活用事例インタビュー
株式会社リーガルコーポレーション 営業統括本部 副本部長 兼 ネットコマース部 部長 秋葉 氏 ネットコマース部 デジタルコミュニケーション課 課長 佐野 氏 ネットコマース部 デジタルコミュニケーション課 北住 氏

中期経営計画の中心にある「顧客体験価値」を向上すべく、顧客分析をもとにした幅広い施策を実現

株式会社リーガルコーポレーション

営業統括本部 副本部長 兼 ネットコマース部 部長 秋葉 氏
ネットコマース部 デジタルコミュニケーション課 課長 佐野 氏
ネットコマース部 デジタルコミュニケーション課 北住 氏

株式会社リーガルコーポレーション様 ロゴ

カスタマーリングスをもっと詳しく

導入前の課題

導入前

課題
  • 会員組織を開始して50年以上経つがDM以外に活用できていなかった
  • 購買データを活用して施策を打ちたかったが、当時のシステムでは難しかった

導入の決め手

  • 顧客分析などやりたいことがすべて実現できる
  • 追加施策に合わせたデータの追加や拡張、機能のカスタイマイズができる
  • わかりやすい操作性

導入後の成果

導入後

成果
  • コストも作業工数も削減されただけでなく、分析→施策のサイクルが整い精度も上がった
  • スタッフスタートとの連携で、50%近くがスタッフスタート経由での購入になった
  • 顧客分析によって長年のファンを可視化できるようになった
  • お客様から寄せられるポジティブな意見を店舗スタッフにも共有し、モチベーション向上に寄与
  • アクセスログを通してECの貢献度が見えるようになった

「靴を通して、お客さまに足元から美と健康を提供する」をミッションに、1902年の創業以来、120年以上にわたって靴の企画・製造・販売を行っている株式会社リーガルコーポレーション。会員向けサービスも50年以上前に開始するなど、老舗ならではの安定感で顧客を大切にしてきた。しかし既存のシステムでは会社としてやりたいことが実現できず、2年前にカスタマーリングスを導入した同社にはどのような変化が見られたのだろうか。CRM施策について、ネットコマース部 デジタルコミュニケーション課の佐野氏と北住氏、秋葉氏に話を伺った。

会員組織の歴史が50年以上あるにも関わらず
うまく回せていないという課題を感じていた

──貴社の事業について教えてください。

1902年の創業以来、一貫して靴の企画・製造・販売を行なっています。国内にある3つの自社工場では、主力ブランドの「リーガル」や「シェットランドフォックス」を中心に生産し、国内外の協力工場・メーカーからの調達と合わせて年間120万足以上を製造・調達をしています。主力のリーガルの専門店「REGAL SHOES」は、直営/フランチャイズ合わせて全国で約120店舗を展開。また、弊社ブランドショップ「SHETLAND FOX」や「KENFORD」、総合ショップ「FIT-IN」、「camelot」、公式オンラインショップの「REGAL ONLINE SHOP」をはじめ、直営アウトレット「REGAL FACTORY STORE」など全国展開しています。

製品

──カスタマーリングス導入前は、どのようなCRMの課題を抱えていたのでしょうか。

秋葉氏:弊社はリーガルメンバーズの前進でありますREGAL CLUBという会員組織を1970年に開始し、50年以上の歴史があります。それにも関わらず、会員データをDM販促施策以外にうまく活用できていないと感じており、かなり前からCRMシステムの導入を検討していました。
検討と並行して施策は進めており、ECと実店舗の会員組織が統一されておらず、さらに実店舗においてもリーガルシューズと他のブランドショップでは別の会員組織だったため段階を踏んで会員組織を統合していき、2020年2月からはEC会員とリアル店舗会員の購買データも紐づけるようにしたので、そのデータを活用して施策を打ちたかったものの、当時活用していたシステムでは難しいという課題を抱えていました。

秋葉様

──そのような課題の中でカスタマーリングス導入の決め手になったのは何だったのでしょうか?

