活用事例インタビュー
株式会社ワールドスポーツ 営業部CRM課 梅村 氏 / 坂本 氏 / 伊藤 氏

店舗とオンラインの体験を繋ぐOMOを推進する釣具のキャスティングの取り組み

株式会社ワールドスポーツ

営業部CRM課
梅村 氏 / 坂本 氏 / 伊藤 氏

株式会社ワールドスポーツ様 ロゴ

カスタマーリングスをもっと詳しく

導入後の成果

導入後

成果
  • メールを全配信からパーソナライズ配信にすることで、開封率が約10pt増加
  • ポイント失効するお客様や誕生日のお客様が自動でセグメントされることで、スタッフの手間が激減
  • データ活用が進み他部署からもデータ抽出を依頼されるなど、全社的な取り組みに発展

大型釣具店「釣具のキャスティング」を全国50店舗以上展開する株式会社ワールドスポーツは、さまざまなメーカーの釣具を店舗とECで販売している。Webサイトでは、釣り船予約サービスや釣り自慢コンテストなど、充実したコンテンツを幅広く展開。リピーターを多く抱えながら、新規顧客層の獲得にも励んできた。

店舗とECをシームレスに繋げるべく、キャスティングオンラインストアでは、リリース当時から店舗受取やコンビニ受取など、オムニチャネルを取り入れている。また、近年では店舗とECの垣根を取り除くため、OMOの取り組みを推進中だ。
※OMO:online marges with offlineの略

キャスティングオンラインストア

WEBサイトでは「釣り自慢」「釣り船予約」などのサービスを提供している。

カスタマーリングス導入前は
メール一斉送信による無駄が多かった

今ではオフライン、オンライン共に多方向から施策を展開している同社だが、カスタマーリングス導入前の販促は全てのお客様に一括で配信を行い、詳細なデータ分析もほとんどやっていない状態だったと営業部CRM課の坂本氏は話す。

「導入前の販促は新聞の折り込みチラシやDMなどの紙媒体がメインで、店舗がある商圏の住民の方にお配りするだけでした。メール配信も行っていましたが、アドレスを登録してくださったお客様に一斉送信していたため、ブラックバスのルアーのイベント情報を興味がない方にお送りしてしまい、関係ないとお叱りを受けることもありました。お客様情報を活用するには、データを一括管理しているシステム課へ連絡し、基幹データから情報を抽出してもらっていましたが、当時のデータ活用は販促費用を計算するために扱う程度でした」(坂本氏)

「紙媒体による販促は印刷や配送のコストがかさむ割に回収率は低く、DMをきっかけにどのぐらいのお客様に来店いただけたのか、実際にどのぐらい購買につながったのかという正確な反応率を把握できていませんでした。感覚的には効果が出ていると感じていたが、明確な数字を把握することができなかったのです」(梅村氏)

カスタマーリングス導入によるメリットは
顧客分析による適材適所の販促

カスタマーリングス導入のきっかけは5年ほど前、ちょうどマーケティングオートメーションという言葉が出始めた頃だった。前述の通り、紙媒体の販促からの脱却をメインに、顧客管理にも注力していくという目的で導入。導入後にまず取り組んだのは、購買履歴の分析からだったと坂本氏は話す。

「これまで肌感でやってきたものが、一気にデータを起点とした業務に切り替わったので大変助かりました。導入前はお客様個人の購買データこそ把握できていたものの、特定商品の販売実績からお客様を割り出すということが非常に難しく、全体の購買履歴や単品販売データを出し、レジデータに紐づく会員ナンバーを抽出して、そこから調べる必要がありました。行動からお客様を抽出するということができていなかったため、詳細を把握できる今の状態は非常に助かっています」(坂本氏)

現在は購買情報を元に、よりお客様にパーソナライズした商品をメールで提案。それまで施策の多くが一斉配信に近い状況だったが、2020年から購買情報を起点に1to1に近づけた形での商品レコメンドメール配信を始めたところ、メールに対する反応が良くなったという。

