活用事例インタビュー
株式会社HRC CRM課 飯塚 氏 / 小澤 氏

導入の決め手は
流入チャネル別のLTVが見られるなど、
細かい分析ができるところ

株式会社HRC

CRM課
飯塚 氏 / 小澤 氏

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カスタマーリングスをもっと詳しく

導入前の課題

導入前

課題
  • メール配信のセグメントが細かく分けられず困っていた
  • 前ツールでは同時に多くのメール施策が運用される中で、1つの設定ごとに10分ほどの手間がかかることで、全ての設定に対する処理時間が負担になっていた
  • DMの分析では、何回目の購入者が反応しているのかといった細かな分析ができなかった
  • CVRが上がった理由を表面的にしか捉えられず、お客様の状況を理解した施策が行えていなかった

導入の決め手

  • 流入チャネル別のLTVが見られるなど、細かい分析ができるところ
  • メールの最適時間帯配信機能があるので、私たちの考えでもある「適切な情報と充実したアフターフォローの提供」を実現できるのではないかと感じたこと

導入後の成果

導入後

成果
  • 分析に2-3時間かかっていた工数が10分の1以下に短縮できた
  • 単品から定期への転換率が約2%改善、メルマガの開封率は2~3%改善した
  • 施策及び分析の工数が削減できたことで、データに向き合う時間が生み出され、以下のような効果が発揮された
    1. ①単品から定期への転換率をしっかり可視化できるようになり、リピート促進やキャンペーン企画を増やそうという考えにシフトできた
    2. ②アンケートデータを活用し、情報発信の見直しなどに活かすことができるようになった
    3. ③定期への転換者と非転換者とのギャップを見る際に購入回数で分析した結果、社内の人間が感じている商品の効果を顧客にも感じてもらえていると実感できた

「理想の姿を叶える」というミッションのもと、バストケア商材を中心とした女性向け美容商材を扱う株式会社HRC。商品企画から販売、顧客へのアフターフォロー等を行っており、人気商品の「VIAGE | ビューティアップナイトブラ」や特別設計を施した「LUNAナチュラルアップナイトブラ」など、補正下着や美容関連商品を販売している。購入者は20代以上が多く、これまで同社ではお客様1人1人の伴走者という立ち位置で事業を展開してきた。「理想の姿を叶える」を実現すべく、お客様に喜んでいただくためのサービス企画を展開するCRM課の飯塚氏と小澤氏に、同社のCRM戦略について話を伺った。

同社の主力商品であるVIAGEビューティアップナイトブラ

同社の主力商品であるVIAGEビューティアップナイトブラ

導入前の最重要課題は『リピーター育成』

──所属部署のミッションについて教えてください。

飯塚様:「お客様に喜んでいただくためのサービスを企画すること」が私たちの部署のミッションです。弊社の理念でもある「理想の姿を叶える」を実現するためには、お客様が必要とする情報をただお届けするのではなく、ワクワク感を形にしていくことが私たちの使命だと考えています。ご家族や友人、大切な人からのプレゼントを楽しみに待つように、私たちからの贈り物も心待ちにしていただきたい。そのためには、私たち自身が楽しみながら企画する必要があると考えています。

──カスタマーリングスを導入するに至った経緯と導入の目的について教えてください。

飯塚様:私たちはこれまで、リピーター様の育成を最重要課題として取り組んできました。ナイトブラは、商材の性質上、定期的に買い替えることが少ない商品です。そこで弊社では、定期的に買い替えていただくために定期コースを設け、その引き上げに取り組んできました。それと同時に、お客様のマインド自体を変える必要性があると感じ、定期的に買い替えることの意義もお伝えしてきましたが、なかなか浸透していないということがアンケートで顕著に出ていたのです。そこでカスタマーリングスの導入を考えるようになりました。

──「リピーターの育成」や「単品から定期購入への引き上げ」のほかに、カスタマーリングス導入前はどのような課題を抱えていたのでしょうか。

飯塚様:メール配信に関しては、セグメントが細分化できないという課題がありました。それまで購入した商品ごとにセグメントを切ることはできていましたが、年齢などの属性で細かく分けられず、しかも使用していたツールが重かったため、更新するのに10分ほどの時間を要し、工数がかかってしまうことも課題だったのです。

以前からDMの送付も行っていましたが、顧客リストを作成するにあたり、何回目の購入者が最も反応しているのかといった細かな分析もできていませんでした。表面上で見えているCVRや単価の上昇でしか、効果を測れていなかったのです。数字の書き出しはExcelなどを駆使して自分たちでフォーマットを作って行っていましたが、結局ツールの中に蓄積されたデータを細かく見る機能が無かったため、分析の深掘りができない点が一番の課題でした。

