活用事例インタビュー
オリオンビール株式会社 マーケティング本部 マーケティングコミュニケーション/EC部 課長 妻夫木 友也氏

Shopify連携で細やかなCRM施策を実現し
沖縄ファンのリピーターを拡大

オリオンビール株式会社

マーケティング本部 マーケティングコミュニケーション/EC部
課長 妻夫木 友也氏

オリオンビール株式会社様 ロゴ

カスタマーリングスをもっと詳しく

導入前の課題

導入前

課題
  • メール配信は、一斉配信がほとんど
  • 都度手作業でセグメント作成から配信まで行っており、膨大な工数がかかっていた
  • CRMを活用してロイヤリティを上げていく必要があった

導入の決め手

  • Shopifyとの連携が可能
  • 痒いところに手が届くセグメント機能、分析機能、レポーティング機能
  • 定例での支援体制

導入後の成果

導入後

成果
  • セグメント作成からメール配信までほぼ自動化
  • シナリオメール、離脱防止メール、バースデーメール施策で、ECの売上に貢献
  • 顧客に紐づいたアンケート分析の結果を、サービスレベルの調整や商品作成などの重要な意思決定に活用
  • 顧客軸の分析によって顧客の解像度があがり、ネーミングや打ち出し方に活用
  • リアルなお客様の行動がチームに共有できたことで、社内でコミュニケーションが活性化

沖縄が誇るビールメーカーとして、1957年の創業以来多くの人に愛され、大手4社(キリン、アサヒ、サントリー、サッポロ)に次ぐ国内5位のシェアを持つオリオンビール株式会社。2020年に運営を開始したECサイトでは、アルコール類のみならず、オリジナルグッズや厳選した沖縄県産品も販売している。同社でEC業務を担う妻夫木氏に、カスタマーリングスを活用したCRM戦略について話を伺った。

「沖縄時間をお届けする」をコンセプトに、
自社商品を含む幅広い製品で沖縄の魅力を発信

──御社の事業や主力商品について教えてください。

妻夫木氏:オリオンビールは、沖縄のビールメーカーとして1957年に創業。そこから65年以上にわたって、地域社会に支えられて成長してきました。現在は「沖縄から、人を、場を、世界を、笑顔に。」というミッションを掲げ、県産ビール酵母や大麦、やんばるの水、そして果実に至るまで、沖縄県産素材にこだわった商品を日本全国、海外に展開しています。

ECサイトは2020年7月に立ち上げ、沖縄県外に住む沖縄Loverの方に「沖縄時間をお届けする」をコンセプトに、幅広い製品を取り扱っています。琉球泡盛や食品など沖縄県産品のほか、グラスやTシャツなどのグッズも販売しており、実は自社製品以外のものも多いです。

──所属部署の業務内容についても教えてください。

妻夫木氏:私の担当業務はECで、沖縄県外のお客様に向けて、オンラインで自社商品と沖縄の魅力ある商品を発信しています。ECサイトの運営の他に、専用商品の開発からお客様とのコミュニケーションまで担っています。

導入前はメルマガのセグメント作成から配信まで
都度手作業で実施し工数がかかっていた

──カスタマーリングス導入前の施策について教えてください。

妻夫木氏:カスタマーリングスの導入前のメール配信は、一斉配信がほとんどでした。F1顧客や未購入の会員様に配信するなど、ECのプラットフォームとして使っているShopify上では簡単なセグメントを作成することもありましたが、都度手作業で行っていたので、セグメント作成から配信までの工数がかかっていましたね。分析面では、ECシステムやGAで個別の施策の成果を見ている状況でした。

──CRM検討にあたっては、どのような想いがあったのでしょうか。

EC立ち上げの段階から、「沖縄Loverに愛されたい」という想いがあり、主に定期購入の促進を視野に入れていました。こうした中で、立ち上げ後は、CRMを活用してロイヤリティを上げていく必要があるという想定もありました。

GAはスポットでWEB上の行動を確認することはできますが、お客様個人で捉えた時にどう育っていったかを把握するのは難しい。向こう3年を考えた時に、最も費用対効果が高く、やりたいことが叶うツールの導入を早い段階から検討しなければと思っていました。

──カスタマーリングスを導入したきっかけ、また決め手となったのはどのような点でしたか?