秋葉氏:ざっくりいうと弊社のやりたいことを実現できるという点が大きかったですね。
具体的には、販促と既存顧客のロイヤリティ向上を目的にしていましたが、将来的なことを考えた際に、新施策に向けて新たなデータを追加したり、活用範囲の拡張や利用機能のカスタイマイズしたりできる点が特に気に入りました。また、顧客分析をしてお客様の声を商品開発やサービス改善などに生かしていきたいという狙いもあったので、カスタマーリングスはこの点もマッチしていました。
最終的に4社のサービスを比較しましたが、使いやすそうという点で実務担当者からの評価も高く、コストもリーズナブルということでほぼ満場一致でカスタマーリングスを導入することになったのです。

導入後は作業工数が削減されるだけでなく精度も向上
これまでとはあらゆる面で大きな違いが表れるように

──カスタマーリングスを活用した施策について教えてください。

北住氏:最初に取り組んだのが、F2転換のステップメールです。
5パターンのステップメールを配信するという施策ですが、リーガルメンバーズに新規で入会してくださった初回購入の方に対し、2足目をすぐにご提案するのではなく、すでにご購入いただいた1足目の靴の状態をお尋ねするなどしてより最初のつながりを深められるようにしました。結果的にF2転換が30%近くなり、実施の有無で8%ほどの違いが見られています。

F2転換に向けたステップ施策

──ステップメールはなぜパターンを5つにしたのでしょうか。

北住氏:F2転換するにあたり、どのような情報があったら嬉しいのかを社内で議論し、購入の有無それぞれに適した内容を考えました。たとえば、未購入者様にはお店のファンになっていただけるようなサービスについてお知らせし、ご購入者様にはお手入れ方法をはじめとした靴の豆知識をお伝えするなど、それぞれに合わせた有益な情報をお届けするようにしました。
ステップメールは当初ご購入者様のみを対象としていましたが、施策を走らせている中でファンを増やす施策として未購入の方にもメールをお送りする方向にシフトしました。
走りながら気づいたポイントに対し、新たな施策としてすぐに着手できるのも助かってます。

──その他の施策はいかがですか。

北住氏:アンケート機能を活用してお客様の声の収集も実施しています。リーガルメンバーズの会員様に対して満足度の調査を行い、回答率は大体10%ほどで約3,000件の回収ができています。収集したお客様の声は、今後のサービス内容のブラッシュアップにつなげる貴重な材料として、まさに今、結果データを見極めながら今後の施策を考えているところです。

カスタマーリングスは、どのぐらいの周期や頻度で購入してくださっているのかという購買行動を含めて、分析を見た結果どの要素がロイヤリティにつながっているのかという点が非常に見やすくていいですね。

北住様

──日々増えていく会員データはどのように管理しているのでしょうか。

秋葉氏:以前は週に1回手書きのDMやメルマガを送付しており、送り先のリスト作成にコストも工数もかかっていました。また、週1回のメルマガの場合、入会時期や返品などで周期がずれてしまっていた点も課題でしたが、カスタマーリングス導入後は工数も削減されて精度も上がり、これまでとは雲泥の差です。施策の効果集計も見やすく、非常に助かっています。

──貴社はスタッフスタートとの連携もされていますが、実施されていかがでしょうか。

北住氏:靴をご購入してくださったお客様に、その靴のコーディネートをご案内できればと考えていたところ、カスタマーリングスに「スタッフスタート」と連携する新機能が加わったとご案内いただき実施に至りました。

連携後は、リピーター様へのステップメールの中に、ご購入いただいた靴のコーディネートを追加できるようになりました。並び替えやランキング表示などもあるため、それぞれのお客様にマッチしたご提案ができています。

この施策は店舗スタッフが起点となっているため、店舗とお客様のつながりのきっかけ作りにもなりました。現在は月に1,000着の投稿が上がっていて、50%近くがスタッフスタート経由での購入になっているため、スタッフのモチベーション向上にもつながっています。

スタッフスタート連携

また、店舗関連の施策で「ネットで注文、店舗でお試しサービス」でご注文くださった方に、店舗に商品が到着した段階でお知らせメールを行う施策というものも実施しています。
我々が取り扱う靴という製品の特性上、店舗スタッフを伴った状態でのフィッティングが重要だと考えています。
そのため、「ネットで注文、店舗でお試しサービス」をご利用されたお客様に対しても試着のご案内メールをお送りしていましたが、以前は倉庫からの発送時のみにメールをお送りする形になっていました。ところがカスタマーリングスで実施した満足度アンケートの中に「店舗に届いたタイミングで連絡が欲しい」とのご意見があり到着メールの実施に至ったのです。
まさにお客様の声を可視化したからこそ実施できた施策です。