それ以外にも、初回購入からリピーターになってくださるまでの過程が追えないことも悩みの種でした。弊社としては、2ヶ月サイクルでナイトブラを買い替えていただきたかったので、そのタイミングでDMをお送りしていました。ですが、中には2ヶ月より早いスパンでご購入くださる方もいらっしゃるので、DM対象者の中にはすでに2回目の購入を済ませたお客様も含まれていたのです。その結果、CVRが上がった理由をクリエイティブやキャッチコピーによるものではないかというような理由でしか評価できていませんでした。そのため、お客様の購入回数や、継続期間といったお客様の状況を把握した上での施策を行うことができていませんでした。このように、カスタマーリングス導入前はお客様を理解した上でのPDCAの回し方ができず、深い分析に至っていませんでした。

導入の決め手は『流入チャネル別LTVなどの細かい分析ができること』

──そのような状況の中、カスタマーリングスの導入の決め手は何だったのでしょうか。

飯塚様:私たちの考えでもある「適切な情報と充実したアフターフォローの提供」を実現できる機能が、カスタマーリングスに備わっていたからです。具体的には、様々な広告の入り口がある中で、流入チャネル別のLTVが見られるというような細かい分析もできることが1番の決め手でした。その他にも「詳細なセグメント作成ができる点」「分析の深堀りができる点」「メールの最適時間帯配信ができる点」などもきっかけの一つです。

また、メールの最適時間帯配信ができる機能に関しては、こちらがどんなにメールで情報を発信しても、見ていただけないとなると情報を発信している意味がありません。弊社はお客様の伴走者という立ち位置で商品を販売させていただいているので、フォローアップができない状況というのは当然好ましくないですよね。カスタマーリングスを導入すれば、お客様1人1人の開封したタイミングに合わせてメールをお送りできるので、私たちの考えでもある「適切な情報と充実したアフターフォローの提供」を実現できるのではないかと思い、導入を決めました。

導入後の改善『メール開封率3%UP』『定期引き上げ率2%UP』の
取り組み事例

──カスタマーリングスを導入して、見えてきたことや取り組まれていることについて教えてください。

飯塚様:社内全体でカスタマーリングスを活用していますが、主にCRMチーム、カスタマーサポート、フルフィルメントの3つの部署が、リピーター様の育成を目標に取り組みを行なっています。CRMチームでは、メール配信のABテストの実施や最適時間帯配信を行なっていますが、以前よりもメールの開封率が2~3%向上しました。また、DM発送対象リストの抽出にもカスタマーリングスを活用しています。

カスタマーリングスによるアンケートの実施も、お客様の本質を知るために非常に役に立っています。アンケート結果から得られた情報を仮説立てして見直した結果、ナイトブラの単品購入から定期への転換率が2%改善できました。また、カスタマーリングスの導入前はアンケートの集計と分析を手作業で実施していたため、その分の工数も削減することができています。

それ以外にも、購入した商品を軸にLTV分析(継続状況分析)ができるようになったため、継続利用の障壁となるボトルネックも抽出することができました。どのようなお客様に利用していただき、どのようなところに満足いただけているのか、その上で課題を解決するためには現状の施策をどう変えるべきかという、次の行動変化につなげられています。

また、初回購入から2回目購入までの経過日数を分析した結果から、気づきを得ることができました。結果をもとにアプローチを見直した結果、単品から定期への転換率の向上につながったのです。

弊社の主力商品であるナイトブラは、劣化が目に見えてわかるものではなく、買い換えのタイミングはお客様個人の価値観に委ねられます。ですがいくら素材にこだわって作った商品でも、毎晩ご着用いただいているとアンダーの部分が緩くなってくるなど、本来の機能が発揮しづらい状態になってしまいます。それにも関わらず、なかなか2回目の購入にはつなげられていない状況でした。弊社としては、2、3ヶ月のスパンで買い換えていただきたいのですが、実際は半年でも転換されている方がほとんどいなかったのです。そのため、そもそも販促メールの期間を90日と置いている時点で違うなと。転換率がわかったことで、もう一度購入しようと思っていただけるような仕組み作り、具体的にはキャンペーンなどのワクワクするような企画をもっと増やそうという考えにシフトすることができました。

