活用事例インタビュー
フローバル株式会社 小売事業部 ネット通販グループ ネット営業1課 岡崎氏 / 笹渕氏

必要だろうと思ったアイディアをどんどん試して売上が2倍に

フローバル株式会社

小売事業部 ネット通販グループ ネット営業1課
岡崎氏 / 笹渕氏

フローバル株式会社様 ロゴ

カスタマーリングスをもっと詳しく

導入前

導入前

導入の決め手

  • セグメント、パラメータ、行動履歴、属性設定など細かく設定でき、各データを掛け算で活用できるため、マーケティングアイディアを限りなく具現化できそうと感じたため

導入後の成果

導入後

成果
  • 玄人レベルでのセグメント作成や、自分たちのアイディアをメルマガに落とし込めるようになった結果、一斉配信の時と比べてメールからの売上が200%にUP
  • アプローチが不足している客層や不必要なメルマガ配信の存在が分析から浮き彫りになり、施策の見直しにも着手
  • データ分析の属人化が解消され顧客の動向や現状の把握といったデータ活用が個人から組織へ拡大。可視化の高速化も実現

自社ブランドの配管部品の開発・製造から、海外メーカー品の卸、小売まで、幅広く事業を展開するフローバル株式会社。創業100年を超える歴史を持つ同社は、卸と小売の2つの事業を柱に、これまで多種多様なアイテムを取り扱ってきた。13年ほど前にネット通販の分野にも進出し、流通業(卸・小売業)の顧客向けECサービス「らくねっと」の運営を開始。現在は、機械工具や管工機材、工業用ゴム製品などを販売している。一方、国内の製造業・工事業の顧客向けには、ECサイト「配管部品.com」と実店舗の「設備マート」を運営。フローバル社のCRMを推進する小売事業部 ネット通販グループ ネット営業1課の岡崎氏と笹渕氏に同社のCRM戦略、およびデータから気づきを得る顧客実感の取り組みについて話を伺った。

公式ECサイト:配管部品.com

公式ECサイト:配管部品.com

導入の決め手は、
アイディアを限りなく具現化できる可能性を感じたこと

岡崎氏と笹渕氏が所属するネット通販グループでは、工場の機械装置から生産設備、トイレ・浴室・エアコンなどの住宅設備まで、幅広い分野のアイテムを扱うオンラインショップ「配管部品.com」を運営。一人親方や街の電気店、工事業者、ガス屋などが主な顧客だが、利便性高く部品などを調達できる受け皿になれるようなサイトを目指してきたという。両氏が所属する部署では、配管部品.comの売上拡大をミッションに掲げ、サイト認知の向上施策、PB(プライベートブランド)品の販売拡大、サイトやPB品のブランディングについて取り組んできた。

課題に対して伸び悩んでいた頃、同社ではカスタマーリングスを導入。1年ほどかけて取り組むべき課題を整理しながら、カスタマーリングスの活用を進めて行った。

「小売業である以上、お客様へのアプローチ方法については無限にアイディアが出てきます。カスタマーリングスは、玄人レベルでのセグメント分け、行動履歴や属性設定といった各種設定値の変更ができる点、各データを掛け算で活用してメール配信に活用できるところにマーケティングのアイディアを限りなく具現化できる可能性を感じました。中でも自分たちのアイディアを自動送信のメルマガに落とし込める点は、機能として非常に充実しており、リピーターの醸成に大きく寄与したと思っています」(笹渕氏)

人気商品のPROSTYLE TOOL「水中ポンプ/陸上ポンプ」

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現在は、カゴ落ちメールをはじめ、カスタマーリングスが得意とする様々なメール配信機能を主に活用しているという。

また、セグメントに関しては、日々いろいろな施策の中で使っており、「購入期間や最後にメルマガを開いたタイミングなど、データ加工機能(※)を活用しながら、施策に落とし込める点が非常に有効活用できています」と笹渕氏は話す。
※カスタマーリングス上で保持しているデータをもとに自動計算し、新たな値を作成できる機能。SQL等のプログラミングが不要で、マーケティング現場で必要なデータをノーコードで作ることができる。

単純な購入期間や顧客のセグメントはどのツールでもできると思いますが、管理画面上で詳しく値を設定したり、パラメータの機能が充実しているのはカスタマーリングスならではではないでしょうか。メルマガ上にテンプレートとして落とし込めるパラメータは、弊社の意図したものが作れるので非常に重宝しています。また、データ上にある項目のみならず、データベース上にある項目をツール内で自由に掛け合わせてメルマガに反映できる点もいいですね」(岡崎氏)

メルマガのPDCAと
新施策の実現は大きな評価ポイント

カスタマーリングス導入後、セグメントを活用したメルマガを配信することで、顧客の各フェーズ(RFM)をもとにしたメルマガ自体のPDCAと新施策を実現できたのは、大きな評価ポイントだという。また、分析結果からは、アプローチが不足している客層や不必要なメルマガ配信の存在が浮き彫りになってきた。その結果、メルマガ全体配信の廃止や効果が薄いメルマガの停止、新規施策の配信を行ったという。