秋葉氏:今回の施策を実現するために顧客情報ではない靴の到着情報をリアルタイムにカスタマーリングスに連携したのですが、これこそ導入時に期待していた「柔軟なカスタマイズ性」で非常に満足しています。日中定時タスクの連携は、カスタマーリングスさん側にご協力いただいて実現できたことで、これはもう感謝しきりです。発注のタイミングなど、リアルタイム性が重要だと常々考えてはいたもののなかなか実現が難しかったのですが、今は計4回のデータ連携を実現できており、常に状況をリアルタイムに近い状態で把握することができています。

中期経営計画では大きなテーマが「顧客」になり
会社全体で「顧客体験価値を高めていく」という方向にシフト

──当初の導入の目的であった顧客分析の中で、特に重宝していることがあれば教えてください

北住氏:これまではRFM軸でお客様を分析していましたが、今はRFMと併せてCPM軸の分析も実施し、モニタリングするようになりました。
CPMを細切れにした状況をExcelをクリックするだけで書き出せる環境になったので、スピード感が増しましたね。以前は結構な工数と時間がかかっていましたが、今はそれもなく、常に新しい情報をタイムリーに確認できるからこそ、クイックに実施できています。セグメントされた優良顧客に対してどう施策を打っていくかという点は、今後の課題になっていくのではないでしょうか。

──他に顧客分析を通して感じた変化はありますか?

秋葉氏:導入以前から累計購入金額は分かっていましたが、どのお客様がいつからリーガルメンバーズに在籍してくださっているかが見えていませんでした。しかし、カスタマーリングスを活用し、お客様データの中にある最古日付から長くファンでいてくださっている方を可視化できるようになったのです。分析結果は、社内イントラに掲載したりメールで共有したりしています。それにより、店舗担当のマネージャーやエリア長がいつでも見られるようになりましたし、社員から「このような分析を追加して欲しい」といった前向きな声も上がるようになりました。

北住氏:また、その他にもアンケートの中に「購入店舗についてご自由にお答えください」という欄を設けてテキストで寄せられたデータをワードクラウドで可視化していますが、「丁寧」などポジティブな意見が多く寄せられています。そのようなお客様のお声は店舗スタッフにも共有し、モチベーション向上に寄与しています。

アンケート結果をワードクラウドで店舗へ共有

その他にもアクセスログのデータと購買データを掛け合わせたことで得られた新たな発見もありました。たとえば、ECを見てから店舗に来てくださるお客様は、全体的に購入単価が高いことが分かったのです。アクセスログを通してECの貢献度が見えたというのは大きいと思います。
ECをどのぐらい閲覧してくださっているのかという点は、今後、弊社のファンだと認識する1つの軸になるかもしれません。

──数値以外に得られた導入後の社内における変化についても教えてください。

秋葉氏:2023年に発表した中期経営計画で、全社戦略が「顧客経験価値の創造」になりました。顧客データを活用してお客様を見える化し、お客様とより多くの接点を持つ。顧客経験価値を高めていくという方向にシフトしたことが、会社にとって大きな変化なのではないでしょうか。

現状の施策をさらに細分化して
お客様一人ひとりに合ったご提案や情報提供で個々の心に飛び込んでいきたい

──最後に今後の展望について教えてください。

佐野氏:次回の購入時期を分析で可視化して、アプローチしていきたいと考えています。靴を購入されたのか、シューケアを購入されたのかなど細かい部分まで見ていき、最終購入日から個々の購入動機や潜在ニーズを予測したいですね。
また、定番の靴のリピーター様には、すでに1回目と2回目の購入日数を分析して次のご案内メールをお送りしていますが、今後は他のラインナップにも広げていきたいと考えています。優良顧客が可視化できるようになったので、その方々に向けた還元をしていきたいですね。現状の施策をさらに細分化して、お客様一人ひとりに合ったご提案や情報のご提供をしながら個々の心に飛び込んでいきたいです。

佐野様