を分析し、行っている施策はさまざま。その中でも、とりわけCRM 成功企業が行なっている13 の鉄板アクションを、タイミング型とターゲット型の2つに分けてご紹介します。

1. 初回購入客へのアクション


自社を知ってもらうために欠かせないのが、初回購入客へのアプローチです。この段階のお客様はまだ商品(モノ)の良さしか知りません。そこでご購入への感謝も兼ねて、ものづくりに対するこだわりや会社の考え方などをお礼メールとして訴求します。モノだけでなく、会社のファンになっていただけるようなコミュニケーションを図っていきます。そのためセールス色は抑え気味に。生産者の顔を見せたり、素材や原料の紹介をしたりすることが望ましいでしょう。

2. 効果や効能についての確認メール

商品発送後、13 日目だったり、到着後10 日目などタイミングは会社や商材ごとにまちまちですが、購入後ある一定の日数が経過した時点でメールを送ります。配信ポイントは商品やサービスの使用開始後で、効果があらわれる時期に合わせること。そこに「実際に使ってみていかがでしょうか?」とお伺いをたてるのです。サンプルの場合も同様で一週間分なら一週間後、30 日分なら30 日後に送ること。確認メールは何よりタイミングが重要です。

3. 他の顧客の声や成功体験のアピール

これもステップメールの一種で、実際に購入した顧客の声や利用実績、成功体験をアピールするものです。たとえば繰り返し購入される単品リピート商材の場合、いわゆる「定期コース」への移行と継続が最重要課題。このメールには少し強めのセールス要素、たとえばクーポンなどを付与するといった施策を盛り込むべきでしょう。365 日ほぼ毎日送信することになるので、自動化が効果に表れやすいアクションでもあります。

4.ご無沙汰メールによる離脱防止

たとえば最終購入日から半年以上お買い上げがないお客様は、何らかの理由で離脱状態と考えられます。そこに“ご無沙汰メール”を送ります。離脱の理由が何であれ、商品の購入検討時にお客様から第一想起されなければ選択肢にならないのが事実。定期的にコミュニケーションを取ることで、第一想起が得られるようにしましょう。ご挨拶だけでなく、過去の購入履歴から傾向を捉えて商品をレコメンドするのも有効です。

5.顧客の誕生日も有効活用


顧客の誕生日は、無理なく自然にオファーできるチャンスです。誕生日当日に送るものもあれば、当月いっぱい使えるクーポン、30 日前に送って誕生日まで使えるクーポンなど、バースデークーポンの種類はさまざま。顧客の誕生日は365 日すべてが当てはまるので、自動化により効率化と正確性向上といった恩恵が受けやすい施策です。

6.ポイント有効期限の活用

ポイントの有効期限が切れる前にお知らせすることで、休眠顧客を呼び戻せる可能性があります。おすすめの送信対象は使えるだけのポイントを保有しつつも、ある一定期間以上購入実績がない顧客。有効期限切れ半年前から定期的にアプローチしていくことが良いでしょう。

7.新商品のご案内



定番中の定番ともいえる施策です。新しい商品のリリースにあわせてお知らせメールを送ります。ご無沙汰メールの項でもお話していますが、顧客が商品購入を検討するときに第一想起されることがマーケティング成功のキーポイント。こまめなコミュニケーションの積み重ねを疎かにしてはいけません。

8.かご落ちフォロー


かご落ちフォローとは、カートに商品を入れたまま離脱した顧客にアプローチするものです。かご落ちの中には購入したと思い込んで離脱してしまったり、あとで購入しようと思って忘れてしまうケースもあります。そんなときに一声かければコンバージョン率を改善できます。お店側からすると、カートに入っている時点で在庫確保している可能性もあり、売れ筋商品だった場合は機会損失につながりかねません。

9.優良顧客へのシークレット販促

購入金額や回数など各社ごとに設定された「優良顧客の定義」を満たした顧客に、特別なオファーを送ります。もともと優良顧客はロイヤリティが高いので特別オファーもヒットしやすいのが特徴です。タイミングはさほど重要でなく、スポット的な配信でも効果は見込めます。逆に特別オファーにも反応がない場合、優良顧客からの離脱が考えられるので、その層にはまた別のアクションの検討が必要でしょう。

10.売れ筋ランキング

いくつかの施策をAB テストにかけた結果、最もパフォーマンスが良かったのが、「ランキング」だったという声が多くあります。もしやっていなければ、ぜひ試してみてはいかがでしょうか。パーソナライズできるのも特徴で、顧客ごと過去の購入実績と販売実績から差分を抽出し、買っていない商品だけでランク付けすることも可能です。ありふれた手法かも知れませんが、効果が出やすい施策のひとつといえます。