「ECから流れてきた顧客データをカスタマーリングス側のデータ加工機能やセグメントで調理し、やりたい施策に落とし込んでいますが、メルマガの一斉配信をしていた時代に比べてメルマガからの売上が倍増しました。セグメントしてお客様に必要だろうと思ったアイディアをどんどん試していった結果、確実に売上増に繋がっています」(笹渕氏)

新施策に関しては、例えば登録だけして購入に至っていないF0層の顧客が一定数いたり、F1からF2のリピート顧客を作る過程が少し弱いと感じたことで、F0からF3の顧客に対してメルマガでクーポン配布を行ったこともあった。また、離脱も一定数いるため、何回以上購入した顧客が離脱しやすいかということを分析した上で、そこに未購入期間を掛け合わせ、アプローチすべきターゲットを把握してから該当者にメルマガを配信するということも行ってきたという。

プライベートブランドから発売している「エアコンベース」

プライベートブランドから発売している「エアコンベース」

また、配管部品.comでは顧客の業種によって求める商品の傾向にバラつきがあるため、商品軸で考えることもあると笹渕氏は話す。

「ナショナルブランドの商品をご購入されたお客様に対して、次は弊社のPBブランドはいかがですか?という商品軸のアプローチも実施し始めています。もともとメルマガを全配信していた時は、キャンペーンの案内や商品特集など、すべてのお客様に同じ商品を案内していました。そのため、一定の層には刺さる一方で、一定の層にはまったく刺さらないという不一致が起きていたのです。現在は、キャンペーンや全顧客に響く施策は全配信していますが、その中で過去1年に一度でも購入をしてくれた人、といった具合にセグメント分けして、母数自体を減らすようになりました」(笹渕氏)

自動化されたシナリオは全部で10シナリオほどで、それ以外にアイディアを形にするためのセグメント配信を不定期で運用しているという。さらに2020年より、脱価格競争をテーマとして、顧客がリピーターになる仕組みの構築に取り組み始めた

「お客様の実際の需要のタイミング・購入サイクルを見極めるため、メルマガの反応を見て、キャンペーンの利用回数の実績を調査しました。それにより販売側の想定とは異なる、適正なキャンペーンの実施回数を把握できたのです」(岡崎氏)

データから気づきを得る
顧客実感とは

ここでデータから気づきを得る顧客実感の取り組みについて伺うと、「答えありきで顧客データを活用することがありますが、実施した施策がどの顧客に響かなかったのかということを把握できるということが分かりました」と笹渕氏は話す。例えば同社ではPBを主力商品にしているが、人気商品は欠品して入荷が2、3週間先になることも多く、機会損失につながることも多々あるという。そこで入荷の目処がついたタイミングでメルマガを配信したところ、購入してくれる層が一定数いた。

「対象商品のコンバージョンからその期間中の商品の有無をセグメントし、さらにお客様がその商品ページを覗いたかどうかという2つの情報を掛け合わせることで、商品は閲覧しているけれど購入はしていないということが判明します。欠品しているので在庫はもちろんなく、購入していない=購入できなかったという仮説のもと、メルマガを送信して成功したという事例です」(岡崎氏)

普段のメルマガのCVRは5%前後だそうだが、その時はなんと20%を超えていたという。このように、数字だけを見ていてもなかなか気づけない顧客の本当の動向が、購買情報と行動履歴が合わさることで見えてくる。顧客実感の成功例と言って良いだろう。

UI上でBIツールのような使い方ができる点は
大きな変化

カスタマーリングスを導入したことで、数字の面だけではなく、業務面での変化も見られたという。

「カスタマーリングス導入前のGAとExcelでの分析と比べ、カスタマーリングスのUI上でBIツールのような使い方ができる点は大きな変化ですね。問題や課題に合わせて見るべき数字は変えるべきだと思っていますが、カスタマーリングスでは現状把握や今の顧客の動向、RFMなど、気になった時にクリックするだけで数値が出ます。そのダッシュボード機能に関しては魅力を感じています。また、Excelなどで表現する部分がUI上で見れるので、スキルが属人化しないというのは大きなポイントですね」(岡崎氏)

最後にカスタマーリングスのサポート体制について伺うと、「頻繁に定例会を実施いただき、全面的にサポートしてくださるので大変助かっています。定例会でいただくレポートには必ず気づきがあり、深堀りすることや次回までにやる課題が明確で、ここ1、2年で自然と次につながるサイクルが構築できました。また、このペルソナに対してこの施策をやると良いのではないかという、こちら側に立った提案や分析もしていただけますが、それはなかなかできるものではありません」と岡崎氏。

今後については、「まだまだアプローチできていない層はいるので、CRMを活用しながら新規顧客を発掘したり、顧客の声を収集して売上に反映させたり、リピート回数の向上にも取り組んで売上に変えていきたいですね」と結んだ。