妻夫木氏:導入の目的は、お客様満足度の向上、結果としてのLTVの向上を実現することでした。サービスを選ぶ際には、まず当社がECシステムとして利用しているShopifyとの連携が可能なものだけに絞りました。カスタマーリングスに決めたのは、Shopifyとの連携が可能なことと、お客様を軸に、きめ細やかな分析ができる機能を備えており、やりたいことが実現できると感じたからです。分析だけでなく、レポーティング機能や痒いところに手が届くセグメントに魅力を感じました。

また、PDCAを一緒に回していただけるかも選定のポイントとしました。御社は導入後の定例サポートで支援いただける体制があったため、それは大きな決め手だったと思います。

3つのメール配信施策で顧客とのつながりを強化。
アンケートでは意思決定の品質とスピードが向上

──カスタマーリングス導入後に見えてきたことや取り組まれていることについて教えてください。

主にメール配信施策に取り組んでいます。

1つ目に、定期購入をご案内するシナリオメール。
カスタマーリングス導入時に目的としていたのは「継続して購入してくださるお客様を増やす」こと。そのため、商材ごとに定期購入をご案内するシナリオメールを担当コンサルタントの方と擦り合わせしながら構築しました。

数値面で見ると、開封率・クリック率・CV率ともに高い実績が出ています。継続して商品の良さを伝えられたことで、購入に繋がるお客様さまもいます。

2つ目は、離脱防止メールです。
当社では最終出荷日を起点に配信するシナリオを構築し、セグメント作成から配信まで自動化しました。

3つ目は、誕生日当日に送るバースデーメールです。
お客様の誕生日に合わせた配信は細かなセグメントが必要で、カスタマーリングス導入前、都度手作業でセグメントを作成していた頃は膨大な工数がかかるため、できませんでした。カスタマーリングス導入後は、一度設定してしまえば、あとは自動でセグメントが更新され、誕生日当日にメールが配信される仕組みが構築できました。こちらも開封率、クリック率、CV率の面で、特に良い反応をいただけています。

このような施策を通じて顧客とのつながりを強化することで、ECの売上にも貢献しています。

──メール配信施策以外にも、カスタマーリングスで取り組まれていることはありますか?

妻夫木氏:カスタマーリングス上で、アンケートを作成・配信・収集・属性別に集計・分析しています。
アンケート機能で最も助かっているのが、サービスの方針を決める際、事前に直接お客様の声を聞くことができる点です。
例えば、定期宅配サービスをご契約されている方と、興味はあるけれど契約していない方にアンケートを取ったところ、定期宅配サービスに対して「家を長く空けてしまうときに困る」「時期によって必要な量に波がある」などのお困りごとや要望が分かり、定期購入のスキップ制度を導入に繋がりました。
サービスレベルの調整や商品作成などの重要な意思決定に役立っています。

当社のアンケートは1テーマにつき1,000件以上集まります。個別にヒアリングするよりも多くのお客様の声を聞くことができますし、そのまま集計できるので工数削減になっています。
具体的には、「沖縄ファンアンケート」などにおいて、カスタマーリングス上で2軸を掛け合わせて定量集計したり、フリーアンサー(自由回答)などの定性情報はカスタマーリングス内のテキストマイニング機能を使ったりして分析しています。アクセス状況や購買関連のデータ集計だけであればShopifyやGAでもできますが、カスタマーリングスはその結果が顧客情報と紐づけられる点が良いですね。意思決定の品質とスピードを上げるのに非常に役立っています。

定期宅配サービスのレベルが大幅に改善。
顧客軸での分析は、カスタマーリングスの強み

──カスタマーリングスの分析面での活用についてもお聞かせください。

妻夫木氏:主に初回商材別の継続率分析、CPM分析、定期メールの効果集計に活用しています。それ以外にも、サービスに対して足りないと思っていること、沖縄やオリオンビールを楽しんでいただいているポイントのアンケートを収集・分析しています。

──分析結果から分かったことと、そのことが活かされた施策があれば教えてください。

妻夫木氏:まず、定期宅配サービスのサービスレベルが改善されました。ご契約期間中のコース変更機能もお客様アンケートを経て導入したサービスです。

他にも沖縄グルメ商品の拡充など、分析結果が商品開発やプロモーションに活かされています。
顧客軸での分析は、カスタマーリングスの強み。

たとえばアンケートの回答で「夕日を見ながらビールを飲むのが最高!」というキーワードがお客様から出てきたら、「沖縄の夕日スポット8選」というような記事を作ってメルマガでお送りし、同時に夕日を見ながら飲みたいビールのご提案を行うなど、日々のお客様とのコミュニケーションにも生かしています。

他にも「誰とどんなシーンで飲んでくださっているのか」といった質問では次の企画に繋がるような気づきを得たり、頭の中のペルソナをチューニングしたりするのにとても使えます。

セグメントメールの自動配信を実現し、工数削減。
カスタマーリングスの顧客軸による見える化で
社内にポジティブコミュニケーションが生み出される

──お客様の実態をデータから把握することで、どのようなことに活かしていますか?