施策にもっと一貫性を持たせて、たとえば共通の文面でお送りしていたフォローのメールなども、お客様それぞれの悩みにフォーカスしたものを送るなど、工夫が必要だなと。ナイトブラを着用いただくことによって、お悩みに対してどのような効果が出るかなど、もっとこちらからアプローチしようということになりました。これは転換の数値を見た上でわかってきたことで、以前はここまで分析の深堀りはできていませんでした。

また、事前にカスタマーリングス側のサポートが充実していると伺っていましたが、これほど熱心に対応していただけるとは思っていませんでした。些細な疑問にも丁寧に答えてくださいますし、何よりツールを導入して終わりではなく、一緒に運用していこうという姿勢に心打たれました。たとえ電話が通じなくても、すぐにメールで返信いただけますし、厚かましいぐらい色々とやっていただいています。その結果、弊社のやり方の間違いに気づくなど、こちらの成長につながっていると感じます。

──カスタマーリングスを導入したことによる業務的な変化についてはいかがでしょうか。

飯塚様:分析に関しては、これまで簡単な作業でも2〜3時間かかっていましたが、それが10分程度と10分の1以下に減りました。これは非常に大きいですね。以前のツールでもアンケートの集計や分析はできていましたが、クロス集計などの細かい分析はExcelなどを使い、自分たちでフォーマットを作っていました。それをツール上で行うことができ、分析する上で知識として溜め込みつつ、手法として増えたのも大きかったと思います。また、カスタマーリングスではアンケートのデータと購買コードを掛け合わせられますが、転換者と非転換者のギャップを見る際に購入回数で分析したところ、社内の人間が感じている商品の効果を顧客にも感じてもらえていると実感できたのは興味深かったですね。

──カスタマーサポートとフルフィルメントが行なっているカスタマーリングスの活用方法についても教えていただけますか?

飯塚様:カスタマーサポートでは、電話応対後のメールをカスタマーリングスから実施していますが、それがクロスセルのきっかけになっています。電話でご紹介した商品の良さを、お礼を兼ねたメールでも後追いでご案内しています。

フルフィルメントでもメール配信によるアンケートを活用しており、商品についてではなく、普段聞きづらい輸送箱に関するリサーチをしたこともありました。輸送箱はこれまで白地のものをお送りしていましたが、商品が届くまでのワクワク感を輸送箱でも演出できたらと思い、季節感を持たせたデザインを取り入れたり、箱のデザインコンテストも実施したのです。お客様のイラストをデザインに組み込んで届けたら感動していただけるのではという想いから行いましたが、そのこだわりが結果的に次の購入につながったかどうかを知るべきではないかなと。そこで輸送箱に関するアンケートを行い、数値化するのが難しい部分をリサーチしました。

さらなる改善に向けた今後の展望

──弊社のサポートについてご評価いただいておりますが、特に良かったと感じていただいた具体的なサポート内容があればお聞かせください。

飯塚様:こういった分析を行いたい、こういった機能はないのか、といったことを質問させていただく機会が頻繁にありますが、それに対して1つ1つ丁寧にご案内いただけるので、社内のカスタマーリングスの知識や運用能力も各段に上がってきました。また、サポートの方だけに限らず、弊社をご担当くださっている方々にも多々サポートいただけているので、本当にありがたく感じています。共にお客様の理想の姿の実現に向けて進めているような感覚を持っています。

──では最後に、所属部署の今後の目標や展望について教えてください。

飯塚様:これまであらゆるカスタマーリングスの機能を活用してきましたが、今後は特に分析ダッシュボードを拡充していきたいと考えています。ダッシュボードで数値を管理できるようになれば、さらにデータの分析や集計が簡素化できるようになります。その分、創造業務に費やす時間を増やせるのではないかと非常に期待しています。

また、カスタマーリングスを用いてお客様にお送りしているアンケートからも、これまで多くの気づきを得てきました。たとえば、ナイトブラはその名称から夜使うものとしてお客様に認知されていると思いますが、アンケートを通じて日中も使っているというお声も届いています。

今後はお客様がナイトブラを着用する生活が習慣化されることによって、これがないと落ち着かない!と感じていただけるような存在になりたいですね。そのためには、ただ売るだけではなく、ワクワクしてもらえたり、商品の購入が楽しくなるような施策をご提供できるようにしていかなければなりません。弊社の商品がもっと日常に溶け込めるよう、商品の良さはもちろん使い方や買い替えのご提案もしていきたいと考えています。

株式会社HRC CRM課 飯塚様(右)、小澤様(左)

インタビューに応じてくださった株式会社HRC CRM課 飯塚様(右)、小澤様(左)