「これまでは、Aの商品を購入したお客様であればおそらくBの商品を購入するだろうという予測だけでやってきました。ところがカスタマーリングス導入後にデータを見ると、予測通りではないことが多いことに気づかされました。お客様の動きがデータで可視化されたことで、店舗でのノウハウ(経験的予測)とのギャップが分かり、併売品の傾向や併売人数において新たな気づきが得られました。

その気づきからそれぞれのお客様に合わせた配信の重要性を実感したので、今後は施策の種類を増やしたり、内容のブラッシュアップを進めて行きたいですね。カスタマーリングス導入前までは、ECで確信を持って類似商品をレコメンドすることが難しかったのですが、顧客や商品を軸にした分析と施策が実現できたことで、オンラインでも店舗と同じアプローチが可能になりました。実際にどのぐらいのお客様がオススメ商品をクリックして、購入に至ったかどうかということまで見られるようになったのは大きいと感じています」(坂本氏)

メルマガ会員15万人中、実際に送信しているのは13万人程度だが、メール開封率はもともと高く、2020年3月時点で21%、パーソナライズ化したメール施策を行った後は開封率が33~34%と10pt程度増加した。同社ではメール配信後の購買有無で施策の効果を測っているが、「アクティブなお客様にレコメンドすると、30日以内に3割程度のユーザーが何かしらの商品を購入するということがわかり、非常に効果の高い数字が出ていることをみんなで実感しましたね」(梅村氏)

さらにカスタマーリングスの導入による業務や分析面での変化についても尋ねると、「顧客抽出を毎回行う必要がなくなったこと」という答えが返ってきた。会員ポイントが失効するお客様へのリマインドメールのほか、誕生日を迎えるお客様へ前月にクーポンメールの配信などをおこなっているが、これらの顧客抽出を毎回行うとなると非常に手間かかる。それが自動で抽出されるようになったことで、スタッフの負担を大きく減らすことが出来たという。また、会社全体でデータを活用する機運も高まってきている。「他部署からデータ抽出を頼まれることが増えてきているなど、会社としてデータに対する興味や関与度が上がってきていますね」(伊藤氏)

「適材適所の販促ができるようになったことで、精度の高い販促が出来るようになったことは最大のメリットですね。これまで購買履歴しか把握できていませんでしたが、顧客の行動まで分析できるようになったことで、新たな発想が生まれるようになりました。今後より連携する項目を増やせば、さらに多くの情報が活用でき、有意義な販促活動につながると確信しています」(坂本氏)

株式会社ワールドスポーツ 営業部CRM課の梅村氏、坂本氏、伊藤氏

株式会社ワールドスポーツ 営業部CRM課の梅村氏、坂本氏、伊藤氏

シナリオ配信を含むMA配信の強化と併売提案で
よりお客様とのつながりを強めたい

カスタマーリングスのサポートについては「集計データの活用など、細かな設定方法についても電話口で細かく教えていただけるので非常にありがたいですね」(坂本氏)「FAQを見てよく細かい問い合わせをしているのですが、非常にレスポンスが早く助かっています」(伊藤氏)との回答を頂いた。今後はお客様の行動軸でのメール施策を増やしていくことで、お客様との継続的な繋がりの強化を図りたいと考えており「これからもサポートには期待しています」と話す。

「施策は継続的に続けていかないとお客様は離れていってしまうので、少なくとも週に1回は何かしらのアプローチをしていきたいと考えています。具体的には、釣り自慢コンテストへの投稿や抽選ページへの応募等、お客様の行動に合わせた内容の出し分けです。それから、アクティブなお客様にはより特別なご提案をお届けして、最終的には旅行業の資格を取得したスタッフと共に行くツアーにご案内できればと思っています。また、現在実施している購買起点でのメールに関しても、施策の継続・拡大をしつつ、よりパーソナライズした内容へとブラッシュアップしていきたいと考えています」

今後の施策としては、シナリオ配信を含むMA配信の強化と購買商品からの併売提案などを実施し、開封率・反応率の向上を図り、かつお客様のWeb上での行動も組み合わせて提案をしていくことを考えているという。これまでは商品の購入に対してアクションを起こしてきたが、「今後は会員登録を起点として、お客様に寄り添った施策をシナリオ化し、顧客に合わせたアクションを実施することで、よりお客様とのつながりを強めたい」と結んだ。