妻夫木氏:商品開発やサービスレベルの調整に活かしています。例えば、アンケートの分析から個客のデータに注目したことで仮説やアイデアが生まれて、実際の販促施策として展開しました。
他にも「家族のいる40代男性の場合はこのくらいのサイクルでご購入してくださっている」ということや、主要な購入商品の組み合わせが分かりました。次の施策に活かせる気づきはいくつもあります。

──販促施策への活用の他にも、活用できていることがあれば教えてください。

頭に浮かぶペルソナが明確になって解像度が高まったことで、ネーミングや打ち出し方にも活用できています。ECサイトでは「キャンプ&アウトドア特集」と銘打って商品を紹介していますが、BBQやキャンプということでビールやチューハイの組み合わせをセレクトしたり、「ベランピングセット」という名前でオリジナルデザインのアウトドアグッズお勧めしたり、そんなことも実際にやっています。

──お客様に対する理解が深まり、いろいろなところに発想が活きていくというわけですね。

妻夫木氏:よく1人のお客様のデータからアイデアを膨らませて施策を考えますが、基本的には「この商品が好きなお客様に、どのようにご提案しよう」というように、自分たちの知り合いに紹介するような感覚でやっています。KPIを追うだけではなく、生身の人間に対してオンラインでコミュニケーションするという感覚を持って、データからどう感じるか、どう気づきを得るかということが重要だと考えています。

──では、数値以外に得られた導入後の効果・変化についてはいかがでしょうか。

妻夫木氏:カスタマーリングスを導入したことで、一度設定すれば手をかけずにメール配信ができるようになりました。 セグメントメールを都度手動で配信する手間がなくなり、今ではすべてカスタマーリングスに自動配信でお任せしています。旬の情報を発信するメールにだけ集中し、ピンポイントのセグメントに送る施策はほぼ自動化するなど、用途に合わせて使い分けています。

──顧客の理解が深まり、施策実行が効率化されたことで、他にどのような変化がありましたか?

業務においては、バックヤード、委託先、カスタマーサポートなどを含んだチーム全体で喜べることがとても大切だと考えています。そのためには、顧客軸でないと生々しくありません。数値や売上だけで分析すると、商品軸や注文軸、どのセグメントでの購入があるかという話になりがちですが、カスタマーリングスのおかげで顧客軸に立って見ることができる足場を設けることができました。

顧客軸で考えられているからこそ、「初回ご購入の翌日にサブスクに入ってくださった」「去年いくつもギフトをご購入くださったお客様が今年も戻ってきてくださった」といったファクトがチームに共有できて、ポジティブなコミュニケーションが生まれています。それが最も大きな変化ではないでしょうか。「この商品が購入されました」「セッションが増えました」といったことでは現実味がないので、「このお客様が喜んでいるよ」というようなことをお互いに伝え合っていければと思っています。

月次のPDCAミーティングと手厚いサポートで
メリハリがついた

──カスタマーリングスのサポートについてもお聞かせください。

妻夫木氏:月次のPDCAミーティングでは、実現したいことお伝えするとその場で解決してくださったり、カスタマーリングスで実現可能なことをご提案いただいたりして、運用・改善の時間が取れない中でも少しずつ前に進められています。

常時複数のシステムを使っていることもあって期日がないとダラダラしてしまいがちですが、「次の定例までにやっておこう」「次の打ち合わせで質問しよう」と思いながら進められるので、メリハリがつきました。「こんなことをやりたいけれど、事例はありますか?」と伺うとすぐにお返事をいただけるなど、サポートに関しては非常に満足しています。

今後の目標は
LINE接点の活性化とアンケート機能の活用

──最後に今後の展望について教えてください。

妻夫木氏:今後は、LINEで接点をもつお客様とのつながりを強化していきたいと考えています。LINE利用のお客様も多いので、お客様に必要な情報を届け、商品を魅力的に感じていただけるように変化を起こしていきたいと考えています。また、タイムリーに、お客様のことを知ることができるようなアンケート活用とサービスへの反映も考えています。

もう1つは、アンケート機能の活用です。今後はビールファン、チューハイファン、グッズが好きな方、沖縄グルメが好きな方など、それぞれの趣味趣向を加味した上で、アンケートでお客様の声を聞いて、商品やサービスのレベルアップに使用できるようにしていきたいですね。