11.ピンポイント配信


たとえば「A」と「B」という商品の買い合わせが有効というデータがある場合、A の購入実績があるのにB が未購入の顧客には販売の伸びしろがあります。このように販売傾向に特徴のある商品を購入した顧客に絞り込み、特別な文面で配信する施策も鉄板アクションのひとつ。また、在庫が出た際に購入客の購買履歴から共通する別商品を抽出して該当商品の顧客層にアプローチするなど、ピンポイント施策は応用が効きます。

12.再ギフト購入実績の活用

商品と同時にラッピングをセット購入されている場合、ギフト需要であることがわかります。またギフトを贈るタイミングも明らかに。このデータを活用してギフト最適品のご案内を送る手法です。同じ商品を二度贈ることは考えにくいので、単品リピート商材には不向きといえます。ただし複数のアイテムを扱っているのであれば、会社やブランドのファンとなっている可能性もあるので試してみる価値はあります。

13.店舗送客への取り組み

最後にオンラインとオフラインの融合について。いわゆるOMO(※1)やオムニチャネル(※2)戦略に沿った仕掛けですが、実店舗への送客を促すアクションとしてセールのご案内やお店の新着情報などを提供します。オンラインと実店舗の両方で購入されるお客様は言うまでもなく優良顧客です。単独チャネルで買っている顧客より購入額も大きくなります。

まずはオンラインでの購買実績から優良顧客を抽出し、集中して送客を促すというアクションからはじめるのがベターでしょう。

※1:「Online Merges with Offline」の略。オンラインとオフラインを分けずにマーケティング戦略を進める概念。
※2:ネットや店舗、モバイルなどあらゆるチャネルで顧客と接点を持とうとする施策。



自社独自の鉄板アクションを生み出すためにシステムを活用する

13 の鉄板アクションは、売上を伸ばしている企業にとって定番の施策ばかりです。とはいえ、ゼロから今すぐすべてに取り組むのはハードルが高いので、優先順位をつけて1つ1つ実行していくのが良いでしょう。また、実際に試してみて効果的でないものはやめるべきです。そして、実施にあたっては、顧客情報や購買情報などのデータの整理と紐づけが必要です。

たとえば、購買実績と顧客の誕生日、さらにポイント管理がバラバラのシステムで運用されている場合、and 条件で抽出するだけで大きな工数がかかってしまいます。365 日毎日配信がマストのステップメールやお誕生日メール、それに加えてスポット配信も…ということになると膨大な作業量になります。また、PC、スマホ、タブレットなどデバイスにより異なる画面サイズに沿った出し分けも必要です。これらの作業負荷を軽減してくれるのがシステムの役割です。

また、いくら配信精度向上や鉄板アクションを行ったとしても、メールそのものを受信拒否されたら、アプローチできている顧客は全体の一握りかもしれません。全ての顧客を活性化するには、LINEやSMS など様々なチャネルを活用したアプローチが考えられます。いまや販促チャネルとターゲットの組み合わせは無数。そんな中、データ抽出やメール配信作業に追われるばかりでは新たな施策のキャッチアップがままならない上、販促コストはかさむ一方になります。

CRMツールを導入するならカスタマーリングス


そうなると、やはりシステムに任せられるところは自動化を進め、効果測定をしながら次のアクションを考えることに時間を割きたいものです。適切なCRMツールを導入すれば、バラバラのシステムでも自動でデータ統合ができ、顧客セグメントからアクションシナリオの実施、効果測定までの一連のサイクルを自動化できます。



CRMツールにはさまざまな製品がありますが、ECサイトBtoCサービスでCRMツールを導入するなら、「ITreview Best Software in Japan 2022(※)」に BtoC向けマーケティングオートメーションとして唯一選出された「カスタマーリングス」をおすすめします。

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さいごに

本記事では、CRM 先進企業はすでにやっている、メールマーケティングの鉄板アクション13選をご紹介しました。

「CRMに取り組みたいけど、どうすれば良いかわからない」
「ECサイトやサービスの売上アップに悩んでいた

など、マーケティングを推進する担当者が抱く疑問を解決する記事になっていれば幸いです。

本記事ではMAのメリットや具体例をご紹介しましたが、まだまだ豊富な事例がございます。「他社の活用事例が知りたい」「自社に合った活用方法を提案してほしい」という場合は、お気軽にお問い合わせください。

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